2023年09月01日
ネットで注文すれば、早ければ明日にも荷物が届くという便利な時代。
注文すれば翌日には荷物が届くということに「変に慣れて」しまい、荷物の到着が数日間かかると、遅いと感じる人も多いと思います。
でも、コレって、よ~く考えれば、異常とも言える早さだと思いませんか。
その物流を支えているのがトラックドライバー。
昼夜関係なくローテーションで働いているトラックドライバーの存在があって、その物流が成立していることを決して忘れてはいけません。
現在、トラックドライバーは85万人いると言われていますが、早すぎる物流と人員不足の影響を受け、「過労」という陰もあります。
それを防ぐために新たな規制が設けられるのが2024年4月から。
トラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制と改正改善基準公告が適用され、労働時間が短縮されることで、輸送量が減り、結果、物流に影響が出るといわれているのが「物流2024年問題」です。
働き方改革の一環によるものですが、ドライバー目線でいえば、過労が改善されて喜ぶ人もいれば、現在の時間外労働の上限がない状況から上限が設けられることによる給料のダウンにつながることを嫌う人もいると思います。
当然、輸送費も上がるでしょうから、送料に転嫁されるのは言うまでもないですね。
トラックドライバーの負担軽減を時間外労働の削減ということに結論づけると、見えていない部分が埋没すると思います。
「時間」がとても重要なので、ドライバーの仕事が運送に特化されれば良いのでしょうが、実態は、倉庫からの入荷や出荷作業をドライバーがやっていることが多いと思います。
それは運送について関連する業務かもしれませんが、この作業が軽減されたり、機械化されることで時間短縮されたりすることの方がドライバーにとって負担軽減になるのではないかと思います。
先進的な企業であれば、倉庫からの作業の自動化でドライバーの待機時間を減らしているところもあるでしょうが、まだまだこれからというところの方が多いと思います。
そして、そもそもの問題であるドライバー不足。
今や免許取得者の多くがオートマ限定。
トラック車両もマニュアル車ではなく、オートマ車が増えてきたとはいえ、免許取得までのハードルがあります。
現行の免許制度においては、普通免許で運転できる車両総重量は3.5tまでの車両。
最大積載量2t以上のトラックを運転しようと思うと、準中型免許の取得が別途必要になります。
2007年6月1日までに普通免許を取得した人は、車両総重量8tまでの車両を運転できますが、2007年6月2日以降に普通免許を取得した人は、車両総重量5t未満となりました。
2017年3月12日以降は、更に車両総重量が3.5tまでとなりました。
普通と中型の間の車両総重量3.5t~7.5t未満の「準中型免許」というものが新設され、当然、大きなトラックは運転できないので、別途、免許が必要になります。
しかも中型免許取得のためには、「20歳以上かつ、2年以上の普通自動車免許保有経験が必要」となっています。
普通自動車免許を取得後、中型免許の取得・・・そのハードルには当然、お金がかかります。
そもそも若者のクルマ離れがある中、初期投資が必要な仕事だと、やっぱり、ドライバーのなり手不足は避けられないでしょう。
免許取得にかかるコスト増、クルマの新車価格も上がり、若年層だと保険代も高い。
だけど、給料はなかなか上がらない。
こんな状況だと、トラックドライバーがこれから増えるという未来を想像する方が厳しいと思います。
そうなると、今いるトラックドライバーが基本的には多くを支えるしかありませんが、2024年4月からは実働時間は減るという現実。
「物流2024年問題」は、想像以上に深刻な問題だと思います。
Posted at 2023/09/01 22:48:13 | |
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