
もう嫌んなっちゃうほど20世紀的なんだけど、そばに寄って見た時のオーラは何ものにも代えがたいものがある。ランボルギーニ・レヴェントン・ロードスター。最新ジェットファイターにインスパイアされたという冗談のような本気ぶりにはゾクゾクするものを感じた。1億2千万円?全世界で20台ですか。いいですよ、そのくらいの数なら、地球だってなんとか養える。いや、楽勝でしょう。うんと成功したら、俺だって……。そういう存在はあってくれたほうが嬉しいもんね。
この頃めっきり疲れが取れ難くなって、朝起きてもなかなか体が起動状態に入らない。昨夜は何だかんだで21時過ぎの帰宅になっちゃったし。できれば昼前には出発したいかな……思っていたけど、やっと家の扉を開ける気になったのは15時。
洗車して、5日のメディア対抗4耐の敗因となったsoftbankの携帯用イヤホンマイクの交換がてら、ドンキによって今宵の飲み物を調達しつつ、横浜町田ICに乗り込んだのがその40分後。途中駒門PAで富士の湧水を調達してなんて暢気に構えていたら、何やら交通量が普通じゃない。ところどころ数㎞のオーダーで渋滞が発生してて、その先豊田JCT付近では40㎞!!!だという。
折から接近している台風の影響で、由比あたりの海岸沿いを行く辺りでは高波注意の表示が。この辺りも小規模な渋滞。ここを通過する頃にはすでに日が暮れていた。不幸中の幸いは、通過した30分後に高波影響で富士から清水までの区間が通行止めになったとか。いや静岡県内の交通の停滞ぶりはまったく計算外。豊田JCTまでで6時間だもの。まだ全行程の半分も来ていないのに。
侮り難しシルバーウィーク。それにしても、日本のリーディングカンパニーは少し考えた方が良いね。豊田JCT付近は、以前から渋滞の名所だったけれど、伊勢湾岸道路で伊勢自動車道、新名神へと迂回路ができてからはちょっとおかしなことになっている。
長い上り坂区間が速度低下を招き、結果的に後方は完全に止まってしまう典型的な『サグ』であるようだが、これだけクルマの性能が上がってきていながら、肝心のドライバーの”性能”が下がっている。とにかくアクセルを踏まない、踏めない。安全第一も結構だが、渋滞してでも着実に進めればいいという思考停止状態を放置していては、ECOもへったくれもない。
基本は交通集中であることは間違いないが、ここまで深刻な渋滞を生んでいる原因の多くは運転者の未熟と、結果的にそれを放置することになっている技術の進歩であるようだ。クルマの性能が高いゆえに、それに依存しきった運転者のスキルが磨かれていない。
空いていても混んでいても同じようにノンビリ走る???者が後を絶たない。有料利用者であるという点で、妙な平等意識が生れているようで、追い越し車線がビッシリで、走行車線が向こう数百mに渡ってガラガラという状況も一度や二度ではない。
高速無料化に反対する向きは、一度こういう状況を自ら確認した上で、意見を吐くと良い。そもそも料金を徴収するという都合から作られたインターチェンジ(というか料金所)のあり方が道路の機能から考えるとおかしいと見るべきで、一般国道、公道と有機的に結びついた統合システムとしての道路とは何かを考える必要がある。
何度も欧米に出掛けて、それを実感体感しているはずなのに、なぜ日本のその意味での特殊状況を改善しようと考えないのか。週末祝日にしか動けない大半のサラリーマンとは異なる行動形態が可能で、経済的にも余裕があるという既得権益者そのもののセンスで、オピニオンらしきものを撒き散らすことの異様さにそろそろ気づかないと。
道路の状況を変えようとせずに、ハードとしてのクルマばかりを語る。そのことが、また渋滞を生み出しているパラドクスを理解できない者に明るいクルマの未来など描きようもないはずだ。
これまでの行き掛かりを変更不能なものと考え、目先の事象ばかりに目を向けて小手先の解決策でなんとかなると楽観する。駄目だそんなの。いままで通りでは、時代の変化に対応できない。本質を見つめ直して、再構築の覚悟で臨まないと、日本特殊論がまたまた噴出しそうだ。変えない方がおいしい既得権益者は変えたがらないが、そのまま放っておくと必ず事態は悪化する。
EVに懐疑的になるよりも、なぜそれが必要とされるようになったかを考えるべきだ。1990年代初頭のクリントン政権の頃、アル・ゴア副大統領を中心に推進された情報ハイウェイが、現在のインターネット社会へと一気に様変わりさせた。現在のオバマ政権は、その時と同じような発想で化石燃料に過度に依存せず、効率を追求し尽くしたエネルギー・インターネットの構築を急いでいる。
かつてのアメリカンV8に象徴されるアメリカ車らしさに郷愁を覚えるオールド世代は、甘美なノスタルジーへの逆行を夢見るが、あの時代はもう絶対に戻ってこない。何のためにGMとクライスラーを潰したのか。先に進む強い意志の表れとみるのが自然だろう。
直面している気候変動という環境問題の側面と、資源の偏在が根底にあるエネルギー安全保障。この2点において、目下の変化はもたらされている。単純なECOという発想だけで現在の自動車が直面している状況を見るのはナンセンスの極みだろう。裏には当然ビジネスがあり、再び世界の経済をリードしたいと願う大国の意志が隠れている。
来るべきグリーンバブルに対する備えを持たずに、今までどおりで行こうとしたら、またあの忌まわしいバブル崩壊に翻弄され、茫然自失の境地を味わうことになるだろう。アメリカが動き出したら、それよりも速いスピードで時代をリードする立場に躍り出る必要がある。何でもできるけれど、それゆえに何もできない。日本にとっての最悪のシナリオはそういうことだろう。
何のために俺たちは世界に飛び出して、文物を見聞しているのだ。限られた先進国が多いけれど、そこでただクルマだけに乗って、クルマだけを語ろうとするセンスは考えものだ。それでは、その先にある本質を語る立場に永遠に立てないでしょう。知見を広めるには経験得るための時間が要る。
若さの馬鹿さと時として必要だが、狭い了見だけでなんとかなるほど、時代は簡単ではない。分かった上で、敢えてやる。その意味での若さは必要だが、単に若いだけではどうにもならない。そういう面白い時代を俺たちは生きているんだよ。
Posted at 2009/09/30 23:20:18 | |
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