2025年06月10日
2019年に発表されたSRAMが提唱する新しい統一規格「UDH」
ユニバーサル ディレイラー ハンガーを略して「UDH」
これが激しい走りの現場で採用されるMTBに用いる事で提唱した事で、UDHがもたらす新しい問題を提起する記事をネット上で見かけました。
UDHは、駆動系側のチェーンステー端部にボルトで締めこんで固定する事で装着されます。
つまり、スルーアクスルの孔を利用してボルトとUDH本体で挟み込んで固定する納まりです。
チェーンステー側は、このめねじを切ってあるUDH本体を固定できるように、形状に制約を求めます。
この形状がキモとなって、後に「T-TYPE」という優れたダイレクトマウントを採用するリアディレイラーが発表されるのですが、それはその後の話し。
通常の装着方法を採用する幅広いメーカーの製品を固定する為に、統一規格として提唱された「UDH」に発見された問題点を紹介します。
大事なお話しなので、紹介いたします。
一本のボルトで、チェーンステーを挟み込んでUDH本体を固定する納まりの為に、一本のボルトで固定されているという、文字通りの構造です。
そのため、進行方向などの車体前後方向に衝撃を受けると
「回転してしまう」
という、文字通りの弱点を持っています。
MTBなどの高速ダウンヒル時に、木の根などに変速機ごと接触してしまい、UDH含めて回転方向に力が加わると、回転する力が加わってしまう。
これによって何がおこるのか。
UDHを含めて、リアディレイラーがきっちりと変速できる位置決めの為に設けられているチェーンステー(フレーム)側のストッパーを破損させてしまう。
そう、そうなんです。
高価なフレームを破損させる可能性がある、そういう事象です。
従来のディレイラーハンガーは、そういう事を防ぐ為にハンガーが破損する事で衝撃を逃がし、フレームやディレイラー本体を守る機能として設計されています。
ただし、従来のディレイラーハンガーでもそのような問題はおきなかったのか。
というと、ハンガーがもげ過ぎてディレイラー本体が思い切りホイールへ飛び込んで高価なホイールを破損させつつ、チェーンステー付近含めて破損させる…
という事例があるかないかで言えば、あります。
だからと言って、新たに提唱された規格に問題が残ったままというのもいけないと個人的に思います。
なので、SRAMなのかフレームメーカーなのか。
どちらかで真摯にこの問題に取り組んでいただきたいと、いちユーザーとして切に願います。
※幸いにして、私が乗っているGen8 Madoneはロードバイクの為。
MTBのような当たり方をする可能性は極めて低く、そのような事態が
全くおこらない…という事はないにしても、純然たるロードバイクの
場合は、このデメリットがあまり発生しないだろう事実は、ちょっと
助かったとは、これまた個人的にですがそう思っています。
あしからず。
このように、走りの現場から新たな問題を提起していただいて、少しでも自転車業界全体が良い方向に進むことを願います。
※追記
キャニオンのMTBフレームは、このUDHの問題に対して回転する方向に力が加わった時に、回転しようとするUDHの動きを逃がしてフレーム破損を防ぐ形状に設計されているようです。
まずはキャニオンがこの問題に先鞭をつけてくださった。
という事実がまずはめでたいと思いました。感謝です。
Posted at 2025/06/10 18:41:36 | |
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2025年06月10日
最近のロードバイクは本当に高い。
円安が異常な時期と比べて、少し戻ってきた感はあるものの。
それでも随分と高価な値段のままを保っています。
そこで!
確実に安く乗るならミドルグレードもしくは、それ以下のモデルを狙うのが常套手段ですけれど、そろそろハイエンドモデルに乗りたい。
そう考える方もいらっしゃると思います。
そこで、できるだけ安くなるべく希望に沿ったモデルを買いたいと狙った場合にどこまで予算が必要か?
