
「清水門」復元へ始動 白河・小峰城跡、「一石城主」寄付1億円超
2024年03月01日 08時00分
写真上=復元する清水門のイメージ図。右は三重櫓(白河市提供)
福島県白河市の国史跡小峰城跡で、櫓(やぐら)門「清水門」の復元工事が本格的に動き出した。29日、現地で安全祈願祭が行われ、鈴木和夫市長ら関係者が工事の安全を願った。清水門は戊辰戦争で失われた城内最大規模の櫓門とされており、2025年度末の完成を予定している。
白河市が国の補助金に加え、寄付金やふるさと納税を活用して再建する。千円の寄付金を「一石」とみなす「一石城主プロジェクト」と名付けた寄付金事業では、約2千の個人や団体などから、約1億200万円(2月15日現在)の寄付金が集まった。
「戊辰戦争でなくなった門が復活することはうれしい。市のシンボルとして次世代に残したい」。寄付金事業に計800万円を寄せた中上サト子さん(77)はこう話す。中上さんはリサイクル業の中商(白河市)の監査役を務めており、地域貢献への思いを込めて寄付したという。
小峰城跡は2010年に国史跡に指定された。東日本大震災で崩落した石垣の復旧と同様に、清水門の再建工事には国から2分の1の補助金を受ける。市によると、総事業費は約9億4千万円を見込んでいる。
市は現在も寄付を募っており、目標額は白河藩の石高に相当する15万石の1億5千万円。市文化財課の根本純子課長は「県外や海外客からも寄付を受けている。皆さんと一緒に清水門を造っていきたい」と話した。
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清水門 二之丸と本丸の境にあった櫓門。高さ約11メートル、間口は約13メートルあり、城内で最も大きな間口を持つ。1808年に作成された実測図「白河城御櫓絵図」と発掘調査で見つかった礎石などを基に、忠実な復元を目指す。天守の三重櫓や本丸の入り口「前御門」も市が復元した。
Posted at 2024/03/01 12:30:38 | |
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