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2010年07月10日 イイね!

Road Dyno in RomRaider

Road Dyno in RomRaider知っている人が多いと思うが、RomRaider 0.5.3BetaのRC版がリリースされている。

ECU Editorに大きな変更等はないが、Loggerには「Road Dyno」というものが新しく追加された。「Road Dyno」は説明するまでもないが、実走式のパワー測定及びゼロヨン測定機能のことである。

今まで簡易パワーチェッカーが付いた電子機器やログデータからグラフを作成するものはあったが、これはECU情報からのデータを元に、さらに車両データや気象条件等を加味した状態でグラフ化してくれるのが特長だ。

今日この「Road Dyno」を少し試してみたので、使い方や設定方法をまとめてみた。


1. 準備
1-1 ダウンロード
  RomRaiderのWebサイトから下記の3つのファイルをダウンロードします。

  RomRaider0[1].5.3BetaRC6-setup.exe
  【RomRaider Development】

  cars_def.xml

  【ECU and Logger Definitions ⇒ Logger Road Dyno Car Definitions】

  Log file interpolation ver4p0z1 public.zip
 
【Tuning Utilities and Spreadsheets ⇒ SPREADSHEET: import and graph log files】

※【】は掲示板名
※Logger機能の1部なのでロガーの定義ファイルも必要です。

1-2. ファイルの変更
  cars_def.xmlをメモ帳やテキストエディタ等で開き、自車データを追加、もしくは既存データを変更します。
  変更する箇所は、<car>と</car>で区切られた間です。自分の場合、他のデータは不要だったので自車データのみにしました。


    <car>
        <type>09 IMPREZA Spec C 6MT</type>
        <carmass>3175</carmass>
        <finalratio>3.900</finalratio>
        <rollcoeff>0.015</rollcoeff>
        <dragcoeff>0.33</dragcoeff>
        <frontalarea>22</frontalarea>
        <transmission>Manual</transmission>
        <gearratio1>3.636</gearratio1>
        <gearratio2>2.375</gearratio2>
        <gearratio3>1.761</gearratio3>
        <gearratio4>1.346</gearratio4>
        <gearratio5>1.062</gearratio5>
        <gearratio6>0.842</gearratio6>
        <tirewidth>245</tirewidth>
        <tireaspect>40</tireaspect>
        <wheelsize>18</wheelsize>
    </car>



  1) carmass: 車両重量、単位はポンドなので単位換算が必要です。
  2) rollcoeff(rolling resistance coefficient): 転がり抵抗係数
  3) dragcoeff(drag coefficient): 形状抗力係数、つまりCD値のこと。
  4) frontalarea: 前面面積、単位はフィート。

  ※2~4は「Log file interpolation」のAccelというシートを参照して入力します。


2. セットアップ
  RomRaider 0.5.3Beta RC6をインストールします。
  すでにRomRaiderをインストールしている場合は、ウィザードに従ってセットアップするとインストール済みのRomRaiderが上書きされるので、インストールフォルダ先名を変更してインストールを実行します。あと、スタートメニューに登録されているショートカットも上書きされてしまうのでショートカット作成画面でチェックをすべて外しておいた方がいいです。
  インストールが終了したら、作成した「cars_def.xml」「logger.xml」をインストール先フォルダ内に置きます。


3. 操作方法
  OpenPortケーブルを車両に接続したら、Loggerを起動して「Dyno」タブを開きます。自車データのみであれば自動的にデータが読み込まれます。表示されない場合は、プルダウンメニューから自分の車を選択してください。
  起動直後は単位が「Imperial(ヤード・ポンド法)」になっているので「Metric」をクリックして表示を変更します。


3-1 パワー測定
エンジン回転数をX軸にしてパワー(青色)とトルク(黄色)をそれぞれグラフにします。



1) Modeで「Dyno」を選択します。

2) Dyno Settingsの項目にデータを入力します。
 
   Select Gear: 測定するギアを選択します。

   Delta Weight: ガソリンや運転手の体重等の重量を入力します。

   Base Weight: 車両重量(自動的に定義ファイルから読み込まれます。)

