北朝鮮 弾道ミサイル2発発射 いずれもEEZ外に落下か
2022年10月1日 9時10分
防衛省は10月1日朝、北朝鮮から合わせて2発の弾道ミサイルが発射されたと発表しました。いずれも日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下したと推定され、変則的な軌道で飛行した可能性があるということです。
防衛省によりますと、10月1日午前6時42分ごろと午前6時58分ごろ、北朝鮮の西岸付近から合わせて2発の弾道ミサイルが東の方向に発射されました。
2発はいずれも北朝鮮東岸付近の日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下したと推定されています。
このうち1発目は、最高高度が50キロ程度、飛行距離はおよそ400キロ、2発目は最高高度が50キロ程度、飛行距離はおよそ350キロで、いずれも変則的な軌道で飛行した可能性があるとみられています。
この発射による船舶や航空機などへの被害の情報は入っていないということです。
北朝鮮は、アメリカ軍と韓国軍が9月下旬に日本海で共同訓練を行ったことなどに対して反発を強めていて、9月25日と28日、それに29日にも弾道ミサイルを発射し、この1週間で4回目の発射となります。
北朝鮮が1週間で弾道ミサイルを4回発射したのは過去に例がなく、北朝鮮による発射は巡航ミサイルも含めてことし22回目です。
防衛省は、引き続き情報の収集と分析を進めています。
井野防衛副大臣「断じて容認できない」
井野防衛副大臣は、「立て続けに弾道ミサイルを発射するといった挑発を執ようかつ一方的にエスカレートさせる発射も含む一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域および国際社会の平和と安全を脅かすものであり断じて容認できない」と述べました。
そして、北朝鮮側に対し、北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにしました。
海上保安庁 日本に関係する船舶への被害情報入っていない
海上保安庁は、新たに「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射された」という情報があると、防衛省から連絡を受けたと午前7時1分に発表しましたが、こちらについては「すでに落下したとみられる」という情報があると、防衛省から連絡を受けたと午前7時6分に発表しました。
航行中の船舶に対し、今後の情報に注意するよう呼びかけています。
海上保安庁が、日本周辺の海域で被害などの確認を進めていますが、これまでのところ日本に関係する船舶への被害の情報は入っていないということです。
2発ともEEZの外側に落下か
複数の政府関係者によりますと、北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性があるものは、日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下したとみられるということです。
政府関係者によりますと、北朝鮮から再度、発射された弾道ミサイルの可能性のあるものについても日本のEEZの外側に落下したとみられるということです。
政府 官邸対策室に関係省庁の緊急参集チームを招集
政府は、総理大臣官邸の危機管理センターに設置している官邸対策室に関係省庁の担当者をメンバーとする緊急参集チームを招集し、情報の収集と被害の確認などにあたっています。
岸田首相 情報収集や分析を指示
北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたことを受けて、岸田総理大臣は、情報の収集と分析に全力を挙げ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、それに不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示しました。
韓国軍 “ピョンヤン郊外のスナン付近から2発発射”
韓国軍は北朝鮮が10月1日朝、首都ピョンヤン郊外から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射したと発表しました。
日本海では9月30日、日米韓3か国による共同訓練が行われたばかりで、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮は対決姿勢を鮮明にしています。
韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が10月1日の朝6時45分ごろから7時3分ごろにかけて、首都ピョンヤン郊外の国際空港があるスナン(順安)付近から短距離弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射したと発表しました。
韓国軍はアメリカ軍とともに飛行距離や高度などを詳しく分析しています。
スナン(順安)付近からは9月28日にも、短距離弾道ミサイル2発が日本海に向けて発射されるなど、ことしに入ってからの弾道ミサイルなどの発射は、22回に上っていて、異例の高い頻度で発射が繰り返されています。
米韓両軍は、およそ4年ぶりとなった本格的な野外機動訓練を含む合同軍事演習のあと、9月29日までの4日間、日本海で共同訓練を行いました。
また、アメリカのハリス副大統領はおととい、南北を隔てる非武装地帯を視察し「北朝鮮には残忍な独裁政権と人権侵害、そして非合法な兵器開発プログラムがある」と北朝鮮を厳しく非難していました。さらに30日は、日本を含めた3か国による共同訓練が、アメリカの原子力空母を投入して日本海で行われたばかりでした。
一方で北朝鮮の最高人民会議は9月、核兵器の使用条件などを定めた法令を採択し、演説したキム・ジョンウン(金正恩)総書記が「戦術核の運用空間を拡張し核戦闘態勢を強化すべきだ」と述べていて、非核化交渉を拒んで核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮は対決姿勢を鮮明にしています。
9月は25日、28日、29日と相次いで発射
防衛省などによりますと、北朝鮮が弾道ミサイルなどを発射したのはことしに入って22回目です。
これまでに、1月に7回、2月に1回、3月に3回、4月に1回、5月に4回、6月は1回、8月に1回、9月に3回、それぞれ弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。
特に9月は25日、28日、29日と相次いで発射しています。
これまでの21回のうち、18回は弾道ミサイルと推定されもう1回も弾道ミサイルの可能性が指摘されています。
残りの2回は長距離巡航ミサイルなどと推定されています。
このうち、直近の9月29日に発射された弾道ミサイルについて防衛省は、北朝鮮西岸付近から2発を東方向に向けて発射したことを明らかにしています。
いずれも落下したのは日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしていて、2日連続で弾道ミサイルを発射するのは初めてだとしています。
Posted at 2022/10/01 10:34:27 | |
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