
ソウル転倒事故 149人死亡76人けが ハロウィーン前でにぎわう
2022年10月30日 7時09分
韓国ソウルの繁華街のイテウォン(梨泰院)で29日夜遅く、大勢の人が折り重なるようにして倒れ、これまでに149人が死亡し、76人がけがをしました。
当時、ハロウィーンを前に集まった大勢の若者が狭い路地に密集していたということで、警察は、現場の状況などを調べています。
29日夜10時すぎ、ソウルの繁華街イテウォンで大勢の人が折り重なるようにして倒れ、消防が午前6時半に行った会見ではこの事故でこれまでに149人が死亡し76人がけがをしたということです。
消防によりますと、死傷者の多くが10代と20代の若者で、亡くなった人の中には外国人が2人いたということです。
ソウルにある日本大使館によりますと、これまでのところ日本人が巻き込まれたという情報はないということで、引き続き情報の収集を進めています。
現場では、救急隊員たちがストレッチャーに乗せた人たちを次々と搬送していたほか、災害や事故が発生した際に派遣される専門の医療チームも事故に巻き込まれた人たちの手当てを行っていました。
現場は、バーなどの飲食店がある狭い路地で、坂になっています。
イテウォンはここ数年、ハロウィーンの時期に仮装などをした若者でにぎわっていて、ことしは、新型コロナウイルスの規制の緩和を受けて3年ぶりに大勢の若者が繰り出し、地元メディアによりますと29日夜は、およそ10万人が訪れたとみられるということです。
地元メディアは、大勢の人が坂の上の方から次々と折り重なるように倒れていったという目撃者の証言も伝えていて、警察は、現場の状況などを調べています。
事故現場のようすは
事故現場には、警察の車両や救急車が次々に到着し、救急隊員たちがストレッチャーに乗せた人たちを次々と搬送していました。
現場付近の坂道は、警察官によって立ち入りが規制され、警察や消防が状況を調べていました。
また、災害や事故が発生した際に派遣される専門の医療チームも現場で事故に巻き込まれた人たちの手当てを行っていました。
現場近くにいた20代の男性は「大勢の人が倒れていて、救急隊員などが心臓マッサージを行っていました」と事故直後の様子を話していました。
また、20代の会社員の男性は「救急隊員たちが現場に来て、亡くなったとみられる人たちの対応にあたり、あび叫喚ともいえる状況でした」と話していました。
事故現場付近には、イ・サンミン(李祥敏)行政安全相も訪れ、現場の状況を確認する姿も見られました。
イテウォン(梨泰院)とは
ソウル中心部のイテウォンは、韓国有数の繁華街の1つです。
アメリカ軍の基地も近くにあることなどから外国人が多く訪れる場所となっていて、路地には、飲食店やナイトクラブが建ち並び、最近ではハロウィーンの時期には多くの若者などが集まっていました。
また、人気の韓国ドラマの舞台としても知られていて、日本人の観光客にも人気のあるエリアです。
群集事故 最も危険な「群集雪崩」
人が多く集まっている場所で多くの人が倒れて亡くなったりけがをしたりするのが「群集事故」です。
韓国での事故の詳しい原因はまだわかっていませんが、その中でも最も危険なのが「群集雪崩」です。まったく身動きがとれないほど人が密集した時、何かのきっかけで一気に多くの人が崩れるように倒れて折り重なります。密集した状況で過度に体が圧迫され、呼吸すらしづらい状況になります。
過去には国内外でも事故が起きています。2001年、兵庫県明石市の歩道橋で花火大会の見物客が折り重なって倒れ、多くの犠牲者やけが人がでました。
また、海外でも宗教の巡礼に訪れた場所で多数の死者が出る事故などが起きています。
群集雪崩に巻き込まれた場合は抵抗することがほぼ出来ない状況です。こうした事故から身を守るためには、人が密集している狭い路地や駅の前、人の流れが食い違うような場所などをあらかじめ予想して近づかないようにするしかありません。
Posted at 2022/10/30 08:23:10 | |
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