
今年の四月頃に「今フレーム発注しても、どうせモノが来るのが早くても年末か来年くらいだろう」と勝手に思い込んで発注をかけると驚くべき事に「Radiusさんのサイズのフレームのみ2セット在庫あるみたいで、即納ですw」とお店から連絡が。
思わぬ早期入手に繋がったフレーム。
おかげで9月の値上げ前に入手出来てちょっと安くつきました。
私が買った時点でフレーム価格は264000円。
これ日本に初導入時の時は20万円なんですよ…!!
安すぎませんか。
私が買えた時点でもコロナ禍や他の要因で値上げがあった価格なんです。
それでも実際に体験した性能と楽しさを考えたらまだまだ割安感を感じられる良い価格だったと思います。
20万円時代に買えた人たちは勝ち組ですw
そんな価格の話はさておき。
運よく入手できたこのフレームが自転車のカタチになるまで実に四か月半?五か月くらいかかりました。
全ては部品供給不足が深刻だという現状を体現しております。
最後まで届かなかった部品はBontragerのシートポストでした。
これは単に例のカーボンハンドルのリコールなどによる、TREK自身の材料調達が間に合わないほど生産に追われているという理由が大きいと思われます。
次に届かなかったのは、シマノのリアディレイラーとクランクセットです。
一応、納期がはっきりしてからきちんとその日にちに届いたのはさすが日本企業!だと感心しました。
組みあがってから、淀川河川敷周辺や泉佐野漁港、北摂と3か所走ってトータル260kmくらい乗ったので感想を書きたいと思います。
①まず楽しい
不思議と楽しいのです。
速い遅い関係なく楽しいんです。
実際、グラベルロードにしては速いので「痛快に走れる」からこそ楽しいと感じている側面はありますけれど、それだけではない不思議な楽しさがありまして、通常のロードバイクと比べると結構いいセンいくな!と感じるほど速くは走れますが、舗装路を速く走る路線で評価すると「通常のロードバイクの方がやっぱり速い。そして速く走る方面においてはロードバイクの方が楽」という結論になりますが、なんかね。不思議とね、楽しいんですよ。
レースとか勝ち負けが絡むとそうも言ってられないと思いますけれど、趣味で乗るなら遅いよりは速い方が良いのは間違いないですけど、あと長距離乗ると疲れますけれど(主にタイヤの重さによる)不思議とむっちゃ疲れてんのに「また乗りたいな」と考えている自分に気づきます。
→恐らくですが、ロード用の軽いタイヤとホイールに付け替えると楽に速く走れるだろうと思います。グラベルロードとしては買った意味がなくなりますけどw
②想像以上に素直に動く
グラベル用のタイヤといっても、タイヤについたノブは非常に背が低くセミスリック…まではいかないですが舗装路を走ることも考えられたタイヤを装着しているので、スリックタイヤを装着したロードバイクほどではないにしろ、概ね「ロードバイクってこういう挙動」だと思う範囲内でコントロールできます。
これってフレームやホイールも優れている一方で、今回選んだPirelli Cinturato Gravel clasiccというタイヤが優れている証拠でもあるでしょうね。
③フロントシングルはシンプル
グラベル路面走行時に無用なトラブルを避けるために、今回はフロントの変速機構を削ってフロントギアはシングルで組んでいただきました。
所有車でフロントシングルは初体験です。
42Tという歯数のギアを組みました。
リアスプロケットは、11-34Tの予定でしたが痛恨の発注ミスで12段のスプロケを店長はとっていたw(私が組んでもらったGRXは11段)
もうひとつは、GRXらしい11-42Tというスプロケを発注していますが納期が全く未定。
そのため、お店の在庫で使えそうなスプロケを探してもらうとロード用のアルテグラグレードの11-32Tというスプロケがあったのでそれで組んでもらっています。
歯数が2つしか違わないので、まぁなんとかなるかな…と思っていたんですけど不安になって計算してみると…
・42÷34=1.235294…(当初の予定)
・42÷32=1.3125(現状)
※参考:GRX(グラベルコンポ)らしいリアスプロケが42の場合は1.0
当初の予定の34Tスプロケでも、ロード用の少し男前な52-36Tというフロントチェーンリングを組んだ場合の36÷28=1.285714…というギア比よりはかなりマシ。結構登れるんちゃうん!?
