車が帰ってきた。
何事も無かったかのように、しかし、どことなくシャンとして。
そして目撃した。
普通であれば考えられない状態を。理解の出来ない状態を。
6月15日午前10時。私はシルビアの修理を依頼したショップに居た。
約1ヶ月ぶりに再会する私とシルビア。
その姿は前と変わらず、低く構えた攻撃的なスタイル。
それは見紛うことなき、自分のS15シルビアだ。
そんなささやかな感動は、とりあえず置いておくとして・・・
さっそく気になっていた、壊れた部品を見せてもらうことにした。
まず、デフキャリアからを見せてもらう。
そこには大きく裂けたような穴があるデフキャリアが置いてあった。
正直、これが私のものだとはとても信じられなかった。
至極当然の話だが、デフキャリアは非常に堅く頑丈だ。それが内側から破られたように大きく破損していた。
何がこんな穴を開けたのか。事前に聞かされていた話だと、リングギア(ファイナルギアのうち、ディファレンシャルギアに付くもの)を止めるボルトが吹っ飛んでいた、ということだったが、高がボルトがそんな威力を持つとは、俄かには信じがたい。
続いて、デフ本体を見せてもらった。
少し小さい箱の中に収められていたそれは、パッと見た感じダメージは少ないように思えたが、すぐにそれは間違いであることに気が付いた。
まずはLSDを見てみよう。
ボルトを通す穴をすべてなぞる様に深く傷が入っているのが見て取れるだろうか。
特に一番上のボルト穴から右方向へ深く、そして青く焼けた傷がある。
折れてリングギアに残ったボルトとの摩擦によって青く変色したものと思われる。
どういう事かといえば、
ファイナルギアとデフケースAおよびB(LSDの蓋とケース本体の事)が分離され、リングギアとLSDが別々に回転した結果、このような傷がついたということだ。(訂正① リングギアはこの面とは反対側に付く為、この傷の原因は別にあると思われます。)
察しのいい皆さんならもうお分かりだろうか。
つまり、10本あるボルトすべてが抜けた、或いは折れた事になるのだ。
続いてリングギアを見てみる。
一箇所だけ残った、折れたボルト。
傷の原因はおそらくこれだろう。(訂正② 訂正①と同文)
他の9箇所にはボルトは残っていなかった。
つまり9本は緩んで取れた・・・ということなのだろうか。でなければ2枚目の画像のようにリング状に傷が付くはずが無い。
そして、高速で動き回っていたであろうボルトはキャリアを突き破り外へ・・・
と言ったところか。
エンジンの回転をギアボックスで減速(5速は直結、6速は増速しているが)しているとはいえ、デフ本体の回転する速さを物語るいい例なのかもしれない。
折れたボルトを見てみると、僅かに縞々模様が見てとれる。
半分以上は模様も何も無いが、恐らく削れてしまったのだろう。
このような縞々模様をビーチマーク、或いは貝殻模様と言い、これは金属疲労によって折損した際に現れるものなのだそうだ。
恐らくこのボルトが最後の1本だったのだろう。
・・・
とにもかくにも、なぜこのような事態になったのか。
いつもお世話になっているショップの方に話を聞くと、こういう壊れ方は初めて見たとの事。
しかし、そのショップの方がいろいろな方に話を聞いたところ、割とありがちな事らしい。
このS15は元々ドリフトをしていた車だったため、思いも寄らぬところに負担が掛かっていたのではないか、それが今回はLSDとリングギアを止めるこのボルトだったのでは。との事だった。
この影響で、左ドライブシャフトのブーツが破れてしまった。
LSDは新品へ交換し、ドライブシャフトとデフキャリア、S15純正3.692ファイナルギアは中古を探してもらって組みつけてもらった。
しかし、3.692ファイナルはS15の6MTのみに使用されるギアであり、パーツの多いシルビアと言えど、結構探すのに苦労したらしい。
S15シルビア。年式も平成14年度とシルビアの中では新しいものの、それでも10年前の古い車であり、尚且つ過酷な走行を行っていた車両ということもあって、それなりの不具合が出てきたか・・・という感がある。
次に壊れるのはエンジンか、それともミッションか。
何れにせよ、もう少しお金が掛かるのは予定調和か。
出来るだけ壊さずに、長く付き合っていきたいものだ。
(・・・やっぱ文章は思いつきでぱっと書くもんじゃないな・・・!訂正多すぎorz)
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2013/06/16 21:17:11