
朝、怪しい空模様のなか、大磯に向かう。スバルがインプレッサWRX STi4ドアをはじめとするラインアップ試乗と、このところ熱心にTVCFを流し続けているアイサイトの体験試乗を行うという。
バビュ~ンと弾けるように速く、しかし乗り心地はかなり洗練されているね、S♯の弾けたパワーとの相性となると、もはやダイレクトな6MTより5ATのほうが帳尻が合うかもね。このコストパフォーマンスを考えると安いといえるインプWRX STiと40㎞/h以下のアクティブ&パッシブセーフティの間にあるギャップを考えずに、エンジニアの執念に感服する。技術は技術として認めるけれど、俺にはブランドとしての統一された哲学を持たない1デバイスを持ち上げる酔狂の持ち合わせはない。
ECOに対応できていない後ろめたさを、安全という誰もノーとは言えないアイテムで煙に巻くような感じ?普及はサプライヤーの日立が供給をOKするかどうかしだいという現実を先に言ってよ。一件でも不測の事態が起これば、たちまち存在価値を失う。ワンショットデバイスの難しさをちゃんと説明しないで、センセーショナリズムを煽って溜飲を下げる。ちょっと厳しくはないだろうか。
てなことを、しばし担当エンジニアとディスカスした後、とっとと箱根に移動。これもジュネーブでけっこう取材を済ませていたマツダ5=プレマシーの試乗会場を目指した。下界(大磯)は梅雨明け間近を思わせる夏の日差しにジリジリしていたが、無料実験中の西湘バイパスから箱根新道を乗り継いで箱根の中腹に差しかかるとそこは温度差は10数度あろうかという霧の中。
プレマシーはi-STOPと流れデザインのエクステリアに視線が集中しがちだけれど、一番のポイントとして松岡主査が挙げるのは極め付きのリニアリティを追求した走り。日本を含むグローバルプロダクツを追求した結果2代目を踏襲するサイズになったというディメンションと、i-STOPとその前提となる2ℓ直噴DISI+5ATからなるパワートレインは基本的にはキャリーオーバー。その結果は……という話は、近々carview本編でアップされるの?タイガちゃん。
この新型プレマシーの走りをこだわりをもって仕上げたのが、キングカズと同級の元フットボーラー。Jリーグに進んでサッカー選手で身を立てるか、マツダの開発実験部門でクルマの走り作りに心血を注ぐか悩んだ果てに、あえてクルマを選んだという面白い男がいる。サッカーの才能資質については高く評価されていて、代表クラスの可能性もあったと聞いている。
実は今日、最終回の試乗枠を終えて、開発陣と歓談しているところに広島から只今到着という感じで現れ、「実は新型プレマシーの走りはこの人が詰めたんですよ」と聞いて、「ほぉ」。何年か前に欧州のどこかの取材で(フランクフルトだったかな)で会って、お互い熱く語り合ったような覚えがある。
俺も学生時分はサッカーを嗜んでいたので、確か欧州各国のリーグとそれぞれの国のクルマは何か共通点があるよな」みたいな話を発端に盛り上がったのではなかったか。ん?あれは二度目の彼が欧州駐在中のことだったか。最初は広島だったかも。
時間に限りがあったので、今日はあまり話すことができなかったけれど、クルマのセットアップの方向性は間違っていないと思う。ただ、いきなりこれを出されても、どう伝えたら良いものか。しかし、これからのマツダの走りにはちょっと期待できるかも、であります。
Posted at 2010/07/14 23:23:41 | |
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