ダライ・ラマ14世 “「輪廻転生」継続” 外部介入認めない考え
2025年7月2日 19時05分
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チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は、後継者選びについて、みずからの死後にほかの高い位の僧などが生まれ変わりを探す「輪廻転生」(りんねてんしょう)に基づく制度が継続されると表明し、外部の介入を認めない考えを強調しました。
一方、中国は中国政府の承認が必要だとしていて、双方の緊張が高まりそうです。
ノーベル平和賞を受賞したチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は、中国の弾圧から逃れてインドで亡命生活を続けていて、7月、90歳を迎えるなか、後継者選びに注目が集まっています。
インド北部のダラムサラでは、2日、チベット仏教の高い位の僧侶らが会議を開き、ダライ・ラマ14世の動画のメッセージが公開されました。
この中でダライ・ラマ14世は、後継者選びについて「ダライ・ラマの制度が今後も継続されることを確約します」と述べ、みずからの死後にチベット仏教の高い位の僧などが生まれ変わりを探す「輪廻転生」に基づく制度が継続されると表明しました。
そのうえで「ほかの誰も介入する権限はない」と述べ、後継者選びへの介入を認めない考えを強調しました。
中国外務省報道官「中央政府の承認の原則を堅持せねばならない」
中国外務省の毛寧報道官は、2日の記者会見で「ダライ・ラマの転生(てんしょう)は中央政府の承認という原則を堅持しなければならない」と述べ、後継者選びに中国政府が関与する考えを強調しました。
中国政府はダライ・ラマ14世を「分裂主義者」と非難し、後継者は中国政府の承認が必要だと主張してきました。
1989年、ダライ・ラマに次ぐ2番目に高い地位のパンチェン・ラマが死去した後には、中国政府がダライ・ラマ14世の認定した人物とは異なる別の人物を認定し、ダライ・ラマ14世が認定した人物は行方がわからなくなりました。
中国政府としては後継者選びをめぐる中国側の主張を改めて強調することで、ダライ・ラマ14世の動きをけん制するねらいがあるとみられます。
Posted at 2025/07/02 19:47:40 | |
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