• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2010年08月18日

キリストの墓

キリストの墓 (冒頭の写真は、読者を訪ね歩く連載企画(driver誌07年)の取材で訪れた青森県の新郷村にあるキリストの墓。以下の内容とはほとんど無関係の写真ですが、面白いので少し貼ります)

あなたは、日本をどのくらい走ったことがありますか? 僕は、1都1道2府43県の47広域普通地方公共団体(ふつうには首長のいる地方自治体でしょうか)のすべてを自走で巡っています。各自治体隈なくではありませんが。

残念ながら、プライベートではそう威張れたところまでは行っていません。しかし、意欲だけは昔から持っていたようです。1986年に清水の舞台から飛び下りるつもりでメルセデスベンツ190Eを買った際に、当時輸入総代理店だったYANASEの名物広報マンI室長の厚意を得て、『読者を訪ねる行脚の旅』なる企画を実現させました。

当時執筆していたモーターマガジンの連載は北は龍飛岬から秋田・角館、愛知・名古屋、愛媛・松山、大分・別府などを巡り、5人の読者との交流を深めたと記憶しています。ええ、告知をして読者の投書から選考するという、その後S2000の時(99年)にも復活させたアイデアでした。現有するプリウスでも連載企画として(基本一人旅でしたが)同じようなことをしました。



S2000では、その頃冬季にホンダがよく催していた鷹栖プルービンググランド(PG)での試乗イベントに一人陸路を選び、ジェットとバスでやって来た同業者に奇異の目で見られ、お開きとなった帰り際にバスの車内から注がれる眼差しは何とも言えないものでした。(一度はやってごらん)僕は、バスの中の大半は経験していないことを知っていたので、胸の内でつぶやきました。

たしか鷹栖PGに着いた時は冬の晴天で、周囲は北海道ならではのパウダースノーの白と上空の青い空のそれはたとえ様のない美しい景観。新雪のカントリーロードをフル加速で行くと、後方に雪の白煙が華やかに高々と舞い上がる……生れて初めて経験するパノラマでした。

昨年やむなく手離すことになってしまったあのS2000は、日本のメインランドの全てを10シーズンにわたって踏破した日本でも数少ない1台だと思います。プリウスでも冬の鷹栖PGまで出掛けて行ったり、熊本の試乗会場に乗り着けて広報マンを慌てさせたり。



98年にアルテッツァが発表された際、「190Eに代わる2ℓ級FRセダンが出たら買う」という公約に従って、ほとんど条件反射で購入を決めたのですが、下取り交渉の過程で190Eに5万円の査定が下ったのに怒って読者プレゼントを決断。当時メインで書いていたベストカーの編集長に掛け合って、読者プレゼント企画にするからページを頂戴と言って、ページ×原稿料×日当で下取り価格のウン倍を目論んだ。

「ほとんど反応ないんじゃねぇの」という大方の予想を裏切って、全国から500通の応募があり、一番遠くて取材日当を稼げる北海道・根室のMさんに進呈したのだった。この時は新顔のアルテッツァを伴って行ったので、過去3台の所有車はすべて冬季の北海道を踏破している。おおっ、そうだ。このアルテッツァも鷹栖PGのイベントの足になったのだった。歴代3車の偉業ですな。

真冬の東北高速道は不安になるほど空いている。道中で地元の人に何故か理由を聞いたことがある。「そりゃ、金払って怖い思いすることはないだろ?」国道4号は速くはないけれど、走っていれば目的地に辿り着くからということだった。

たしかに、視界の閉ざされる突然の地吹雪や悪天候時の視界の悪さと、時折ビュンビュン飛ばしてくる大型トラックの脅威を考えるとそうだろう。東北道では冬季の悲惨な事故が後を絶たない。

奥入瀬渓谷


最近では太平洋側から日本海側に抜ける横断道路も増えました。片側1車線の暫定共用が多いことに不満は残るけれど、最初に全国行脚をやった24年前に比べたらそれなりに充実したのは間違いない。過去から現在に至る文脈で費用対効果を言い募る向きには、それで良しということになるのだろう。

しかし道路は紛れもないシステムなんだよね。自動車専用の高速道路ともなれば最低片側2車線、できれば速度差を吸収できる3車線は欲しいところなの。机上で適当な計画を練る霞が関の役人や、何が目的なのか道路に過度な銭勘定の考えを持ち込む副都知事みたいなへんてこりんが、自らステアリングを握って全国を隈なく走っているとは思えない。リアシートにふんぞり返って、ご託を並べるのが精々だろう。

残念ながら、日本の高速道路は(日本の)クルマが持っているモビリティや大都市と地方の格差是正に関するあらゆる可能性を果たせないシステムに留まっている。即刻の無料化と、それを有効にさせる一般道との有機的な接続、さらには未接続となっている区間を早期に竣工させ、使える…ではなくて使いたくなる道路にする必要がある。

いままでの国のあり方、中央集権的な都市のあり方、それにともなう地域性の崩壊と均質化、産業構造や人口動勢、クルマのあり方(技術や使用エネルギー体制)に囚われるのではなく、未来を見据えたビジョンを冷静に判断し、新たな視点に立ち、省エネ・環境保全を念頭に置きながら、すでに定着したIT化を活用した大胆な構造転換へと踏み出す。諦めたり、絶望したりする暇はないはずです。

