お待たせ致しました、2013年度K4-GP参戦記です。
今年も無事に完走、クラス2位、準優勝という結果を残すことができました。
今年は去年より更に富士スピードウェイに近いビジネスホテルに前泊でき、13日の朝はゆっくりと午前5時に富士スピードウェイに到着。
去年と同様、ゲートには参加車両やサポート車両がいっぱい!
毎年この辺りからテンション上がってきます!
我らがデルタオイルteam ACEもドライバーとピットクルーと合流。
今年はスタッフの都合がつかず、実はドライバー2人+ピットクルー2人=合計4人で5時間耐久に挑むことになり、過去最小人数だったため、とにかく人手が足りない!
5時間耐久を2人のドライバーで走るため、単純計算しても1人当たり@2時間半。
こんな少人数の素人チームで、このクソ暑い真夏のサーキットを燃費を気にしつつレーシングスピードで5時間も走行するという、無謀とも思えるレースに今年もエントリーしてしまいました。
ま、今年で4回目の参戦、何とかなる!と、チームリーダーのやんかどは意外とリラックスして42番ピットに向かいます。
42番ピットは東亜レーシングクラブさん、 J1GPナベチーノさんと同じピット。
挨拶を交わします。
今年の赤アイはとてもリラックスしてる感じ。
しかし強豪チームも同じクラスに出場していて、レースカーの戦闘力も高そう。
ここ1発のスプリント走行では街乗り仕様ノーマルエンジンの赤アイでは勝ち目はありませんが、そこそこのペースで安定して燃費よく走ることに赤アイは特化しているので、その特性を生かした戦略で今年は戦います。
さて、さっそく走行準備。
外せるものは全て外して軽量化し、今年の暑さは異常なため、助手席側ガラス部分にエアダクトを設置。
これは、むさし屋さんが用意してくれたものです。
本当にアリガトね(^^)
そして6時から車検が開始。
今年も全ての車両をチェックするのではなく、時間とスタッフの人数の都合上、抽出された車両のみ車検を受けるという形でした。
過去に車検を受けているからか、今年も車検対象車両にならず。
ということで、今年も車検の時間は暇になり、のんびりとようやく朝食の時間に。
個人的には富士スピードウェイの車検場に行くとワクワクするんですが。
「この車検場でスーパーGTのレースカーも同じように車検を受けているんだよなぁ」って。
車検の最中、コース上では毎度お馴染みコペン軍団が走り始めました。
ファミリー走行枠で今年もコペンの方々はオフ会を兼ねて来られていました。
サインボードエリアのテーブル等の設営も終わって、さて、他チームの偵察w
で、9時~500km耐久クラスの練習走行の時間。
天気は晴れなので、やんかども走りますよー。
2013年度も完走への方程式は継続(笑)
「雨が降ったら やんかど は練習走行を走らないこと」
今年の目標は
「去年の雪辱を晴らすべく、ペナルティを受けることなく、トラブルなく戦略を遂行し、去年以上の順位を目指す。」
です。
耐久レース参戦4年目になると慣れてくるもので、設備も更にグレードアップしました。
・サインボードエリアの屋根をアルミシートにグレードアップし、太陽の熱を外側に反射させ、中のスタッフは暑くなく快適に。
・テーブルとイスをアルミの良いものにグレードアップし、より快適に戦える体制に。
・富士スピードウェイ内で配信されるレース中継データをタブレットで見れるようにして、サインボードエリアにいながらレースの動きを把握できるように。
さて、今年も練習走行は本番同様にシケイン有りのコース。
・走行フィーリングのチェック
・燃費・タイム計測
を行います。
2013年K4-GP仕様の赤アイは
・レース用特注ビルシュタイン車高調
・去年より更にロー&ワイド化
・プレミアムジャパン様にスポンサードいただいているため、デルタオイル仕様のカラーリングになり、油脂類も全てデルタオイルに
・新型ハイフロータービン2に換装
・満足いくよう何度もECUをリプロ
・去年よりフロントを更にネガティブキャンバーに
練習走行が終わり、リーダーミーティングが終わると11時過ぎ。
12時から車両をコースインしなければならないので、さっさと昼ごはんを食べます。
今年もレストラン・オリヅルはまたメニューが変わっていました。
ドリ太麺もチキン勝つDonもチキン勝つカレーもなくなり、普通にロコモコやカツカレーとかだけでした。
毎年そこで笑いが発生していたのに、今年はみんな「は、ははは。。」引きつり笑い。
心底、残念です。
食事後すぐにピットに戻り、車両のコースイン。
12時半~コース上でドライバーズミーティング。
13時~いよいよ5時間500km耐久クラスが始まります。
しかし、レーシングスーツを着ていると本当に暑い。。。
もう走る前から頭が朦朧として、クーラーの効いてる家に帰りたくなってきます。
13時になり、開始のファンファーレと共にフォーメーションラップ。
そしてローリングスタート!今年の第1ドライバーは やんかど です。
今年はドライバー2人での2ストップ作戦。
つまり、やんかど3時間、Sさん2時間という作戦。
ドライバーにかかる負担は大きいですが、ピットインによる時間のロスを最小にするための作戦です。
赤アイの戦闘力が他チームの軽量化したレースカーより劣るため、戦略とドライバーのスキルで勝負!
