
欲しいクルマがポルシェ911にフェラーリ・カリフォルニアだなんて、ちょっとプロっぽくない。分かっちゃいるけど、ここまで生きて来てしまうと、さすがに物欲にも限りがあることを自覚する。あとはアストンを手にすることが出来れば、もう満足という感じです。上手く行ったらそうするけど、先のことは分らない。
もちろん、それなりに似合って……というのが大前提で、「何アレ?」と誰もが思うような無様は御法度と心得ている。頑張ってこの3台ということですな。絵にならないなら乗らない。もちろん他にもいろいろ個性的なクルマはあることは知っている。でも、乗っている自分がかっこいいとは思えない、イメージが自分の生活感になじまないクルマを欲しいとは思わんなあ。
人生の大半を20世紀に生きて、残すところはどれくらい?自分にとっての21世紀は成熟から衰退への道のりだ。あまり悲観はしていなくて、是非とも老人の境遇や境地を堪能したいと思っている。無駄に元気な老人で行くか、老人らしい老人で行くか。はた迷惑かもしれないが、新しい老人像にチャレンジしたいもんである。20世紀の気分を撒き散らすような。だから、ポルシェ・フェラーリ・アストンでいいんですよ。
いっぽうで、心置きなくクルマを楽しむことを諦めたくはない。20世紀の人だからね、ここでいうクルマはもちろんICEインターナル・コンバスチョン・エンジンで走る内燃機関自動車のことだ。
時代の変化に対応するハイブリッド(HV)やプラグインハイブリッド(PHEV)や電気自動車(EV)や燃料電池車(FCEV)などの次世代エネルギー車は必然で、持続可能性やモビリティの確保が重要だと考えるなら大いに普及促進させる必要がある。僕は、基本的に個人的で自由な移動手段としてのクルマが好きなので、HVもPHEVもEVもFCEVもどんどんやるべきという推進派の側にいる。
ただ、純ICE車に対する郷愁も人並み以上に抱いているわけです。あたりまえではないか。高度経済成長の頂点にあった40年前に免許を取ってから、波瀾に満ちた4つのディケードを乗り越えてここまで来ている。デスビ(知ってる?)によるポイント点火&SUツインキャブの1171㏄ 83ps(グロス値)、フロントストラット/リアリーフリジッド、6.00-12のバイアスタイヤが標準という、ほとんど現在の軽自動車以下の慎ましい日産KB110が原点だ。
最初の○○○は忘れないというではないか。20代の前半に自力でサーキットに挑んだからね。紆余曲折は誰にもあることだけど、根っこの部分ってのは変わらないな。結局時代は原点に戻ろうとしている予感がある。熱力学の第一と第二法則に挑戦するかのようにMAXを目指した20世紀石油文明の象徴自動車は、当然の結果として針路の変更を余儀なくされている。
現在の豊さを継続しようとしたら、ECOへのシフトチェンジは当然だ。今までどおりのやり方に明るい未来はない。少量生産のハイエンドプレミアムスポーツ&サルーンはともかく、大規模量産車のあり方を大急ぎで変更しないと矛盾は一気に破裂するだろう。でも、なんとかかんとか資源と環境の問題をかわすことができたら、ある一定の比率でICE車の余地が生れるはずである。
そのクルマは、40年前に僕らが経験した頃のスケールとパフォーマンスに現代的な洗練が加わったものでなければならない。当然コンパクトで軽量で操る面白さが濃厚に残されている必要がある。
いま広島では開発陣が脂汗を流しているはずだが、KB110サニーのパフォーマンスとNHW20プリウスに肩を並べるECO性能と商品価値を備えることが成否の分かれ道。この写真のクルマで提案されたクルマとしての本質を、必要最大限の軽量コンパクトボディで実現した1.3ℓ級FRライトウェイトスポーツ(ロードスター、クーペ、セダン)を待っている。トップスピードは100mphで十分だからね。それ以上の陶酔の境地はクローズドサーキットで目一杯やればそれでいいのだ。
ICEといっても、この場合はオットーサイクルに限定したい。パワートレインに可変機構を多用して、超高回転と低速実用性を最大限追求してほしいなあ。普段は財布に優しい経済性を備え、その気になれば狂気に近い陶酔の境地に至れる。サバテサイクル(高速ディーゼル)は、面白いけどパス。郷愁を呼び起こさない新しい感覚は、次世代エネルギーの範疇に入ると思うから。ガソリンエンジンの匂いが好きなのだ。
多機能である必要はない。使えない超高性能も不要だ。簡素だが充実したクルマを待っている。
反応する"DINKY's"は世界中に増殖中だといいます。←""内が昨日のキーワードなのだった。
Posted at 2010/05/26 13:20:37 | |
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