   Smoothing Factor: グラフをスムージングするための補間値です。11以下の値が良いようなので、基本的に変更する必要はないと思います。

   RPM Range: 測定されるエンジン回転域です。測定時に自動的に計測されます。

   Elevation: 海抜です。(国土地理院は東京湾の海面を海抜0メートルとしています。)
   ※ある程度正確な値を入力しないと、とんでもない測定値が表示されますので注意してください。

   Air Temperature: 吸気温度です。測定時に自動的に計測されます。

   Rel Humidity: 相対湿度、つまり一般的な湿度のことです。
   ※携帯のYahooの地域天気情報を参考にするといいと思います。

3) 「Record Data」ボタンをクリックしたら、あとはアクセルを全開にして走ります。


3-2 ゼロヨン測定
時間をX軸にして速度をグラフにします。



1) Modeで「ET」を選択します。

2) Dyno Settingsの項目にデータを入力します。
 
   Select Gear: 測定するギアを選択します。

   Delta Weight: ガソリンや運転手の体重等の重量を入力します。

3) 「Record ET」ボタンを押したら、あとはアクセルを全開にして400m走ります。


4. その他共通事項
・「Clear Data」ボタンをクリックすると、グラフ(データ)は消去されます。
・Reference Traceは、データを保存したり、過去のデータを読み込む時に使用します。
Posted at 2010/07/10 14:57:03 | コメント(4) | トラックバック(0) | ECU関連 | クルマ
2010年06月04日 イイね!

IDA Pro Advance

IDA Pro AdvanceIDA Pro Advanceは、RomRaiderでは定番と言われてくらい有名なディスアセンブラソフトウェアだが、ECUのROMだけでなく、ゲームなどのさまざまなROMをディスアセンブラできることで有名らしい。

もう2年前くらいからこのソフトは欲しいと思っていたのだが、昨日、ひょうんなことからIDA Pro Advanceを入手することができた。


早速インストールしてROMを開いてみたのだが、どうも表示がおかしいというか、RomRaiderの掲示板にあるような画面にならなかった。
そこでRomRaiderのトピックをよく読んでみると、どうやらいくつか小細工というか、前準備をしないといけないということが分かった。

再びRomRaiderに記載された手順とおりにやってROMを開いてみると、やっと掲示板にあるような見慣れた画面が表示された。以前「ECUのディスアセンブル方法」で紹介したフリーソフトの「Dissh」と比較するのは酷だが、やはりテキストダンプと違い、圧倒的な情報量と見易さには感心してしまった。

そしてこのIDA Pro Advanceのすばらしいところは、ルーチンフローマップを自動生成できたり、関連するデータをブロック単位で表示できるところだ。また、定義ファイルの項目を解析画面に取り込めるのもグッドである。

改めて自分のROMをざっと見てみたが、やはりまだ解析されていないところがありそうだ。
まだSHの命令コード自体よく分かっていないが、暇を見つけていろいろ調べていきたいと思う。
Posted at 2010/06/04 23:13:12 | コメント(3) | トラックバック(0) | ECU関連 | クルマ
2010年05月29日 イイね!

Learning Viewとインタークーラー・ウォータースプレーの解析

Learning Viewとインタークーラー・ウォータースプレーの解析今週の前半は結構ヒマだったのでLearning Viewとインタークーラースプレーのテーブルを調査してみた。

なかなか新バージョンがリリースされないLearning View。
3/21にポストされたmerchgod氏のコメントによると、新バージョンは95%完成していると言っているが、いまだにリリースされるような雰囲気ではない。



RomRaiderでAFの学習値は見るようにできたけど、まだ点火時期の学習値は見ることはできない。人によっては必要ないかもしれないが、私にとって学習された点火時期の補正値は、補正の傾向を見るために何かと便利なのである。

