ロードバイクで大変お世話になっている先輩がお乗りのTREK DOMANE SLRに、機材トラブルが発生し、TREK本社に送り返す案件に。
無事に解決する方向でTREK本社が手厚い保証を発動させて向かっているのですけど、新規にフロントフォークなどを製作して…
なおかつTREKの売りのひとつである「ICON COLOR」で買われた先輩の仕様で補修部品というか交換部品を生産されている為、ものすごく時間が掛かる…w
というジレンマ。
そこで、2022年式のEMONDA SLReTAPを代車で貸与してくださったのですが、本国仕様の組み方な為に左レバーが前ブレーキ。
右レバーが後ろブレーキなので、借りた先輩は咄嗟の時に怖いからせっかくのご厚意ですけどお返しします…
という流れから、お世話になっている店長が「Tさんの為に試乗車ですが、ドマーネ返ってくるまでコレ乗っておいてください!」と貸与してくださったのが画像のEMONDA ALR5です。
普段、SLRにお乗りの先輩はコレで走っても勿論速いんですけど、やはり物足りない…(とはご本人は発言してませんので悪しからずw)
というか、最近の妙に巡航速度などが速くなっている我々と一緒に走るのに辛いかも知れない。
そこで、店長とお話しする機会があったので
こんな事をお聞きするのは失礼だし、やってはいけない事なのかも知れませんが…と前置きをしてから「先輩に私のロバールを貸しても良いですか?お借りしているエモンダにロバール装着しても良いでしょうか。お返しする時は元通りにしてお返します」とお聞きしたら、「それは逆にありがたいです。Tさんは、試乗車のスペックだと物足りないでしょうし、是非そうしてあげてください」と快く了承。
という流れで、今朝出勤前に私の自宅前に来ていただいて、ホイール交換しました。
私のスペシャからROVALを外し、ブレーキローターを丁寧にパーツクリーナーとマルチクリーナーで清掃(不思議なもので、違う車種になると音鳴りしてなかったのに音鳴りしたりするので)し、いざ取付け。
こんなワタシでも、妻のロードと私のロードをメンテしている関係で慣れた手つきでホイール脱着。
ここまでは大抵順調なんですよ。
問題はこっから。
前輪を浮かして手でホイールを回す。
シャリシャリシャリシャリ…
うむ。
予定調和的にパッドとローターが干渉しているw
パッドクリアランス0.2㎜とかなんで、まぁこれはしょうがないんですよね。
センター出し用のツールをローターにかませて、そろっとキャリパー部にくるように回す。
キャリパー本体を固定しているボルトを緩める。
この時に、面倒がらずに割とな感じで緩めるのが吉。
妻のローター調整している時に経験してこれを痛感。
「がっつり緩めますね~」とは先輩の言。
「そうなんですよ、ここは思い切って緩めた方が良い場合が多かったんです」
と説明しながら緩め、先輩にブレーキレバーを握っていただいてセンター出し。
普段は独りで作業しているので、これをやっていただけるだけでも捗るw
ずっと握っていただいて、その間に徐々にボルトを交互に締め込んでいく。
一気に締めても、締める時にキャリパーが動くんですよね。
交互に交互に、ちょっとずつ締め込んでいく。
きっちり締め切る前にも、さらに締める量を減らして交互に締める。
これで完成。
多分、大丈夫だと思うんだけど…どうでしょう…。
という事で再び前輪浮かして手で回す。
完 全 に 無 音
今までで一番上手くいったかも知れないw
そして、後輪に目を移して驚くw
そうだった…。
Specializedのロードモデルは、前160㎜ 後140㎜のローター径なんですよ。
横風の影響を抑えられると共に、若干の軽量化にも繋がり、後輪ロックの恐れも減るというメリットがあるので、スペシャ以外にもコレを採用するメーカーはあります。
TREKは前後160㎜が純正の設定なんです。
私は、前後160㎜設定のディスクロードに乗るまでは、スペシャみたいに前後で異径のローターの方がコントローラブルで良いんちゃうん?
