只見町「沼の平」で初の本格的学術調査 豊かな生物多様性確認
06月07日 17時46分
只見町の浅草岳のふもとに広がる「沼の平」で初めて本格的な学術調査が行われ、町の面積の1%に満たない地域に町内で確認されている植物の4割近くが自生するなど、自然が豊かな只見町の中でも特に生物多様性に富んだ場所であることが確認されました。
浅草岳の北東標高800メートル付近に広がる「沼の平」は、およそ290ヘクタールにわたっていくつもの沼や湿地、それにブナの原生林が広がっていて、手つかずの自然が残る場所として一部の登山者などに知られていましたが、11年前の新潟・福島豪雨の後は地形が大幅に変わり危険だとして立ち入りが制限されています。
7日は、この地域で町が専門家とともに4年かけて行ってきた初めての本格的な学術調査の結果が発表され、町の面積の0.4%に町内で確認されている植物の35%に当たる421種類が自生し、日本固有種のタダミハコネサンショウウオや新種の可能性がある昆虫といった珍しい動物が生息するなど、豊かな自然が残る只見町の中でも特に生物多様性に富んだ場所であることが報告されました。
地滑りが起こりやすい地質のため地表変動が繰り返され、植物が生えていない場所が次々とできることが、多様な植物を育む環境につながっているということで、調査団長を務めた新潟大学の崎尾均名誉教授は「調査に行くたびに地形が変わっていて、地表変動の多さやそこから生まれる生物多様性に驚かされる4年間でした」と話していました。
また、只見町の渡部勇夫町長は「豊かな自然が残る只見町の象徴的な場所として、地域振興につなげていきたい」と話していました。
Posted at 2022/06/07 19:13:05 | |
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