2025年07月17日
X(Twitter)の方で、サスペンションの話題が出ていたので久しぶりにサスペンションについてちょっと書きたいなと思いました。
サスペンション形式については、様々な見方や価値観があります。
個人的には、サスペンション形式自体は優れていればなんでもいいと思っています。
そんなに詳しくもないんですけど、昔読んでいた雑誌などの受け売りでしかないですけど、ちょっとだけ書きたいと思います。
90年代以降に車に乗っている方で、車好きな人にはそういう事はないだろうと勝手に思っていますが、世間一般的にはサスペンション形式で「安物」だとかそういう先入観ってあると思うんですよね。
例えば、マクファーソンストラットは現在多くの市販車に採用されています。
マクファーソンストラットは、実はWウィッシュボーンに変わる高性能なサスとして登場したんですよね、たしか。
アメ車メーカーだったと思うんですけど…歳のせいか記憶はうろ覚えw
名前の由来になっているマクファーソン博士が発明したんですよね、確か。
市販車で要求されるサイズ感など、様々な要求事項から制約を受けて妥協の産物となってしまうよりは、スペース的に厳しくなる(特にフロントエンジン車の場合)アッパーアームを廃しても、ジオメトリー的に優れた設計ができるならばアッパーアーム失くしても性能的損失はそんなにないよ!
という素晴らしい発想の元で生まれたとか。
デビュー当初はWウィッシュボーンに変わる高性能なサスの代名詞的存在だったとか。(記憶違いならすみません)
そんなマクファーソンストラットですが、時代の流れと共に廉価版というと聞こえは悪いですけど、スペース的な制約が強いコンパクトカーや実用車などに多く採用されるようになり、当初の設計思想から外れてしまったモデルもあったとかで、マクファーソンストラットは「安い車のサスペンション」という認識が拡がっちゃった経緯はあると思います。
ですが、当初の設計思想でいけばマクファーソンストラットはそんなネガティブな形式ではなかったそうです。
様々な要素も絡むので一概に言い切れませんが、要約するとリンクが増えればそれが揺動する際に抵抗が発生します。
そんな部品点数を減らす事ができるので、ストラットは優れている。
そういう見方もあるそうです。
単純に負荷が高くなり、ショックアブソーバーの剛性が絡んできますがアッパーアームが応力を分散・担当できない分、ショックアブソーバーの筒に横力負担が掛かって実際にはストローク発生の際にショックアブソーバーには抵抗が発生していて、この理論はどうなんだろう?と素人ながらに思うところはありますが、それは倒立式ショックなどを採用して技術的にクリアしているモデルもあります。
難しい話になると疎くなるのでこの辺で割愛してw
私見で言いたい事は、世間一般的に「安い車のサスペンション」という認識だとしても、実際には911(ケイマン・ボクスター)やインプレッサSTIや、ランエボ、メガーヌRSやルーテシアRSなど。
多くの車種でスポーツ性能で実績もある車種がマクファーソンストラットを用いても素晴らしい性能とフィーリングを提供してくれています。
実際に所有した事があって感心したのはインプレッサSTI(GDB)です。
サーキット走行で、ちょっとツッコミ過ぎた場合。
インプレッサSTIは、必ずフロントから滑ってアンダーになります。
あれだけのパフォーマンスをノーマルでも示す素晴らしい車が、なんと安全なことでしょうか!
これはネガティブにもとれますが、非常に高度な速度域での話です。
それも、GDBの頃は横滑り防止制御なんて積んでない時代です。
ノーマルでも四輪ドリフトしようと思えばできるような自由度を持っており、しかしそうやってコーナーで見誤ってツッコミ過ぎた場合は安全にアンダーを示して姿勢も速度もたてなおす余地がある動きをするんですよ。
サスペンションのみならず、車全体の設計の妙だと思います。
今もGDBの人気があるのがわかります(贔屓目はあるかと思いますがw)
同じように、メガーヌ3RSも感心しました。
メガーヌ3RSは、ダブルアクシスストラットという機構を用いたマクファーソンストラットでして、車軸で理想的じゃなくなるキングピン角度を理想値に近づけるようにナックル形状を工夫されたサスペンションです。
これにより、まるでFFじゃないようなハンドリング。
突き詰めていくとFFらしい動きになるとは言え、それの限界が高い。
横滑り防止制御はその時代らしく搭載されていますが、コーナリング姿勢の自由度が高いそのセッティングには舌を巻きます。
そして、リアのトーションビーム。
トーションビームだよな?と慣れない時はそう思っちゃうほど良く出来たリアサス。
400万近い価格の車なのに、リアサスはトーションビームかよw
と思うかもですが、良く出来た車の場合はそればかりではない。
というのを地で行くクルマでした。
突き詰めていくと、トーションビームらしい動きは出るんですけど
それが非常に好ましい動きとして出てくるので、踏んでいける車でした。
そして、981ボクスター。
これのフロントサスペンションは911譲りです。
911にはAWDモデルもあるせいか、AWDモデルに備えてドライブシャフトをかわすような形状をしていたと記憶しています。
それをポルシェは謳ってませんが、素人ながらに思うのはダブルアクシスストラット程ではないにしても、それに近しい考え方でドライブシャフトをかわす設計を取り込む際に、キングピン角度とかが最適化されているのではないだろうか?
なんて思うを馳せるほど、自然なハンドリングでした。
さらにサーキットで素人ながらに突き詰めていくと、本当にこれストラットか?
と思っちゃうほど、限界に近い(素人なので、あくまで素人なりに。という意味ですw)時に、ストラットらしいアンダーな動きになりにくい。
後ろが重いミッドシップ、さらにリアサスもマクファーソンストラットという事もあって、車全体で向きを変えようとするような動きになっていきます。
その先は、FR車やFF車やフロントエンジンのAWDで慣れている身としては
( ゚д゚)ハッ!
とする速さでお尻は流れますが、それも世間一般的に想像するミッドシップのケツの流れ方のシビアさ…ほどではなかったのが凄いです。
あくまで素人のあれでしかないですけれどw
なんか、X(Twitter)のポストを見ていて、こういう事を思い出して書きたくなりましたw
Posted at 2025/07/17 08:36:23 | |
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