2月4日から5日の1泊2日で、広島市安佐北区にある広島市総合防災センターへ行き、「防災宿泊研修」に参加してきました。
防災全般、消防設備に関する座学だけでなく、専用器具を使った避難訓練、消火訓練(消化器及び屋内消火栓等)、煙の中視界ゼロの中を歩いて建物から脱出する訓練、心肺蘇生法やAED等の実技体験をみっちり体験してきました。
初期消火、避難誘導、通報といった自衛消防訓練の総合訓練にあたる実習を受けた後、実際に深夜に火災報知機が作動して訓練するというものも今朝、行ってきました。
夜中の何時に火災報知機が作動するか、事前に教えてもらえないため、午後10時の消灯の後、眠れない夜を過ごし、布団の中でモゾモゾしていて、うつらうつらし始めた午前4時20分、「訓練放送~!」の放送がかかった後、「ジリジリジリ~♪」と大きな音で報知機が作動。
寝ぼけたところで、参加者全員が起き、訓練開始。
正直、私は一睡もしていないに等しい状況だったので、結構、辛かったです。
今回は職場の出張研修として参加しましたが、個人的に受講できたことは今後の防災の意識向上のためにも良かったです。
AEDや消火訓練等はこれまで体験したことはありましたが、煙によって視界がゼロの中を歩く訓練は貴重な体験になりました。
火災となったとき、焼死するパターンは、煙を吸って一酸化炭素中毒となって意識を失い、焼死するパターンが非常に多いです。
講義の中でも、京都アニメーション放火殺人事件が取り上げられ、火災が発生した際、下階から迫ってくる煙と炎によってパニックになり、上階へ避難したことで、逃げ場を失った人たちが命を落とされたというハナシがありました。
煙は上に上がっていくため、上階で逃げ場を失うと、どうすることもできません。
いかに建物の外へ逃げるルートを確保するかが重要なのですが、頭でわかっていても、火災が発生し、目の前に炎と煙が迫ってくる中だと、冷静な判断で行動することは難しくなります。
それを踏まえると、煙の中で視界を奪われると、これほど全く前後左右がわからなくなるのか、という恐ろしさを体験しました。
熱によって扉が変形して逃げられない場合や、非常口の扉付近に何か荷物を置いていたために、扉が開かず逃げられないといったことなどを考えると、通路に荷物を置いてはいけない、扉付近に荷物を置いてはいけないということがよくわかりました。
火災に遭うということがないことが理想ですが、もしも、そういう場面に遭遇したとき、一瞬の判断で命が助かるかそうでないかということは大きな分かれ道となります。
火災が発生し、その中を仮に逃げるためにやるべきこととして、今回の防災宿泊研修で学んだことの一部を紹介したいと思います。
■ハンカチやタオル、衣類等で口を抑え、できる限り煙を吸わない。
(煙は有毒ガスです)
■煙は上に向かっていく特性があるため、前傾姿勢になるなど姿勢を低くして歩く。
■視界があるときは、早く避難口や出口といった避難経路を発見し、火災現場から一刻も早く離れ、建物外に出る。
■煙によって視界ゼロの状況の中、廊下等を歩くときは、不用意に手探りで歩くのではなく、壁を伝いながら歩き、自分の位置を確認しながら出口を探す。
他にも階段の段差でのわずかな空気の層のハナシなど「いざというとき」の講義や実習もありましたが、上記4点だけでも覚えておくと、生死を分けるときの判断材料として、身を助けることにつながると思います。
今回の研修では話題になりませんでしたが、建物に入ったときの「癖」として、建物の非常口や経路を確認しておくことも大事かなと思います。
余談ですが、スプレー缶類も火災の原因となります。
たとえば、身近な制汗剤や消臭剤にも事故の事例があります。
夏にひんやりするスプレーをシューっと車内で吹いたのち、後からそのクルマに乗ってきた知人がタバコを吸おうとしてライターに火をつけた瞬間、車内で爆発。
札幌市では、消臭剤のスプレー缶100本以上のガス抜き作業後を室内で行った後、湯沸かし器をつけた際、爆発。
考えてもみればわかるようなものですが、スプレー缶を使っているときは、缶にガスが入っていることは知っていても、それが可燃性のガスであるという認識がなかったからこうした事故が起きたのだと思います。
今回の研修を受け、myガレージの中で火災の原因となりうるのはガソリンだけでなく、スプレー缶類も十分、危険なモノであると学習できたので、私もガレージで作業や整備をするときは、十分気を付けようとあらためて思いました。
Posted at 2020/02/05 20:17:28 | |
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