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伏木悦郎のブログ一覧

2009年01月16日 イイね!

Z-ness

Z-nessフェアレディZに対する期待は大きい。

69年初代S30のデビューの翌年に免許を取得し、ほぼリアルタイムでその成長と共に生きてきた。

当初から永遠に近い高嶺の花で、今に至るまで一度も所有するにいたっていない。もともとアメリカのマーケットを当てにした企画であり、大多数の日本人にはなかなか余裕を持って接することができなかったジャンルだが、歴代の中でも初代は強い郷愁とともに憧れを抱かせる。

あの贅肉をそぎ落としたスリークなロングノーズ/ショートデッキのファストバックスタイルは、現代の価値判断に照らせば十分ライトウェイトスポーツの範疇に入る。

音楽や映画などの芸術面でも、1970年頃がもっとも充実していたという意見がある。人とモノやコトとの距離感が適切で、物質面と精神面の豊かさのバランスが取れていたからだという説明は、当時を生きた者なら実感として納得できる。

モノや情報は今のように溢れかえってはいなかったけれど、それで不満だったという記憶がない。身体がちょうど対応出来る適量だったからだろうか。

S130、Z32、Z32とオリジナルを受け継いだZは、とびきり豊かな米国社会に適合する過程で、何か違和感を覚える存在へと進化して行った。Z33の軌道修正はリセットという意味で有効だったと思う。

Z33を受けてのZ34は、使えるリソースを精一杯磨き込んで理想に迫ろうとしているが、ベンチマークとしての仮想敵の設定なしに自らの存在を表明する術を持ち得ないない。

パワフルで、素晴らしく速い史上最強/最速のZであることは間違いないが、すっと乗って魂が揺さぶられるようなオリジナルの格好良さを問いつめる自分自身が希薄だ。アイドリングでクラッチを繋いでゆるゆると動かす。いつものルーティーンに従って走らせてまず感じたのが『薄い』という感覚だ。

スロットルを大きく開け、旋回Gを高めに発生させるような局面では「なるほど……」走り込みを実感させるレベルに到達しているが、その領域は合法ゾーンの遥か彼方にある。19インチタイヤを履きこなせていない軽さと粗さは、今後の課題だろう。

結果として18インチタイヤと7速ATに見られる走りのまとまりの良さが、Z34が置かれている現実の難しさを物語っているということになると思うが、スピードに依存した幻想的な高性能に囚われる行き方から早く脱却しないと、次が見えてこない。ポルシェがいないと自らの存在感を語れないなんて、悔しいではないか。

スポーツカーこそ、足元を見つめて、本質をきちっと語る必要があると思う。

非難ではなくて、批評の精神に基づく意見です。
Posted at 2009/01/17 04:09:15 | コメント(9) | トラックバック(0) | 日記
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