13年前に見た光景、コアサポートの真ん中、フッドキャッチ付近にチラリと見える金具はエアバッグの作動スイッチ、クルーズコントロールのダイヤフラム、フィルターリロケート、その他見た事ないパーツがアレコレ確認できますね.当時既に年配だったこのオーナー、今でも元気で乗っているでしょうか?
いつも思う事ですが、未だにユーノス・ロードスターのパーツを供給し続けるマツダは素晴らしいです.現在では端末を使って簡単に全国のパーツ在庫が確認出来ますが、やはり徐々に欠品となる物、再生産の予定なしとされる物がでてきました.
今のうちにパーツを確保しておこうと言うのももっともですし、いつまでも自分の所有するユーノスロードスターを美しく健康に保ちたいと言うのは当然の想いです.
しかし、どうしても手に入らぬパーツは今後増えてくるでしょう.レストアとまで行かなくても、汚れて古くなったパーツ、寿命が尽きて動かなくなったパーツ、破損して壊れてしまったパーツを新品で入手しようとしても、手に入らない事もあるかも知れません.
英国の古いスポーツカーは未だに新品でパーツが入手出来るものが少なくありません.素晴らしい事であり、羨ましいですね.そういうところがクルマ文化の深みの違いです.
普通の乗用車であれば、耐用年数を超えてしまえば修理するより買い替えた方が良いのです.それが正しい事です.しかしユーノス・ロードスターは実用にも使えるけれどスポーツカーとして設計されており、趣味的要素がとても大きいクルマです.さらに買い替えるとしても、もう新しい「ユーノス・ロードスター」は手に入りません.
平井主査は「これほど長く乗られるとは思わなかった」と仰います.私もこれほど長く乗るとは思っていませんでした.マツダの想定をはるかに超えて長く乗り続けられる事になったユーノス・ロードスターは、もう歴史的名車と呼んでよいと思います.
ロータスやMGはとても素晴らしいLWSですが、ユーノス・ロードスターの魅力がそれに劣る事はありません.さらに自動車の構造に詳しくなくても、スポーツドライビングの嗜み(たしなみ)がないとしてもユーノス・ロードスターは安心して自動車を操縦する楽しみを満喫できます.二人分の十分な荷物を積んで旅行に出かける事も出来るし、雨漏りもせずエアコンも備えています.実用にも使えるスポーツカー、それが庶民にも買える現実的な価格で実現したのですから、全世界で絶賛されて当然です.
誤解を恐れず言います、ユーノス・ロードスターは世界で最高のスポーツカーです.それは多くの人が憧れだったスポーツカーを手に入れられたと言う点で.そう言う意味でも、世界で最高のスポーツカーです.
ミニやビートルやチンクも確かに人々に愛されたクルマですが、それらはスポーツカーとして生まれてはいませんし、走る楽しみを最優先させてはいません.
911やジネッタ、ロータスなどは文句のない純潔なスポーツカーですが、ある程度のテクニックと知識を兼ね備えない人が乗るべきクルマではなく、誰もが手に入れて乗る事ができるとはいえません、その事に意味があるクルマですから.
さらに上級のスポーツカー(イタリアン・エキゾチックスを含む)はそれを維持する経済的ゆとりとスポーツドライビングの素養と、そしてクルマに負けない個性を持った人が乗らないと、ただ恥ずかしいだけです.これが許されるのは、ごく限られた一部の人々です.
ぼくが尊敬している、そしてミアータの世界の扉を開けるきっかけになったある方のミアータのプレートです.
前にも紹介した事がありますが、今日ヒントを明かします.
彼はぼくの目を見て、ゆっくり発音してくれました.
ぼくが大きく納得すると、自慢気に、ニヤリと笑みを浮かべて見せました.
R-4RE = Our Ferrari
幾人もの友達にとって、ミアータ・MX-5が人生で最後のクルマでした.
平易ではない人生を送り、晩年についに手に入れた青春の憧れ、スポーツカー.
それこそ世界的名車、ユーノス・ロードスターだったのです.
ですから、海外でのミアータ・MX-5は日本国内とは全く様子が違います.
根本的に全く違う世界があります、晩年についに叶った夢として、ついにスポーツカーのある青春を謳歌するためにミアータに乗るのです.
だからぼくは日本にある奇麗なNAは全部海外に出して保護した方がよいと思います.
もう中古車業者がせっせとバラしてオクでサバくのを見たくありません.
金のためとはいえ、実に不快です.
世界中の人々にHappyをもたらしたと言う点で、
ユーノス・ロードスターは、絶対に、世界最高の「幸福的名車」なのです.
今やユーノス・ロードスターは20年以上の時を経て、もはやクラシックとなりつつあります.
現存しているNAの為に何年経ってもパーツを供給し続けてくれるマツダ、この会社は日本で唯一、スポーツカー文化を理解している企業だと断言します.何をも恐れず、ぼくはそう断言できます.
このユーノス・ロードスターは、もう入手できない部品もあるかも知れないけど、お掃除をして、一つ一つのパーツを磨いて、長く乗りたいと思います.人生最後の時までなのかなぁ.そうだとしたら、それは素晴らしいではないですか.
そしてぼくも、自慢気にニヤリと笑ってみせたいです.
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ロードスター世界 | 日記
Posted at
2013/07/09 02:13:28