しかし、50-34Tという最近流行ってるコンパクトドライブ組んだロードの場合は、34÷28=1.2142857…となり非常に軽い。
ちなみに、エモンダが34-28です。
手放したアレスプが36-28でちょっと男前。
両方とも経験あるのでこれらのギア比をリアルに坂道で身体に刻んでますw
登りはやっぱり34-28の方が楽。でもタイムは出にくい。
36-28はタイム出しやすいけどマジで最後はきつくなりますw
というあたりで、当初キングジデコに組む予定だった42÷34の場合の1.235294…ってギア比はマジでアリ。
低すぎず高すぎない。
割とどこでもいけるギア比だと思います。
そんで先日の感想ともラップするんですけれど、キングジデコはハイエンドモデルっぽい伸び方をします。
なので低すぎるギア比はかえってアダとなりそう。
なので今回成り行きで11-32Tスプロケ組んでますけど、走る場所を選べば割とアリ。
あるかないかという選択肢ではなくてアリ。
もっと走る場所を選ばない仕様としては11-34Tがマジで隙なしなんじゃないだろうか?と思います。
でも、先日走った北摂のライドコースみたいに激坂に突っ込まずに適度なアップダウンとあっても斜度10%前後くらいまでの道のりで楽しむなら11-32Tは絶妙にギア比がクロスしていて走っていて変速した時に「ガクン!」となって脚に来る段数がなく、スムーズにギアが繋がっていくので11-32Tの評価はかなり高いです。
普段はこのままで良いんじゃないかと思います。
ただ、デメリットとしては。
高速側のギアが足りない。
圧倒的に足りないと言えるほどの走力や脚力がない私でも足りないと言えちゃうほど頭打ち。
気付くとトップギアに入っちゃってます。(主にダウンヒルや巡航時)
そこのギアレンジの広さは、やっぱりフロント2速には敵いませんね~。
④剛性が高い
フロントディスクが立ち漕ぎ時などにパッドと擦って音が鳴る。
と先日の記事で書きました。
それの理由がわかりました。
シマノのディスクローター厚みは新品時に1.8㎜
SRAMのディスクローター厚みは新品時に1.85㎜
ロードバイクにセットした時のパッドとローターとのクリアランスは片側で0.2㎜と言われています。
それをハナから0.05㎜製品で削ってます。
さらに、フロントのブレーキに関しては「イタリア車あるある」で納車前に干渉してましたw
フラットマウントを受けるフォーク側の方が「平滑度」というか「平行」が生産精度の問題で出てなかったんです(非常にわずかな誤差)
それをお店で修正してくれたんですけど、どちらか左右に少しだけ偏心してます。
普段の走行ではそれで問題ないんですけど、制動力を発揮するほどは接触してないんですけれど顕微鏡の世界くらいで本当に極僅かに接触してるんですね。
直進時で既にw
もう気にせんと乗ってますけれど、そんな状態で立ち漕ぎでフレームやフォークに変位をおこさせるような漕ぎ方をすれば剛性高いったって変位量0㎜なほど完全剛体なワケはないので僅かに変位します。
その時にディスクとパッドが擦れてシュッシュと異音がするわけですが、ここで私は気づいたんです。
直進時で既にむっちゃくちゃわずかに擦ってる(走行には問題ない程度で)
それから変位するほど左右にバイクを振って乗ってるのにも関わらず、大きく干渉した時特有の「シャンシャン!」だとか「シャリシャリシャリ…」という音が鳴るのではなくて「シュッシュッ」と僅かに鳴るのみ。
なんなら車が近くを走ってるとその音はむっちゃ注意していても聞き取れないほどの音量でしかない。
というあたりと、実際に乗った時に「剛性が足りないという乗ってて不安になる動きはなかった」という記事を書いていると思うのですけど、その体験と合わせて考えた場合、それとライントレース性の正確さも合わせて考えたら。
