Learning Viewに関するブログは何度かエントリしたことがありますが、スケーリングの変更に関して知らない人もいると思ったので、その変更方法を「整備手帳」にアップしてみました。
誤解がないように言っておくと、これはLearning Viewの表示を単に変更するのではなく、「Fine Learning Knock Correction Table」と「A/F Learning AirFlow Range Table」のスケーリングを変更する方法です。
メリットは、スケーリングを変更することで、点火時期の補正範囲が特定し易くなります。
そして注意して欲しいのは、スケーリングを変更するとECUが参照する情報も変わってきます。なぜなら、各セルにはインデックス(番号)が付いており、エンジン回転数や負荷によって参照する位置が変わるからです。
そのため、燃調や点火時期などに関して、ある程度理解していらっしゃる方だけにお勧めする内容です。
なお、どのセルを参照しているかは、「A/F Learning Airflow Range (Current)」と「Fine Learning Table Offset」をロギングすれば判別できます。
Learning Viewの見方やECUの学習に関しては、過去のブログも合わせて読んでもらえればと思います。 レガシィの時にエントリしたものなので値などが若干違いますが、基本的な考え方は同じです。
「ECUの学習からの考察-1」
「ECUの学習からの考察-2」
「Idle Speed Target」とは、クーラント温度によってアイドリング時のエンジン回転数を決めるテーブルだ。
通常はこの項目を変更する必要はないが、カムやインジェクター、もしくはMAF関連を変更した時に見直しをする必要があると言われている。
テーブルは、GRBやGVB(MT)だと3つ、GRFやGVF(AT)だと4つのテーブルが明らかになっている。
しかし、ROMを解析すると、実は8つのテーブルが存在する(ATだと6つ)。
16進のデータだと分かりづらいので、変換してアドレス順に並べると次のようになる。
表のようにAのテーブルと同じものが5つ、Cのテーブルと同じものが3つだ。
これは他国向け用に領域を確保するためにデータがストアされているものだと思われる。
それでは、実際テーブルがどのように使われているのかを調べるには、ロガーのExtend Parameterの「Idle Speed Map Selection」を使えば分かる。
ロギングされるのは数字になるが次のような意味になる。
【テーブルが3つの場合】
1=A、2=B、4=C
【テーブルが4つの場合】
1=A、2=B、3=C、4=D]
どちらも基準は[1=A]、つまりエンジン始動時は、Aのテーブルを最初に読むのが普通の動作だ。
ログを採ってみると、エンジンを始動してアイドリング状態だと"1"だったが、少しでも動き出すと"4"に変わり、エンジンを切るまでずっと"4"のままだった。
たぶん、BのテーブルはAのテーブルとまったく同じなので、[2=B]には切り替わらないと思う。
このような結果から、もし始動時のアイドリング回転数を低くするのならAのテーブルを変更すれば良いということになる。しかし、あまり低くすると触媒や2次エアポンプの動作に支障をきたすので極端な変更は避けた方がいいと思う。
RomRaider カテゴリ:ECU関連 2008/03/23 18:33:56 |
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OpenECU カテゴリ:ECU関連 2007/12/29 23:44:52 |
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スバル インプレッサ WRX STI ECUチューニングをメインにやっています。 |
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スバル レガシィB4 OpenECUでECUチューンニングをやっていました。 |