
写真は、ポルシェ・パナメーラよりこっちかな……と、ちょいとのめり込んでいるアストンマーティン・ラピッド。フェラーリ・458イタリア、ランボルギーニ・レヴェントンロードスター、アウディ・R8ロードスター、ポルシェ911GT3RS、MINIクーペ/ロードスター……ECOだけじゃない明るい能天気さ加減に、ヨーロッパのもうひとつの側面が感じられて、なんかいいなぁ…と思った。
2009IAA フランクフルトショーは、なぁ~んとなく日米欧亜それぞれでブロック化する印象を深めている自動車のグローバルな現状を浮き彫りにしてはいましたが、ドイツ民族系各社のはったりというか、やっぱりオイラが一番という自尊心を感じさせる立ち居振る舞いには感心させられた。
前回は、降って湧いたようなCO2削減案(欧州委員会=欧州連合EUの政策執行機関=が、自動車メーカー各社に対し、12年までに新車のCO2平均排出量を130g/㎞に抑える。さらに自動車本体以外の業界にタイヤの改善、バイオ燃料促進、エアコンの効率改善などで10gの削減を行い、トータル120g/㎞を達成する)に、パニックを起こしたように『こりゃもうハイブリッドしかない!』ドイツを中心とする欧州全社は一斉かつ闇雲とも言えるハイブリッドコンセプト乱立状況を生み出した。
ほんの1年前まで『我々にはディーゼルがある』とトヨタ・ホンダが先行するハイブリッドを小馬鹿にしていた各社の掌返しに呆れたのは僕だけではないだろう。、そのドイツ各社の変節をドイツの逆襲と持ち上げたのは誰?皆さんご存じの通りである。
自虐史観や過度の欧米崇拝の立場を採ることで自らのみを優位に置こうとする。相手にとってこんな楽な存在もないと思うが、こういう既得権益に執着しようとする拝金の徒は、政権交代を潮にご退場願うことにしよう。利他的な情報を入れるばかりで、批評の精神に基づいた情報発信を怠る。わが国の外交下手は国益よりも私益を優先する構造的な腐敗が根底にあり、メディアもそのシステムに組み込まれていることでチェック機能を果たしていないことに問題点が求められる、と思う。
今回のIAAは、昨年12月に欧州議会と議長国(08年下半期はフランス)との間で合意された妥協案の影響を色濃く受けたと思われる(詳しくは
こちらを参照してみて下さい) 。
当初案の12年完全適用を大幅な暫定期間を設けながら15年に先送りし、12年以降未達成の場合罰金を課すという内容が、既存の内燃機関の燃費向上をまず優先し、EVを視野に入れつつ、ハイブリッド化にも着手し、その先にあるプラグインハイブリッドに至るというロードマップを描かせた。
メルセデスベンツのビジョンS500プラグインハイブリッド、BMWのビジョン・エフィシェント・ダイナミスク、VWのL1などの量産までには少なくともあと4、5年は掛かりそうなコンセプトを、申し合わせたように出展したのは、そういう背景にもよるのだろう。各社各様の技術展開で個性を主張してきたあたり、かつての人真似を嫌うドイツが戻ってきた感じがして、それはそれでいいなと思ったけれど。
日本代表という立場を背負うことになったトヨタは、フルハイブリッドという言葉遣いでドイツ勢に明確なアドバンテージを持っていることを主張しようとしていたが、その強調しようとした姿勢が逆にドイツ勢が作り上げた雰囲気からは浮いて見える結果を産んでいた。
アピールやメッセージ伝達力に対するケアがまったくなく、欧州市場を視野に入れたトヨタブランドのオーリスハイブリッドとレクサスブランドのLF-Chというインパクトのありそうなコンセプトのワールドプレミアなのに、トヨタ本社からの臨席は内山田竹志副社長のみ。
初代プリウスのチーフエンジニアでもあるので、人選的には間違ってはいないが、ここは新社長の国際デビューの場にして、プレゼンスを明らかにするべきだっただろう。
年初のデトロイトでもそうだったが、7~8割も外国で利益を上げていたという現実を反映しない外交音痴ぶりは、いかがなものか? 現場に足を運んだ身としては本当に切なくも情けなく感じられた。
そんな中で、マツダが今回出展したスーパーライト・バージョンは、今回のトレンドからは外れた感じもするが、軽量化というICE(内燃機関)でもまだまだやるべきことがあるということを言外に語る存在として面白い。詳しくはdriver誌のリポートでよろしく。↓まだ続きがあります。
ちょっと長く引っ張りすぎましたが、ここで表題の件。
IAAフランクフルトショーと同年開催が恒例のTMS東京ショー。今回は、海外勢がロータスとアルピナだけという、完全なる国際とは名ばかりのドメスティックショーになっちゃいました。
そうなったのは、まあ世界的な趨勢ということになるのでしょう。残念なことではありますが、ある意味で記憶に残る歴史的なショーになることは間違いありません。
所属するAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)が、日本自動車工業会に働きかけて
会員有志によるガイドツアーを企画している。皆さんすでにご存じの通りかと思いますが、今日9月30日がその申し込みの締め切りです。
簡単なイベントではないのは明らかなのに、こちら側の緊張感のなさには驚くばかり。参加して下さるお客さんよりも、やりたいと言い出したジャーナリストの都合が先に立つ。無自覚な上から目線は大丈夫? 言い出しっぺが全日参加しないという了見もよく分からんし。やるなら足並み揃えて一丸になってやらなきゃ…と思うのは俺だけかね? 応募状況がまったく分らないのもいかがなものだろう。雑踏のライブ空間で人をアテンドする困難をどれだけ理解しているのかな。これで、やってあげているんだから……的な業界感覚で臨んだらエライこっちゃ。
成り行きで全日全行程スタンバイということになっちゃっておるわけですが、最悪でも僕はずっといるので、都合の良い日があったらぜひ当日当地でお会いしましょう。お役に立てるかどうか分かりませんが、お互いお勉強ということで……。まだ応募期限までには10時間ほどあるので、気合を入れてスケジュールを組んでみて下さい。
Posted at 2009/09/30 13:35:18 | |
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