原子力防災訓練でアプリ活用
10月29日 12時37分
東北電力女川原子力発電所の事故を想定した宮城県の原子力防災訓練が3年ぶりに住民が参加して行われ、どの避難所に避難したらよいかスマートフォンに通知するアプリが活用されました。
訓練は再来年の再稼働を目指している女川原発2号機が震度6強の地震や津波で深刻な事故が起きたという想定で行われ、新型コロナ感染拡大の影響で住民が参加して行われるのは令和元年以来3年ぶりです。
訓練には女川町や石巻市など、原発から30キロ圏内の6つの市や町の住民およそ300人が参加しました。
今回は、30人ほどの住民を対象にどの避難所に避難したらよいか、マイナンバーカードの情報が読み込まれたアプリを使ってスマートフォンに通知する仕組みを利用した訓練が行われました。
これは東日本大震災のときに、地震や津波の被害で使えなくなった避難所があった教訓を踏まえたもので、参加者の男性の1人は、午前7時半ごろ、スマートフォンに向かうべき避難所の通知を受け取ると、ほかの住民とともにバスに乗り込み、60キロほど離れた大崎市の避難所に向かいました。
避難所では、住民が、貼り出されたQRコードをスマートフォンのアプリで読み取って受け付けを済ませていて、こうした方法により、誰がどこに避難したかが把握できるほか、受付の混雑の緩和が期待されるということです。
一方、震災のときは電波状況が悪く、携帯電話がつながらなくなりましたが、県はその場合、事前に決められている避難所に避難してもらいたいとしています。
訓練を体験した80代の女性は「きょうは知り合いに教えてもらって避難したが、実際に1人ではアプリを使いこなせる気がしない」と話していました。
訓練を視察した宮城県の村井知事は、「スマートフォンに慣れ親しんでいない高齢世代へのサポートが必要だと感じたので市町村と連携して強化していきたい」と述べました。
Posted at 2022/10/29 18:56:47 | |
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