希望に沿いまくったモデルを狙うなら、ある程度相場通りでしか実現しません。
何故なら、安いモデルには理由があるからです。
逆に高いモデルには理由はありません(ネームバリューだけでぼったくり、程度は中くらいなんて事例もあるでしょう、きっと)
ですが、基本的には信頼できる店舗でそれなりの金額を投じれば、基本的にはその後のロードライフも安泰ですけれど、できるだけ安く狙おうとなった場合はいくつか妥協しないといけませんが、妥協点を少なくなるべく良いものを買うシミュレーションをしてみましょう。
それではいきます!
①まず避ける、避けたいもの。
エンデュランス系のロードバイクにありがちな、路面からの振動吸収および減衰能力を持ったフレームの場合、その振動を吸収および減衰する機構の部品は今でも入手可能か事前に調べた方が良いです。
入手可能でも、公式ショップを通すかそこじゃないと部品が買えないみたいな製品は、はっきりと避けた方が良いです。
また、部品が入手不可能な場合も同様です。
もしくは、目利きできなかったり、現物確認が難しい場合も避けた方が良いです。
よほど乗りたいモデルかつ部品の入手が現在でも可能で、自身か信頼できるショップでメンテができるならばその限りではありません。
そういう前提で読んでください。
※全車種なんて到底網羅できませんので、紹介する機種が偏るのはご容赦ください。
①まずはフレームおよび完成車を選ぶ。
ご自身の予算に合わせて、欲しい車種のフレームセットか完成車を探してみましょう。
ここでは、例としてMadone SLRを筆頭に探してみます。
②だいたいの相場を把握する。
基本的にMadone SLRは高いですけれど、二世代前のGen6でフレームセットが25~45万円くらいで中古品が売りに出されていますが、ボリュームゾーンは35万円前後です。
Gen7、Gen8と新しくなるにつれて勿論ですが、高価になります。
→中古で買ううま味があるのはGen6くらいまで。
→もう在庫数少ないが、型落ちとなったGen7の新車投げ売りを探すのも一手
→Gen6も店舗によっては今も型落ち新車が売られている場合があります。
その場合は、はっきりと大バーゲンセール(35%引き前後)です。
③完成車の場合は、現車の組み合わせで乗る事になる。
フレームセットの場合なら、他に必要なパーツは全て自分で選ぶ事になる。
※完成車購入の場合は、ここでゴール。
※フレームセットで入手の場合は、以下に続きます。
④大抵のハイエンドモデルは、電動グループセット搭載が前提の設計
その為、買うなら電動グループセットとなります。
※値頃感を狙うなら
1>シマノなら105Di2
新品でだいたい25万円
中古なら、だいたい13~15万円。それより安いものはワケがあります。
2>SRAMならRIVAL
新品でだいたい29.8万円
中古なら、105Di2と逆転して意外と安い。
しかし、安い分市場から無くなるのも早いので探している仕様そのもので買えるタイミングは厳しいかもです。
SRAMを使うユーザーの場合、絶対にフロント変速は2枚!
そこに拘って買う人が多くないみたいでw
意外と1x(フロントシングル)で売りに出ているケースも多いです。
売りに出している人は、1xが合わなかったんでしょうけれど
意外と悪くないですよ。
完全に人によりますがw
それでも、選り好みしなければRIVAL XPLR(12速)で9万円!