そこでLearning Viewをリバースしてみた。
ポイントはECUに送る読み出しコマンドとストリングテーブルのところなのだが、私みたいな人間がこれを解読するのはやはり難しい。CAN通信の場合、メッセージフォーマットも違うので少し弄って変更するのは無理なようである。
やっぱりリリースされるのを待つしかないか。。。


あと、インタークーラー・ウォータースプレーのテーブルも調査してみた。
インタークーラー・ウォータースプレーが付いた32ビット系のモデルは、Spec CとR205だけだと思う。だから定義ファイルにはテーブルがない。そこで16ビットモデルのインタークーラー関連のテーブルをベースにして、その後ディスアセンブルしたROMから目ぼしいアドレスを追加するという作業をやった。20箇所くらいのアドレスをピックアップして入れてみたがどれもハズレだった。

今週の解析作業は実りがなかったなぁ。。。


Posted at 2010/05/29 11:35:20 | コメント(2) | トラックバック(0) | ECU関連 | クルマ
2010年05月08日 イイね!

CL to OL Transition

CL to OL Transition今日はClose Loop(CL)からOpen Loop(OL)へ切り替える条件項目の「CL to OL Transition」を弄ってみた。

レガシィの時ももちろん弄っていた項目だが、今回はSIドライブも関連しているのでちょっとややっこしいと思っていた。しかし予想と裏腹に意外と簡単だった。







SIドライブが関連しているのは、次の2つのテーブルだった。2つのテーブルのプロパティを抜粋すると、以下のようなことが記述されている。

【CL to OL Delay】
この値は【CL to OL Delay / Switch SI-DRIVE Intelligent】の値が"0"の時にすべてのSIドライブモードで使われます。【CL to OL Delay / Switch SI-DRIVE Intelligent】の値が"0"以外の時は、この値はインテリジェントモードのみで使用されます。

【CL to OL Delay / Switch SI-DRIVE Intelligent】
この値が"0"以外の時は、インテリジェントモード時の遅延値として使われます。この値が"0"の時は、SIドライブのモードに関係なく【CL to OL Delay】の値が使われます。

上記のように【CL to OL Delay / Switch SI-DRIVE Intelligent】を"1"にすれば、【CL to OL Delay】の値はインテリジェントモードのみに使われることになる。
もしくは【CL to OL Delay / Switch SI-DRIVE Intelligent】は"0"のままで、【CL to OL Delay】を"0"にするというのもありのようだ。

しかし、【CL to OL Delay】を"0"にしてしまうと、「CL to OL Transition with Delay (Throttle)」と「CL to OL Transition with Delay (Base Pulth Width)」のテーブルは使われなくり、CLからOLへ移行は「Primary Open Loop Fueling」と「Minimum Active Primary Open Loop Enrichment」テーブルを基に決定されると記載されている。
今はまだ燃調系は触りたくないので、今回は【CL to OL Delay / Switch SI-DRIVE Intelligent】を"0"のままにして、【CL to OL Delay】は、初期値の半分の"375"にしてみた。


今回すべてのプロパティをじっくり読んでみたのだが、「CL to OL Transition with Delay Throttle Hysteresis」と「CL to OL Transition with Delay BPW Hysteresis」に気になる文章を見つけた。

まずスロットルの方だ。
dependent on the primary open loop fuel map value and 'CL to OL Transition with Delay Load' threshold

一方、BPWの方は下記のようになっている。
dependent on the primary open loop fuel map value and 'CL to OL Transition with Delay Throttle' threshold

スロットルの文章には「CL to OL Transition with Delay Load」となっているが、このようなテーブルは存在しない。
BPWの方は存在するテーブル名だが、もしかするとスロットルの方がこの文章で、BPWの方は「CL to OL Transition with Delay BPW」ではないだろうか。
しかし、未解析なテーブルが存在している可能性も捨てきれない。今のところテーブルが存在したとしても問題はなさそうなので深く考えるのはやめておくことにした。

あと、今日はブースト関連も変更してみた。
まだ排気系がノーマルなのでブーストはそんなに高くできないため全体的に底上げし、最大ブーストは1.45Kgf/cm2に抑えてみた。



今回もログを採ってみて思ったのだが、燃調や点火時期などを弄じらずにブーストを変更したくらいではノックは発生しないようだ。

次回はこの状態でTip-in Enrichmentを弄ってみようと思う。
Posted at 2010/05/08 18:42:05 | コメント(2) | トラックバック(0) | ECU関連 | クルマ
2010年04月24日 イイね!

