H2Aロケット最終号機 打ち上げ成功
2025年6月29日 4時17分
日本の主力ロケット、H2Aロケットの最終号機は、29日未明、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、搭載している温室効果ガスなどを観測する人工衛星を予定の軌道に投入して、打ち上げは成功しました。
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29日午前1時33分打ち上げ 16分後に人工衛星を軌道に投入
H2Aロケット 発射地点に据え付けられる(28日午前)
29日午前1時33分打ち上げ 16分後に人工衛星を軌道に投入
H2Aロケットの最終号機となる50号機は、メインエンジンなどに点火され、29日午前1時33分、ごう音とともに種子島宇宙センターの発射台を離れました。
補助ロケットやロケットの1段目などを切り離しながら上昇を続け、およそ16分後に温室効果ガスなどを観測する人工衛星「いぶきGW」を予定の軌道に投入して打ち上げは成功しました。
種子島宇宙センターの管制室に設置されたカメラの映像では、関係者らが抱き合ったり、握手をしたりして、打ち上げ成功の喜びをわかちあっていました。
H2Aロケットは20年以上にわたり日本の主力ロケットとして数々の人工衛星を宇宙に運んできましたが、打ち上げ費用の高さなどから50号機で運用を終え、後継機のH3ロケットに完全に移行することになっています。
50回の打ち上げのうち、失敗したのは2003年の6号機の1回のみで、打ち上げの成功率は最終的に98%と、世界的に高い水準に達しました。
三菱重工業 宇宙事業部長 “今までの信頼 H3に”
打ち上げ後の会見で、H2Aロケットの打ち上げ業務を担当する三菱重工業の五十嵐巖宇宙事業部長は「表から見ると安定して打ち上げていたように見えるかもしれないが、ひとつひとついろんな困難を乗り越えながら50号機まできた。H2Aはこれでラストだが、今までの信頼をしっかりとH3に引き継いで打ち上げを進めていきたい」と話していました。
観測衛星「いぶきGW」とは
「いぶきGW」は、JAXA=宇宙航空研究開発機構や環境省などが共同開発した観測衛星です。
衛星は高さおよそ5メートル、重さおよそ2.6トンで、宇宙から地球上の温室効果ガスや北極の氷の変化などを観測する、2種類の高性能のセンサーを搭載しています。
これまで運用されてきた温室効果ガスの観測衛星「いぶき2号」と、水観測衛星「しずく」の2つの衛星の機能を併せ持つ後継機で、従来より詳細な観測が可能になります。
広域観測モードと精密観測モードがあり、たとえば、温室効果ガスの大規模な排出源となる大都市や発電所からの排出を検出することなどが期待されるということです。
JAXAや環境省によりますと、開発費用は衛星の開発費とロケットの打ち上げ費用をあわせて、およそ480億円だということです。
Posted at 2025/06/29 11:26:50 | |
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