とかで売ってます。
シフトレバーの新品未使用品が出ていたりして、意外と中古と価格変わりません。
だいたい7万円。
eTAP AXSの場合、シフトレバーは宝なんです。
eTAP AXS規格のシフトレバーを買えば、2015年デビューした11速のeTAPディレイラーも、2019年デビューしたAXSは勿論全て動作。
なんならMTB用のEagle系も動作。使うかどうかは別にしてw
チェーンラインの問題とかあるんで、ロードにはEagle使わない方が無難ですけれど。
マイナーチェンジおよびモデルチェンジした、現行のD2およびE1も動作可能。
そして、新型の先駆けとなったグラベル用のXPLR(13速)も動作可能。
つまり、AXS規格のシフトレバーを1セット持っていたら。
後々のステップアップ選択肢に、何ら縛りつけるモノが一切ないという素晴らしさ。
RIVALのシフトレバーは意外と高かったので、FORCE(セカンド
グレード)を調べて見たら、なんと!程度の確認は必要ですけれど56000円から出ていて価格が逆転。
新品未使用品でも、約12万円で出ているので…予算が許せばここは妥協せずにFORCE買っておくと幸せかもしれません。
RED比較で、シフトレバーとブレーキキャリパーのセット重量で56gくらいしか変わらないからです。
機能的には、制御系はイーブン。
シフトレバーに関しては、FORCEを買えるなら高い妥協点となって後悔もありません。
シフトレバーで長くなりましたが、RIVAL AXSで上手く揃った場合。
中古価格を見るに、平均で12万円くらいとなって105Di2と中古比較なら価格が逆転します。
後々の拡張性も担保されています。
※次の新型が出ても、AXSのシフトレバーなら新型の変速機も動かせる。
※シマノはまだそのアナウンスがされていません。
シマノは歴代Di2はモデルチェンジすると、前型の動作は保証しません。
ぶっちゃけ、一世代ごとにぶった切ってます。
※また、Di2は有線(11速モデル)もしくは、半有線(現行12速モデル)
というレイアウトの為、ジャンクションやエレクトロリックケーブルなどの
付属品が使いたいフレームセットと合わない場合は買い直しとなります。
つまり、「電動無線」だからこそeTAP AXSは光ります。
維持費もいまや高くなったシマノと比較すれば、SRAMとそう大して変わりません。(私が正にそういう現状です。)
DOTフルードがちょっと怖い…という人が居ますが、そういう方はミネラルオイルをブレーキフルードに採用しているシマノを選んだ方が無難です。
⑤サドル
サドルは海千山千。
よほど出所がしっかりとしている場合を除き、サドルに関しては新品買った方が良いです。
そこは予算に合わせて選んでください。
正にピンキリです。
安くて良い品物を狙う→プロロゴのサドルは安くて良い品物が多いです。
個人的にはディメンジョンという製品が好きです。
二つ買って使いました。
TREKのモデルを例に挙げているので、TREK製品から選ぶならAeolus Elite145がおススメです。
価格と性能のバランスが高次元で融合。約2万円。
⑥例として挙げているフレームセットがMadone SLRなので、まともなフレームセットならば、専用ハンドル、専用シートポストなどなど
他で買わないといけないだろうパーツが既に含まれていますので余計な出費がありません。
⑦ホイールを選ぶ。
ここは妥協したくないですよね。
Aeolus XXX4なら、だいたい12万円。
Aeolus RSL51なら、だいたい17.5万円。
BORA WTO45 DBなら、なんと約28万円。
カンパニョーロは中古でもたっけぇw
偏見は良くないですけど、特許問題はクリアしてんだろうけど
本当に技術力のある最初にそういう形状を興したメーカーやブランドに敬意を表して、新興メーカーがどこまで真意を理解して作っているのかどうかという問題は度外視して、性能と価格のバランスで言えば最高なんだろうけれど
その手のホイールは個人的主観と主張で選択肢から100%除外しています。
今後も買う事は一切ないでしょう。(キッパリ)
なので、割高になりますが定評のあるメーカーの製品をそれなりの程度で手に入れようとした場合、上記の相場を覚悟しなくてはなりません。
⑧タイヤを選ぶ。
クリンチャーか、TLRか?
ここも買いたい人により様々な選択肢があるので割愛します。
平均的な価格として前後タイヤと付属品のお値段として2.5万円を見ます。
⑨フレームセットで買って揃えた場合の予算を集計します。
私が選ぶ場合、例として挙げたMadone SLRで揃えた場合。
フレームセット35万+グループセット(eTAP AXS)…
という流れで合計した場合。
ホイールはRSL51を選んで約67.5万円。
安くないですねw
安くなる選択肢ちゃうん!?
