先日、
けだまおやじさんのブログで触れられていた、『信号の無い横断歩道に歩行者がいた時に止まるか否か』問題。
道路交通法で横断歩道が歩行者優先というのは皆さん御存知の事かと思いますが、実際には下記の様に書かれています。
※
こちらのサイトから拝借しました。
横断者がいない事が明らかな場合を除いて、横断歩道前の停止線で停止できる速度で走行しなければならないんですね。
恥ずかしながら、知りませんでした。
横断歩道前で止まらない理由として上位に挙がる、
・このまま停止したら、後続車に追突される
・どうせ、対向車も止まらないだろうから
というのは、法律上は全くのナンセンスという事になります。
で、この場合の罰則規定がこちら。
一時停止違反等と同等となっています。
『信号の無い横断歩道に歩行者がいた時に止まる』事。
肌感覚としては、あまり守られていない様に感じています。
では、実際にどの程度守られているのか?
タイミング良く、
JAFから全国調査データが公表されました。
調査対象が各都道府県で2箇所ですから、数字そのものの信頼性は高くないと思いますが、傾向的には有る程度参考にして良いかと思います。
全国平均で8.6%というのは、個人的にはそんなもんかなと思いますが、都道府県毎の差が非常に大きいのに驚きです。
トップの長野は58.6%で、2位の静岡(39.1%)、3位の石川(26.9%)を大きく引き離すブッチギリの結果。
一方の再下位争いは、同率44位の三重と和歌山(1.4%)、46位が広島(1.0%)、47位が栃木(0.9%)。
殆ど止まらないと言って良いレベルでしょう。
和歌山を除いて自動車組立工場立地県 というのは、単なる偶然でしょうかねぇ。
私の前住地である静岡は先記の通り39.1%で、現住地の京都3.8%とは約10倍の差。
これも、個人的な感覚としては概ね納得出来る感じです。
さて、長野が1位になっている理由は判りませんが、静岡の2位には思い当たる事があります。
時期は不明ですが、静岡県交通安全協会が
『思いやりパッシング運動』なるキャンペーンをやっていました。
(リンク先はアーカイブで、2018年時点ではキャンペーンは終了している模様)
バッシング(bashing) じゃなくて、パッシング(passing)です。
思いやりを持っても、相手を叩いては駄目です。
このキャンペーンはかなり力を入れていたと思われ、テレビやラジオCMでも流れていましたし、回覧板でチラシが配られたり、免許更新時の講習会等でも説明が有ったと記憶しています。
実際に横断歩道前で対向車からパッシングを受けた事も有りました。
あくまでも推測ではありますが、このキャンペーンで意識の向上が図られた可能性は有るかと思います。
ちなみに、京都の職場仲間数人に聞いたところ、この内容を知っている者はいませんでした。
でもね、個人的にはこのパッシング行為には反対の立場で、自分自身では一度もやった事はありません。
もちろん、横断歩道前で停止する事への反対はありませんし、それなりに止まっている自負もあります。
個人的に問題と思っているのは、パッシングをされた側がどう捉えるか という事。
パッシングの理由は下記の様に色々有るので、相手がどう捉えるかで結果が変わってしまいます。
1:対向車に道を譲る
2:感謝の意思
3:道を譲りたくない
4:対向車のヘッドライトが眩しいという警告
5:強引な運転に対する抗議
6:対向車に何らかの異変を知らせる
7:ヘッドライトの消し忘れ、点け忘れの警告
8:緊急事態(バスジャック)などを車外に知らせる
『思いやりパッシング』は6:の意になるのでしょうが、相手が右折するつもりで1:の意に捉えてしまうと、突っ込んでくる恐れもあります。
また、歩行者側にとっても、パッシングされた事で「早く渡れ!」の意に捉えてしまうと、焦って横断しようとする可能性も有ります。特に、子供は対向車の存在を確認せずに走って横断しようとするでしょうし、年寄りは途中で転ぶ可能性もあります。
何れの問題も、自動車が横断歩道前で停止すれば済む事なんですがね。
合図は、お互いの認識が合致していてこそ正しく伝わる事。
曖昧な合図は、相手の誤認や混乱の元となりかねません。
パッシング同様にハザードについても、同様の事が言えます。
サンキューハザードだと思っていたらいきなり停車した なんて話もありますからね。
何はともあれ、『信号の無い横断歩道に歩行者がいた時に止まる』はドライバーの義務。
これを実践される方の割合が少しでも増える事を願うばかりです。
Posted at 2018/10/28 16:18:00 |
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