ECUによるブーストコントロール

ECUによるブーストコントロールレガシィの時はブリッツのブーストコントローラでブースト制御していたが、今回はもちろんECUで制御していく。

スバルのブースト制御に関しては、RomRaiderやmistbahnさんのブログなどで勉強させてもらっていたが、なんとなく理解していたような感じだった。
そこでリハビリがてら勉強し直してみた(笑)



ECUのブーストコントロールには大きく4つの項目があり、各々の項目の中にマップ(テーブル)が存在している。
マップには、吸気温度や大気圧等で補正する"Compensation"というものや、動作条件を決めるための"Activation"というものが存在するが、ここでは話を分かりやすくするために割愛させてもらう。

Boost Control - Target
Boost Control - Limit
Boost Control - Wastegate
Boost Control - Turbo Dynamics

ECUは「Target Boost」マップの目標ブーストに合わせるために、「Wastegate Duty Cycle(WGDC)」マップによってソレノイドバルブを制御する。しかし、実際には目標ブーストを上回ったり、下回ったりすることもある。つまり、実測したブースト圧と目標ブースト値にズレが生じることがあるわけだ。そこでECUは、「Boost Error」というものをウォッチして目標ブーストに合わせていく。ブーストエラーは次のように計算される。


ブーストエラー = 目標ブースト-実ブースト
ブーストエラーが正値 = 実ブーストが目標ブースト以下(アンダーシュート)
ブーストエラーが負値 = 実ブーストが目標ブースト以上(オーバーシュート)



このブーストエラーを元に「Turbo Dynamics(TD)」という機能を使ってWGDCを補正していく。

ブーストエラーが大きいもの(正値と負値に関係なく)は、「Turbo Dynamics Proportional」で補正

ブーストエラーが小さいもの(一般的にハンチングと言われるもの)は、
正値(アンダーシュート)なら、「TD Integral Positive」で補正
負値(オーバーシュート)なら、「TD Integral Negative」で補正



計算式で表すとTDとWGDCの関係は下記のようになる(注:実際には吸気温度や大気圧等で補正する"Compensation"値が加わる)。

最終WGDC =「Initial WGDC」+「Turbo Dynamics Proportional」+「TD Integral Positive / Negative」


ブーストエラーが瞬間的で大きいものは、「Turbo Dynamics Proportional」で補正するのが基本だが、補正する値が「Turbo Dynamics Proportional」の値よりも大きければ、「TD Integral Positive / Negative」も使用して補正する。

「Turbo Dynamics Proportional」と「TD Integral Positive / Negative」は、「TD Activiation Thresholds (RPM) 」と「TD Activiation Thresholds (Target Boost)」で設定された閾値に達するまで加減算され、閾値以下になると加減算はされなくなる。また、閾値以下になると累算された「TD Proportional」と「TD integral Positive / Negative」はクリアされる。

「TD Integral Positive」は、「TD Integral Cumulative Range (WG Correction)」によって補正範囲が決まっているので、現在のWGDCが「Maximum WGDC」より高い場合、もしくは同じであれば「TD Integral positive」は無効になる。また、条件によって下記のようになる。

最終WGDCが「Maximum WGDC」の値よりも大きい ⇒ 「Maximum WGDC」の値を使用する。
最終WGDCが「Wastegate Duty Limit (Maximum)」の値よりも大きい ⇒ 「Wastegate Duty Limit (Maximum)」の値を使用する。


久しぶりにRomRaiderのトピックやCOBBの資料を一気に読んだら疲れてしまった(^_^;)
Posted at 2010/04/24 21:12:13 | コメント(3) | トラックバック(0) | ECU関連 | クルマ

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