やっぱキングジデコは剛性高いんだろうなって思いました。
ていうか走っていて気持ちいいので良しとしますw
(説明なげーよ)
⑤グラベル用ハンドルは操作性が良い
今回、Bontrager
GR Elite Handle barを使っています。
これが操作性優秀で非常にいいんですけど、贅沢にもカーボンハンドルに慣れてしまった現在の身ではこれで長距離走るとちょっと手が痺れます。
全然ひどくもないんですけど、やっぱりアルミとカーボンの差は感じます。
だからといって、カーボンハンドルでこのアルミハンドルと同じくらい快適に操作できる製品を私はまだ知らないので、しばらくはコレを使おうと思います。
本当に操作のしやすさで惚れたのは久しぶりです。
(Madone SLR純正ハンドルが今は一番好きです)
※総括
今のところ、好印象しかありません。
グラベル用タイヤのおかげで舗装路を走る点においては、通常のロードバイクより負荷が高まっているので「楽しみながら良いトレーニングになる」のです。
走れる路面の自由度も高まっていますし、私のように「ほぼ、グラベルを走らないw」という趣味でロードに週末乗って楽しむ人間でも実際に所有して乗ってみて思うのがグラベルはアリ!という結論です。
今まで走り慣れた道も「これで登れるだろうか?」というチャレンジに変わるんですよ。一回目だけですけどw
グラベル買ってもなぁ…
走るところが(日本では)ほとんどないからなぁ。
グラベルらしい走らせ方が欧米みたいにできんもんなぁ…
って悩まず、興味あって欲しかったらGO!です。
Kingzydecoみたいにバイクパッキング方面も本格的に対応しているモデルほどではないにしろ、通常のロードバイクよりはダボが多数設定されているので慣れてきて走り方とか楽しみ方に余裕ができてきた時に、そういう方面でも楽しめる楽しみが出てくるんですよ。
私はまだ普通にロードバイクみたいな乗り方をするだけでも十分に楽しめるんで、まだそういう方面にはいかないですけれど選択肢が拡がるのでグラベルロードはおススメですね。
妻が乗るJAMIS RENEGADE S5のような低価格なのにしっかり走るモデルの場合なら、街乗りも気軽にできます。
それでも盗まれたり悪戯された嫌な気分になりますけど数十万円するモデルでそれをやられるよりは精神的ダメージが小さい。
なので気兼ねなくどこでもマジで乗っていける。
それもそれでアリだと思います。
実際、妻はクロスバイクより安定して走れて気軽に駐輪場に(それなりの対策はもちろんしてますが)施錠して置いておけるのはありがたい。って言ってます。
もちろんそれでも半日置いたりとかはしてませんけど。
グラベルロード、流行ってる理由がなんかわかるな。
って思いました。
普通に一般的なロードバイク用途で乗るなら、もちろん通常のロードバイクの方が速いですし快適ですw
ただ乗り心地とかはタイヤのキャパの差でグラベルロードの方が楽です。
この辺の表現は矛盾しているみたいに見えると思いますw
なんにせよ、変な電子制御のごまかしやら帳尻合わせやらが単純に何にも介在していない純然たる機械の精度や強度や剛性バランスだけで支配されていて、それの上に跨って体重移動しながら走れるロードバイク(やマウンテンバイク)は今のクルマたちが失ったモノを持っています。
乗り物好きならぜひ、一度乗ってみてください。
追伸
大台ケ原を車で登っていく時に、ロードバイクでヒルクライムしている人たちを見かけました。
単純に逆立ちしても自分にできない事にチャレンジしている人たちにすげぇ!!
と感心する一方で、当時の私は「エンジンのついてない乗り物に数十万やら百万もお金かけるのは理解できないな…」と思ったのも事実なんです。
そんな私が今やどっぷりハマってますw
そこそこ程度の良い911カレラの中古一台買えるくらい、ロードバイクにお金突っ込んでしまいましたw