ER34スカイラインの原因不明な振動の原因を探るべく、解決まで遠回りな工程を踏みたくなかったので、最初から究極の技術を持つお店に車を持ち込むべく、振替休日だった6月10日(金)に満を持して入庫してきました。
お願いしたのは「
京葉サービス」と言うタイヤバランスの職人の方がやっているお店で、かなり以前からクラゴン部屋でも「変態技術」のお店として紹介されている所なのですが、だいぶ以前にクラゴン部屋紹介で入庫したウッシーさん(かつてNCロードスターのパーティーレースに出ていた方)が「ここで組んだタイヤ凄い!」と言っていたのを思い出してお願いする事にした次第です。
店構えは噂に違わず「工場!」と言う感じです。看板はあるので間違えることは無いかと。
因みに予約の方法ですが、ネット予約もできなくは無い様ですが、実質、電話予約のみだと思います。
なお、作業には時間が相応にかかる(平均で1本の作業に約1時間前後要する)ので、1日1名程度の予約しか受けないそうです。
作業場はこんな感じ。建物内にタイヤやホイールが所狭しと置いてある隙間に、タイヤ脱着の機械やセンターハブリング加工用の機材が置いてあり、メインで使用されるタイヤバランサーの機械が半屋外の屋根下に置いてある様な雰囲気です。
作業は12時から予約でしたが、「お昼買ってきて奥で食べてて」との事で、近所の有名なお弁当屋さんを紹介して貰い、行ってみたら凄い行列が出来ていました(汗)
このお店は炭火焼き魚・焼き肉弁当の「
鯖の助」と言う所で、その場で炭火焼きするお弁当を出すお店としてテレビで紹介され、本当に有名なお店の様です。
買ってきたのは、お店で一番のお勧めである「焼き鯖弁当(ご飯少なめ)」です。本当に注文してから焼き始めるので10分位待たされるのですが、凄い香ばしくて良い匂いなのです。他にも焼きホッケや焼き肉なんかも美味しそうなので迷いましたが、購入後、京葉サービスの建物奥のテーブルを借りて頂いたところ、焼き鯖マジ美味い!
ここの弁当は遠出してでも買いに行く価値がありそうですよ!?弁当だけでなく焼き魚単品でも買えるので、ウチの魚好きな家族にも食べさせてあげたいです。
私がお昼を食べている間にフロント側の作業が進みます。こちらのお店で行う究極のバランス取りとは、「位相合わせ」を行ってタイヤをホイールに組む位置を決め、タイヤビードをリムにキッチリ組ませてタイヤの肩を出して、タイヤの真円を出すべく究極のバランスを取る作業を行うとの事。まさに職人技と言った所です。
他メディアでもお店の作業が紹介されていますが、作業の基本はホイールのビード部にあるカスを全部紙ヤスリ等で取り切り、タイヤを組んだ後に高圧空気(マジ高圧)を注入してリムにビードを押しつけて組み上げると、装着後のズレが一切発生しないとのこと。
位相合わせを行う作業は、本来の場所(バルブの場所とタイヤのマーカーの場所を合わせる)で一度組み、タイヤを回してズレていればもう一度ビードを落として位置を変えて組み直す作業を繰り返しています。
因みに固形のビードワックスを使用しておらず、サーキット走行時も含めて、組んだ後に位置がズレる事もないそうです。(それ、ビックリ)
また、タイヤを組んだ後には以前にバランスウエイトを剥がした残りかすも綺麗にし、回転バランスに余計なモノは取り切る徹底ぶり。
右前はホイールに問題はなしで、位相合わせでバランス完了。因みにタイヤは左右入れ替えて片減り対策し、表面を復活させるためにヤスリで削りを入れます。
左前は若干のホイール歪みがあり、別料金にはなるが、ホイール修正もして貰えるとの事でお願いしました。左側ホイール修正後のバランス取りまで完了し、フロントの作業が完了した時点で2時間経過(汗)
今回一番怪しかったリヤ側ですが、右後はホイールに問題ありませんでしたが、左後のホイールには見事な歪みが発生していました。今回判明した振動はどうやらコイツが原因だったようです。
O/H前のエンジン自体に盛大な振動があったので、まさか後ろ側からも振動が発生している事に気が付かなかった様です(汗)
左側リヤホイールの歪みヶ所は3ヶ所前後あり、ホイールが鍛造であることも加味して修正作業は非常に難航。
1ヶ所叩いて広げると、反対側が引っ張られて歪む。ホイールのリム部分だけでなく中心部分付近にも歪みがあったので、ソコを直すとビード部が逆方向に曲がると言う繰り返しの奮闘となりました。