という文字通りのお約束として、ここからどこを妥協するかという案を紹介します。
☆フレームセットを深堀する。
グループセットを探していて、お値打ちのXPLRなどのグラベル用のグループセットが非常に程度が良く、価格もこなれた状態で買えたとした場合。
選択肢が拡がります。
TREKなら、CHECKPOINTというアドベンチャー系のグラベルロードがあります。
これのフレームセットがまた安いw
だいたい9万円~というお値段であります。
これ、マジ!?
これだけで、67.5万円-26万円となり、41.5万円まで一気に下がります!
エアロロードと違うやん…
おっしゃる通り、ごもっとも!
しかし、ハイエンドに乗りたい。という意味では叶えてますよ!?
いや違う。
純然たるロードモデルで例を挙げろやw
ごもっとも。
その場合は、最終型のひとつ前の2018~2019年頃のセミエアロになってないEmonda SLRを狙うというケースもあります。
この場合、だいたい約12万円。
純然たるレースモデルがこの価格!
しかも、むっちゃ軽い頃のEmonda SLR!
同じく人気のあるS-Works Tarmac SL6なら、フレームセット価格で約17万円!
これまた安い。
一世を風靡した超性能(乗る人を選びます)フレセがこの価格!
戦闘能力は未だに一級品だぜ!?
VENGE(エアロロード最終モデル)ならどうだ…
いかん、こちらは俄然人気があるらしく未だにアホみたいな価格付けて売ってる奴が多いぞw
戦闘力の高さは認めるけれど、そんな値段(約45万円)でさんざん使った中古フレームで売れるワケないだろw
性能は確かに高いだろうけれども!
ブランドのハンコが「Specialized」というだけで、中身はS-WORKSである
Venge Proというモデルの完成車バラしフレームセットが約29万円ですって…
これはさすがの超絶アホらしいお値段。
絶対にVengeが欲しいんだ!
絶対にVengeに乗ってみたい!
そういう人以外は手を出してはいけないレベルで高すぎます。
それを言えば、冷静になって考えてみれば。
Gen6 Madone SLRのフレームセット価格が約35万円ってのも異常ですねw
よくよく考えたら、高いわw
私は実際にGen6乗っているから、その乗りやすさと速さを知ってるから価格に対して「ふーん」って感じで抵抗なかったけれど、Vengeの相場を知って冷静になりました。
Emonda SLRくらい価格が落ちていて妥当です。
いや、本当。
でも、それくらい2019年前後に出たきっちりと設計されたエアロロードって魅力的なんです。
そして、今乗っても色褪せない魅力があるんです。
最新型になればなるほど、速くて楽なんですけれど。
それは事実なんですけれど。
私は、OCLV800へブラッシュアップされたマイナーチェンジ版のGen6に乗っています。
そして、このOCLV800 Gen6のフレームセット特性に合わせこんで開発されたと、珍しくはっきりとTREKが発言したAeolus RSL62を使っているから余計のそう感じるのかも知れませんが、絶対的な速い、遅いという性能以前にフレームとの一体感の高さというか、そういう高次元のバランスは…
そんな組み合わせの妙は、なかなかないんじゃないでしょうか。
それだからこそ、余計にGen6を今乗っても色褪せない魅力を感じるので、Gen6の中古価格を見て抵抗感がなかったのかも知れませんw
話しが随分と逸れました。
話しを戻しまして。
こんな感じで選んでいくと、高くて70万円以下でそんなに妥協せずに高性能な組み合わせで選べる事例を挙げました。
ここから、出会いと運も絡みますがグループセットなどで素晴らしい出会いなどがあれば、より安くなっていきます。
今は、ミドルグレードで最も買いやすい価格帯のモデルでも、新車なら約45万円もします。
それに付属してくるのは通称「鉄下駄」と揶揄されるホイールだったりします。
これらを満足いくモデルに買い替えても→例として挙げたAeolus RSL51の中古だと仮定しても+17万円となって、62万円となります。
そこで構成されているハンドル、ステム、サドル、グループセットは…
って考えると、未だに一線級の性能を誇る、今乗っても高揚感を味わえる中古のハイエンドを体験してみる…のは、悪い選択肢ではないと個人的に思います。
Posted at 2025/06/10 01:21:32 | |
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