
クルマ・ジャケコーナー第182回は、黛ジュンの「恋する女」(1969)です。
黛ジュン(まゆずみじゅん 1948 - )、ご存知でしょうか?
8歳から歌手活動を始め、中卒後には米軍キャンプでジャズを歌ってたそうです。
1964年に本名「渡辺順子」の名でデビューするもヒットせず、1967年に石原プロモーションへ移籍。
「黛ジュン」と改名し、東芝から「恋のハレルヤ」で再デビュー。
『恋のハレルヤ』/黛ジュン(1967 作詞:なかにし礼、作編曲:鈴木邦彦)
ミニスカとパンチの効いた歌声で注目を集め、「一人GS」とも呼ばれました。
2ndシングル『霧のかなたに』(1967)
作詞:なかにし礼、作編曲:中島安敏
3rdシングル『乙女の祈り』(1968)
“待望!黛・ジュンの第3弾!!”
作詞:なかにし礼、作編曲:鈴木邦彦
橋幸夫と共演したハワイ100年祭記念映画「夜明けの二人」(1968)の挿入歌。
公称売上125万枚 ?!
4thシングル『天使の誘惑』(1968)
“ジュンの第4弾!!ハワイアン・ロック”
作詞:なかにし礼、作編曲:鈴木邦彦
大ヒットとなり、その年のレコード大賞に!
クルマ・ジャケなんですが・・・
1960 Ford Falcon Sedan ?
Bピラーやボディサイドのプレスラインが違います・・
どなたかお判りになったらお教えください~m(__)m
5thシングル『夕月』(1968)
“ヒット!HIT!ヒット!HIT!ジュンの第5弾!!”
作詞:なかにし礼、作曲は実兄・三木たかし。売上66万枚。オリコン2位のヒット!
そうなんです。お兄さん(実兄)が作曲家の三木たかし(1945- 2009)。
森山良子の『禁じられた恋』(1969 8週連続1位)、石川さゆりの『津軽海峡・冬景色』(1977 日本レコード大賞・中山晋平賞(後の作曲賞))、テレサ・テンの『時の流れに身をまかせ』(1986 日本有線大賞、全日本有線放送大賞)などなどを作曲。「それいけ!アンパンマン」のオープニングテーマ曲『アンパンマンのマーチ』なども手がけてます。
妹の作品では『夕月』のほか、シングルA面の10曲以上を作曲してます。
1967、68年の2年間のレコード売上がなんと500万枚 !?
6thシングル『不思議な太陽』(1969)
“ジャンプ'69 ビート・パンチ・ジュン!!”
作詞:なかにし礼、作編曲:三木たかし
『天使の誘惑』、『夕月』を主題歌としたそれぞれの映画では主演を務め、売れっ子女優にもなります。
映画『天使の誘惑』(1968)の共演者は、石坂浩二、石立鉄男、田中邦衛ら。
映画『夕月』(1969)で相手役となったのは一般公募で選ばれた新人。
この映画での役名をそのまま芸名とした森田健作です。この後、TVドラマ「おれは男だ!」(1971)で大ブレイク。
7thシングル『雲にのりたい』(1969)
“夏を呼ぶジュン!!”
作詞:大石良蔵(補作詞:なかにし礼)、作編曲:鈴木邦彦
8thシングル『涙でいいの』(1969)
“秋風に歌う…ジュンのヒューマン・ポップス”
作詞:なかにし礼、作編曲:鈴木邦彦
9thシングル『土曜の夜何かが起きる』(1969)
“70年代に歌うジュンの新曲!!”
作詞:なかにし礼、作編曲:鈴木邦彦
本日ご紹介のレコはこのB面です。
10thシングル『自由の女神』(1970)
↑ 特殊形状インナー!(2枚糊付けされてるだけ)
作詞:なかにし礼、作曲:三木たかし、編曲:高見弘
11thシングル『時は流れる』(1970)
作詞:なかにし礼、作編曲:川口真
NHK紅白歌合戦には4年連続出場(1967 - 70)。
しかしその後、キャピトルからフィリップスへレコード会社移籍…結婚…離婚…芸能界復帰… 人気は戻らず低迷、レコード会社移籍・・・
12thシングル『憂愁』(1971)
作詞:阿久悠、作編曲:三木たかし
23thシングル『風の大地の子守り唄』(1980)
作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、編曲:船山基紀
映画『象物語』主題歌ですが、映画劇中とサントラでは“ちあきなおみの歌唱”を使用しているようです。
24thシングル『男はみんな華になれ』(1980)
作詞:なかにし礼、作曲:網倉一也、編曲:船山基紀
日活ロマンポルノ「女帝」(1983)にも出演。
1993年には久々の新曲『すべてがさよならになる』(作詞:秋元康、作曲:三木たかし、編曲:若草恵)をリリース。
そして、2度目の結婚…離婚…婚約発表…婚約破棄… そして兄の死去(2009)・・・
その後は、2011年まで舞台やディナーショーを中心に活動するとともに作曲家活動も行い、2016年までに43作のシングルをリリースしているようです。
LPはこんなのを1枚だけ持ってました。
「ジュン・知子・チヨ・さおり」(1970 ?)
小川知子、奥村チヨ、由紀さおりとのコンピレーション盤。
黛ジュンは『天使の誘惑』『土曜の夜何かが起きる』『夕月』の3曲。
“東芝レコード10周年記念謝恩レコード〈限定版〉”で、1970年リリースと思われます。\1,000 !
さて、本日ご紹介のクルマ・ジャケ・レコは、
「恋する女」/黛ジュン(1969)
作詞:なかにし礼、作編曲:鈴木邦彦。
9thシングル『土曜の夜何かが起きる』(1969)のB面です。
『土曜の夜・・』は「一人GS」の代表曲ともされており、やはりA面の方がいいですね。(;^_^A)
さてさて、ジャケのクルマは・・・
日産・グロリアですね!
“1965年から乗用車の輸入自由化”で、国内業界3位のプリンスは海外メーカーに対抗するため、2位の日産との合併を決断。
旧プリンスの高級セダン「グロリア」は3代目へフルモデルチェンジし「日産グロリア」として世に出ました。
御料車のイメージを持ちロイヤルルック。縦目4灯ヘッドライトと直線基調のボディで高級・重厚感を演出。
「縦目グロリア」「タテグロ」、「ハチマキグロリア」などの愛称もあったようです。
この後、4代目は基本メカニズムをセドリックと共用。セドリックの姉妹車としてラインアップされるようになります。
【登場車両】
3代目 日産・グロリア (1967 - 71)
【自己採点】
クルマ度 6点(プリンス自動車の遺産。縦目4灯のロイヤルルック)
魅惑度 7点(赤いグロリアと白ブーツのジュンちゃん!)
音楽度 6点(やはりA面の方がイイ?)