今回はビードが乗る場所を中心に修正作業をして頂き、100点満点には届かなかったけど、取り敢えずこの程度ならば、と言う具合に修正して頂きました。
なるほど、ホイール修正って完璧に「真円の形」に戻すのは至難の業なんですね。確かにホイールは消耗品だと言うことが良く解りました。
なお、鍛造ホイールは叩くと「コワーーーーーン」と言う鐘のような凄い音がして鼓膜がヤバそうですし、そもそもバーナーで炙って作業していても、叩くと割れてしまうことも多々あるそうです。
マジで今回叩く時の音が凄くて近くに立っていられませんでしたが、叩いている本人はもっと至近距離にいるんですよね(汗)
しかし、このハンマーの力と同等の力がタイヤ経由でホイールにかかったと言う事ですよね?!サーキットの縁石乗りはマジでホイール破壊行為だと思いました。
今回の異常ヶ所は、恐らく本庄の最終手前のS字セクションでトドメを刺した悪寒がします(汗)(車体が何度もその場所で跳ねた記憶がある)
【ホイール修正前後の動画】
因みに作業後には店長に助手席へ同乗して貰って、京葉道で走行する試乗確認を行います。
タイヤは凸凹がある(真円ではない)状態で組むと、走っているウチに外周だけ真円になろうとして削れてしまうので、位相あわせで組み位置をずらして組むと、そのずらした部分に凹凸が出てしまうとのこと。
暫く走れば削れて馴染んでくるとの事ですが、凹凸がある状態にもかかわらず、少し走らせるだけでタイヤの転がり抵抗の無さがハッキリと解ります。
雰囲気としては、タイヤにカンカンになるほど高圧のエアを入れた様な感じですが、ハンドルも軽いのに、余分な微振動が無いだけで確実なグリップ感が得られるのは新鮮な感触でした。
組み位置をずらした結果発生している微細な凹凸の振動がありますが、ブレーキング時のフロントタイヤやフル加速時のリヤタイヤなど、タイヤが潰れる時には振動が完全に消える事(逆にパーシャルスロットの時が一番振動が解る)とか、時速40㎞辺りから微振動がスーッと消えて、そのまま高速道路の追い越し車線で100㎞を越えるゾーンまで加速してもハンドルの感触が全く変わらないのも驚きました。
後はアクセルを抜いた時の転がり抵抗の無さですね。微振動があるのに金属のタイヤの様な、本当に今まで感じたことの無い雑味の無さが印象的でした。
リヤの取り切れなかったホイールの歪みですが、もしかすると新品タイヤを使っても完全には微振動は取れないかも知れませんが、それでも以前とは雲泥の差になっているので、このまま街乗りで使い続けても大丈夫そうです。
しかし、今回の作業でフロントタイヤのトレース感も抜群に良くなり、タイヤの綺麗な回転って本当に大事なんですね。
作業日以降、転がり抵抗の無さや路面状況の掴みやすさ、路面が綺麗な場所での気持ちよさがあって、意味なく用事のある場所まで行くのに遠回りしてしまいます。(誇張無し)
雑味が無くなるだけで、ここまで正確な路面情報が得られやすいのかと驚くと共に、グリップの限界が恐ろしく掴みやすいので、無意味にハイペースでコーナーに進入してみたくなる衝動に駆られます。
サーキットを走ると組んだ位置がずれるのが常識だと思っていたので、これが話どおりズレないのであれば、サーキット用のタイヤこそ必要かつ最強の作業である気がしました。
因みに新品タイヤを組んだ時は、組んだ直後に皮むきも完了してくれるとの事なので、翌日朝のコース走行にも対応できますね。
気になる作業工賃ですが、金額情報だけが一人歩きされたくないのでココでは書きませんが、「額面」的には決して安い値段では無いです。
しかし、たった1台に5時間以上徹底的に付き合って貰えるのですから、特段高くは無いかと思います。
その辺は電話すれば目安の金額をスグに教えて貰えるので、気になる方は問い合わせしてみてください。(聞くだけならタダですし、むしろ事前に聞いておいた方が良いと思います。)
自分の次のサーキット用タイヤについては、お財布との相談を早めにしてみます。
(サーキット用ホイールのチェックもしてみたいので)
帰宅後、注文していた富浦の
岡田農園さんから注文していた枇杷が届きました。今回は3Lサイズと、「びわもも」と呼んでいる特大サイズの枇杷を注文。
果汁タップリの美味しい枇杷を今年も無事頂きました!