
クルマ・ジャケコーナー第133回は、Ry Cooderの「Into The Purple Valley」(1972)です。
Ry Cooder(ライ・クーダー 1947 - )、ご存知でしょうか?
「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」で8位
(2011年版では第31位)にランクイン。
ローリング・ストーンズの「LET IT BLEED」(1969)にゲスト参加し、「このギターは一体誰だ ?!」 と騒がれ・・・
「LET IT BLEED」/The Rolling Stones(1969)
その直後にリリースされたデビューアルバム「Ry Cooder(ライ・クーダー・ファースト)」(1970)
ジャケのクルマは1937年製のAirstream(エアストリーム)のキャンピングトレーラーとのこと。
“得意のフィンガーピッキングが冴えわたる名盤”なんだそうですが未聴です。
「LET IT BLEED」レコーディング時、キース・リチャードがライ・クーダーと対立し帰ってしまい、残ったBill Wyman、Charlie Watts、Mick Jagger、Nicky Hopkins、Ry Cooderでジャム・セッションが録音され、後にリリースされたアルバムが・・・
「Jamming With Edward(ジャミング・ウィズ・エドワード)」(1972)
なんでも、キースにリフを盗まれたと文句を言ったライ・クーダーへの埋め合わせとして発表されたという話も・・・。 コチラも未聴です。
未聴ばかりもなんなので、図書館に行くと・・
Zeppelinは1枚しかないのに、ライ・クーダーは5枚もありました~ (゚Д゚;)
それらを聴きながらライナーノーツを読むと・・・
「Chávez Ravine(チャヴェス・ラヴィーン)」(2005)
ジャケは2種類あるんでしょうか?
1950年代初頭に地域開発のために町を追われ、ドジャースタジアムに姿を変えたメキシコ系アメリカ人のコミュニティ、チャベス渓谷の物語のアルバム。
「My Name Is Buddy」(2007)
“バディという赤い猫の放浪”という寓話を通して、大恐慌期の移動労働者と組合運動を描いたアルバム。
「I, Flathead」(2008)
タイトルはフォード・フラットヘッドのエンジンのこと。1950年代を舞台とした人々の生活を歌ったアルバム。
♪『Ridin' With the Blues』のイントロは排気の爆音。
『とにかく車に飛び乗り、この、しようもない作品を大音量でかけて運転してくれ。行き先はどこだっていい。トローナに行こうなんて思ってるなら、Uターンして引き返せ。それともテンプル・シティで昼飯でも…それはお好きなように。そうすればいいさ。あんたの金なんだから。』
トローナはカリフォルニア州、デスヴァレーの南西にあるほとんど雨は降らない町で、『猿の惑星』など多くのハリウッド映画がここで撮影されたそうです。
テンプル・シティはロサンゼルス近郊の町。
ライ、相当なクルマ好きですね!
ライは子供の頃、サンタモニカに住んでおり、「Chávez Ravine」、「My Name Is Buddy」、「I, Flathead」がカリフォルニア3部作と呼ばれるようです。
登場した地名を探すと・・・ 確かにカリフォルニア3部作。
「Pull Up Some Dust and Sit Down」(2011)
イラク戦争、人種差別などなどの現代のアメリカ社会に対する怒りを歌ったアルバム。
「Election Special」(2012)
タイトルは「選挙特番」の意。
1曲目『Mutt Romney Blues』は、オバマに対する共和党ロムニー候補が愛犬を車の屋根のケージに入れ12時間も走ったことを題材にした歌。
う~ん、歌詞の意味(その裏の意味も)が判らないと、ライ・クーダーは理解できないのかな・・・
「ライ・クーダー アルバム・ガイド&アーカイヴス」(著者:五十嵐正 ¥ 2,530)なんて本を読むといいのかも・・・
さて、本日ご紹介のクルマ・ジャケ・レコは、
「Into The Purple Valley(紫の峡谷)」/Ry Cooder(1972 2nd)
アメリカの古いフォーク、ブルースなどをアレンジした2ndアルバム。
「Blues、Country Blues、Texas Blues」と紹介してるサイトもありました。
A1『How Can You Keep On Moving』は1930年代、ダストボウル(大砂塵)により中西部からカリフォルニアに逃れてきた貧しい農民たちを歌った歌。
『Taxes on the Farmer Feeds Us All 』は冷血な銀行家と農民を歌い、Woody Guthrie(ウディ・ガスリー 1912 - 1967)の『Vigilante Man(自警団員)』は組合をつぶそうとする歌。
貧富の差は現代の方が大きくなっているのでしょうか・・・?
ジャケは、
ローリング・ストーン誌の「100 Greatest Album Covers」の12位とのことで見てみると・・・
他にクルマ・ジャケでランクインしてるのは・・・(見落としあるかも)
14位「Candy-O」/The Cars
78位「Sign O' the Times」/Prince
89位「Fresh Fruit For Rotting Vegetables」/Dead Kennedys
92位「Eat A Peach」/The Allman Brothers Band
2枚は過去にご紹介してます。
クルマ・ジャケ「CANDY-O(キャンディ・オーに捧ぐ)」/The Cars
↑ 記念すべき第1回クルマ・ジャケ!
クルマ・ジャケ「Eat a Peach」/The Allman Brothers Band
「Candy-O」はもちろん、今回のも最高ランクのクルマ・ジャケ!
ジャケ表が“暗雲垂れ込め、急な雨”
ジャケ内は“やっと着いた~” ん? リアタイヤがパンクしてます?
ジャケ裏は“映画、面白かったね~”
ポイント稼げた~って感じでしょうか(^-^;)
いやあ、二人の表情もいいですね~
さてさて、ジャケのクルマは・・・Wikipediaに答えが書いてありました。
『クーダーと当時の妻スーザン・タイテルマンが、カリフォルニア州バーバンクのワーナー・ブラザースの映画売り場でビュイックのコンバーチブルに乗っている様子が描かれている。』
ということで、ビュイックのコンバーチブル。
【登場車両】
Buick Roadmaster convertible 1940 ?
【自己採点】
クルマ度 8点(ライ・クーダーは富豪側!?)
魅惑度 10点(ジャケ表、中、裏、と2人の表情もいいですね!)
音楽度 6点(味わい深いけど、歌詞がわかればもっと・・・)