クルマは、今までのクルマの技術による一点突破でなんとか誤魔化すのではなく、走らせる人と走る道の”性能”との総和で成り立つ車が理想だろう。アウトバーンの速度無制限伝説で20世紀の後半に覇権を握ったドイツの後を追う必要などまったくない。日本の豊かで変化に富んだ自然を背景にした高速道路網を世界最先端のECO技術を総動員して構築し、大都市圏から元々暮らしていたスペースで生きられるインフラとした上で、その道路から魅力的なクルマ作りを創造すればいい。

脱化石燃料化が避けられず、低炭素化社会を模索しなければならないというこれからのクルマは、これまでほどにパワフルであることは難しいし、また誰もが実用として使えるわけではない300㎞/hを目指す必要もない。

僕は経験的に知っています。海に囲まれ、基本的に清流の多い川と枯れることのない湖沼という水辺に恵まれた日本の自然は本当に豊かで、一般に退屈といわれている高速道路も四季折々変化があってなかなか面白い。と、同時に、道路の規格や整備に一貫性がなく、現場を知る地元の人以外には排他的と映ることが多い。

ウミネコで知られる蕪島神社・八戸


運転免許があればレンタカーを借りてあまりストレスなく旅ができる英独米の道路事情を経験的に知っていると、その真逆ともいえる日本の道路は同じような感覚で外国人が旅できるようには出来ていないことが分かります。観光立国というと、団体旅行好きで、それが旅行だと多くの人々が思っている日本ではイメージ及ばないかもしれませんが、個人旅行のほうがずっとアクセスしやすい。

日本が世界に冠たる自動車(生産)大国であることは紛れもないことですが、ただクルマを輸出したり現地生産したりするだけではなく、モビリティそのものを提案するチャンスがそこにはあります。ドイツのアウトバーン型でも、アメリカのフリーウェイ型でもイギリスのモーターウェイ型でもない、日本の高速道路から、新しいモビリティの提案をしてやろうじゃないか。そういう気構えが今問われているような気がするのです。

まだ話の入口の段階で随分また書き連ねてしまいました。「あんなに長いの読まないからね!!」いつも喰らう姉のキツイ一言は必定でしょう。でもね、今我々は本当に時代の大きな転換点に生きている。内輪の論理でワーワー言っている間に、外からボコボコにされる瞬間が迫ってきている。既得権に囚われた人々はなんとか逃げきれると思っているようですが、棺桶に入れて持って行ける物は限られている。多少は世のため人のためを考えてもいいのでは?



前回のブログで勢い込んだのですが、いろいろ調べてみると己の無知さ加減にげんなりすることしきりでした。道路特定財源の法的根拠となっていた道路整備特別会計法は07年3月31日に廃止となり、08年5月に道路特定財源制度も廃止、翌09年4月から全額一般財源化の閣議決定が成されている。この辺の経緯はまさに政治のドロドロそのもののようですが、我ながら不明を少し恥じました。

ただ、クルマ関連で納められている税金そのものはまったく従来どおりなので(ガソリン税他の暫定税率を含め)、本来的な目的税的な財源は間違いなく存在します。一般会計と特別会計という税の仕組みにもちゃんと精通していないと駄目ですね。

何よりも、廃止となった道路整備特別会計法の条文を読んだのですが、これは日本語なのかと疑いたくなりました。独特の標記表現で、記憶力が圧倒的でないと理解できない内容になっている。なるほど国家公務員上級試験のピンで入った役人のワザを感じる仕上がりに顎が上がりました。分かりやすい条文にしてしまうと、彼らの大半は用なしになるんじゃないでしょうか。法律は皆一緒?

ブログ一覧 | 日記
Posted at 2010/08/18 02:34:28

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

破損状況確認2 @スーパーセブン
sshhiirrooさん

美味しい頂き物🌽
剣 舞さん

昨日は土曜日(実在の人物😲)
u-pomさん

デリカ弄りとラーメンランチ🍜 太 ...
hajimetenootsukaiさん

中干し 草刈り
urutora368さん

ヤリイカ好釣!
katsu52さん

この記事へのコメント

2010年8月18日 3:29
初めてコメントさせて頂きます。青森県は僕の地元。特に八戸は!小さい頃から遊んでいた蕪島ですから。十和田湖も良く行きました。特に冬!冬山は車の練習にはもってこいでした。事故もしましたが……良い思い出です。長々と書きましたがお仕事頑張って下さい。これからもブログ楽しみにしてます。体にはくれぐれも御自愛下さい。それでは失礼致します。

スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「撤収!! http://cvw.jp/b/286692/42651196/
何シテル?   03/24 18:25
運転免許取得は1970年4月。レースデビューは1975年10月富士スピードウェイ。ジャーナリスト(フリーライター)専業は1978年9月から。クルマ歴は45年目、...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/6 >>

      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      

ブログカテゴリー

リンク・クリップ

64回目の終戦記念日 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2016/08/15 15:36:17
水素でいいと思う 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/02/16 08:18:46
変わるかな。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2013/01/01 22:53:46

愛車一覧

トヨタ プリウス トヨタ プリウス
しばらく耐える秋なのだ。
その他 その他 その他 その他
2009年3月3、4日に行われた第79回ジュネーブショーの画像です。

過去のブログ

ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation