
以前本屋で見かけて気になっていたところ、wheelさんがオススメしているので買ってみました。
邦題の「夢のロードバイクが欲しい!」には違和感もありますが、原題は It's all about the bike. であり、中身は英国ジャーナリストが自分の夢の自転車を実現すべく、自転車の歴史研究から現代のビルダーやパーツメーカーの取材などをして書かれた真っ当な自転車本です。出版社が芝居の本でお世話になった白水社というのも、自転車業界を客観視できる意味でよかった気がします。
目次は以下の通り。
プロローグ:小さな女王
第1章:フレーム
第2章:ステアリングシステム
第3章:ドライブトレイン
第4章:ホイール
第5章:サドル
エピローグ:果てしなく遠地は招く
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付録:タイヤ・リム・ギアのサイズ
そして、プロローグの一節に書かれた以下の文章に共感しました。
「わたしが必要とするのは、いくぶんかでもわたしのサイクリング歴を反映し、サイクリングに対するわたしの大志を支えてくれる、そんな不思議な力のあるマシンだ。テクノロジーではなく職人技。人の手で作られた一台。個性のある、けっして流行遅れにならない、自転車の伝統や伝承や美しさに対するわたしの称賛が表れた一台。フランス人は自転車を『le Petite Reine(小さな女王)』」と呼ぶ。そう、わたしはわたしだけの『小さな女王』が欲しいのだ。」
英国「サンデー・タイムズ」のベストセラーとなり、本書をもとにBBCがドキュメンタリー番組「Ride of my life: The story of the bicycle」を制作したと言うのも、この本の著者ロバート・ペン氏の、自転車に対する素直なパッションが共感を呼んだからではないかと思うのです。
世の自転車本の多くはハウツーものだったり購入ガイドのようになったり、あるいは一部のマニアや競技者用だったりする中で、一人の普通のサイクリストの好奇心と自転車への愛情が素直に表現された本という意味で、wheelさんが言うように多くのサイクリストが読んで面白いと思います。
まだ読み始めたばかりですが、最近どんよりとしていた体と頭がシャキッとしてきました。わーい。
Posted at 2012/10/30 16:39:54 | |
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自転車 | 日記