と思っていたのですが、Madone SLRに乗って体験してからは前後160㎜派ですw
実際には、乗る前に普通の人が思いつく利点よりも前後160㎜で確実な制動力を手に入れていた方が、あらゆる場面で選べる選択肢が拡がって個人的には良さの方しか感じませんでした。
ディスクロードに慣れてから乗っているから…というのもあるのかも知れませんけど。
話しが逸れましたが、そういう理由でリアキャリパーにディスクローターがほとんど噛んでないw
アカンやん…w
俺工具持ってなかったよなー…(この時、完全に思い込み)
それに160㎜ろーたーは予備あるけど、新品だし慣らしとか色々面倒かも知れん…とぼんやり考えていた時に、目の前に転がっている純正ホイールにそのまんま160㎜ローター付いてるやん!と再認識w
そして、Youtubeでローターの外し方動画を視て…
あっ!
そうだったわ。
俺、工具持ってるやんw
と思い出して「すんません、工具取ってきます」と断ってダッシュ。
完全に寝不足が原因です。ありがとうございましたw
ローターを外す工具(スプロケを外すのにも使える工具)を持ってきて、ディスクローターを140㎜→160㎜へ交換して装着。
センター出しも一発!
後輪浮かして回す。
完全に音が鳴っていない。
試乗もしていただいて、私も試乗して異音他を確認。
なので、画像を良くみていただくとわかりますが、前後でローターのグレードが違うのはそういう理由です(前:アルテグラ 後:105)
後輪のブレーキは補助的にしかロードは使わないので、後ろが105で前と後ろで放熱性に違いがあっても大丈夫でしょうw
試乗して帰ってきた先輩は「むっちゃ変わった!ありがとう!」と喜んでくださいました。
私も以前同じ代車借りて乗った事があるのでEmonda ALRの純正の乗り味は知っています。
アルミフレームなのに乗り心地が良く、価格の割に良いモノ感があって「結構いいやん!」が正直な感想でした。
ROVALのカスタムホイールに交換後に試乗させてもらって驚いたのが「良く知ってるロードの動き」になってましたw
軽快さが増し、乗り味に少しスパルタンさが生じ、鋭く曲がるようになりました。
…が!!
ここでひとつ驚いた事が。
やっぱSLRとか凄いですわ。
アルミフレームは反応が良くて、乗り手によってはカーボンフレームを喰える。
なんだったらハイエンドモデルにも下剋上で勝てる。
みたいな話がありますが、やっぱり価格差なりの差がありますわ…。
現実は酷いですね…。
まず、コーナリング時にフロントフォークがヨレてんですかね?
乱暴にタイヤグリップに任せて(これはわざとです)コーナリングすると、毎回違うところを通る。
きっちりと体重移動して、各部が撓んでからコーナリングするとそれは正確に曲がるんですけど、「そういうタイムラグ」があります。
やっぱSLRのフォークとかフレームとかヘッド剛性って、高いんだなー…って納得。
それと、ホイール交換作業の時に見た目でもわかりますし、手応えでもわかるんですけどチェーンステーとシートステーの精度や剛性などがやっぱり価格なり。
SLRみたいにスパッ!とハマりません。
スルーアクスル締め込む時も、差しこみ側の反対側のエンド部分を手で押さえながらじゃないとスレッド部に入っていかない。
SLRやドグマならそこ手ぶらでもスッス入っていきますよ。
コーナリングも少し乱暴にしたら毎回通るところが違うのも、こっちの剛性の差も原因かも知れませんね。
これは、非常に厳密なハナシです。
そういう意識で乗らなければ、なかなか気付かない差くらいには酷くはないです。
でも、やっぱこういうのってあるんだなぁ~…
個人的には良い勉強になりました。
それにしても、借りてる試乗車が見違えました。
全般的にはものごっつ走るようになりましたw
30km/hまでひと踏みです。
ホイールの与える影響って大きいですね。
今回お貸ししたホイールは、のむラボさんのありがたい記事を参考に店長に無理言ってバラして手組してもらったカスタムしたROVALです。
CL50 discがベースですけど、スポークをノーマルで採用しているコンペティションレースから、SAPIMのCX-RAYとCX-SPRINTを逆異径組みで組んでいただいてROVALの弱点である左右差を埋めるカスタムを施しているホイールです。
丸スポークからエアロスポークに変わっているので、ホイールを空転させた時に風もこないし音も鳴らないwという、自転車のホイールでこういうのを知らない人が触れたら驚くだろうホイールです。
今回は、先輩も喜んでもらえたし
私も良い勉強になったので出勤前のバタバタとした作業でしたが、とても楽しかったです。
さて、仕事頑張るかw