去年の燃費データを頭に叩き込み、タイムを削りつつ燃費走行で走行。
サインボードで走行タイムを確認。
コーナー1つ1つを走るたびに、
「あぁ、今年も富士に帰って来たんだなぁ」という思いになります。
死ぬかもしれないスピード等の恐怖心。
言葉通りマシンと一体化して走る悦び。
他のドライバーと競い合う闘争心。
色んなものを与えてくれるサーキットという場所が年々好きになってきていることに、走りながら気づきました。
正直、ハコ(クルマ)は何でもいいんです。
運転することは、楽しい。
もっと運転したい、もっと走りたい。
もっともっと自分のスキルを磨きたい。
あ、俺は今、自分のやりたいことが出来ている。
俺って幸せなんだな。
色んな気持ちを胸に秘め、1時間45分間のスターティングドライバーとしての役目を終え、14時45分に第2ドライバーのSさんにバトンタッチ。
この時点でクラス5位を走行。
各チーム、ドライバー交代・給油タイミング等の戦略が異なるため、順位がかなり入れ替わります。
Sさんは2時間を休みなしで走るため、その間やんかどはしっかり体を休めることに。
しっかり休息して、最もプレッシャーのかかるアンカーの役目を果たせるようにしないと。
でも、やっぱりSさんを応援したいので、ほどほどに休んだあとはサインボードエリアに待機し、メインストレートを走ってくる赤アイに、Sさんに力強く手を振って応援!!
「頑張れー!行けーー!!」
Sさんが走り始めて1時間半ほど経過し、そろそろやんかどレーシングスーツに着替えて準備しようとすると、最終コーナー辺りから黒い雨雲が見える??
またかー、夕立が来そう。。。
何で俺が走るときは、いつも雨なにょ!
激おこプンプン丸!
そして16時45分にアンカーの やんかど に交代。
作戦が効いており、この時点でクラス2位を走行!
この1年間、むさし屋さん主催のノーリミットでの筑波サーキット・ジムカーナ走行会やレーシングカート走行会に積極的に参加し、たくさん走りこんだお陰で、去年よりドライビングテクニックが上達しており、タイムが安定していることに気づく。
トラウマのコカコーラコーナーもノーブレーキでアクセル一瞬抜いてフロント荷重になった瞬間にターンインし、リアが流れる前に素早くアクセルオン!
そこで、めひヴィGOさんに教えてもらった「リアにGを溜めないための、ちょんちょんとステアリングをあてて曲がるコーナリング」を見よう見まねでやってみたら、出来た!
そしたら次の100Rが物凄くスピードが乗って、そこだけでタイムが2秒ちょいは変わる!
K4-GPはエコランなのでスポーツ走行の色は薄いと思われているかもしれませんが、そんなことはない!
タイムを稼ぐために、ブレーキングは本当にギリギリまで奥まで我慢し、速いコーナリングスピードで限界で曲がるためタイヤ・ブレーキにはとても負担がかかります。
今回から縁あってデルタオイルを使用させていただいておりますが、
水温90℃
エンジンオイル油温100度
で安定し、ブーストのタレもなく、エンジンは快調そのもの!
何より感動したのは、デルタのブレーキフルードのブレーキングタッチが凄くいい!!
1コーナーのブレーキングは50m地点まで我慢してフルブレーキング→荷重を残すトレイルブレーキングを意識してやっていましたが、ABSが介入するポイントが分かりやすく、レイトブレーキングが今回とても武器になりました。
リアエンジン乗りは根性入った走りしないと!
さぁ、ラスト1時間15分の戦い!
雨は少しパラパラきましたが、本降りには至らず。
コース上を走行していると、いたいたクラス1位のチームのクルマが!
闘争心スイッチON!
相手がブレーキ踏むまで俺はブレーキ踏まない!
相手がそのスピードで曲がるなら、こっちだって同じ人間、きっと曲がる!
いけーー!!!
そしてストレートで抜かし、遂にクラス1位に!
ピットからも
「P1!P1!
ポジション1位!
行けーーーーー!」
と赤アイが通り過ぎるたびに、
「もっと行けー!」と全員で大騒ぎ\(゜ロ\)\(゜ロ\)(/ロ゜)/(/ロ゜)/
そして、時間は17時30分。
このラスト30分が精神的にきつい!
燃料計は残量ほぼゼロでチカチカ点滅してるし、体と精神は疲労している(はず)だけど、集中しているから自覚できない。
自覚したとき→集中力が切れてクラッシュのリスク。
K4-GPに参戦して4年目、初めてのクラストップを走行している事実は、今思えば感動。
しかし当時はそれどころじゃない!
後ろから凄い勢いで追い上げてくる!
来た来た来た!
後ろから赤いミラジーノ、ガレージ佐藤!!
マレーシアのセパン24時間耐久レースにも出場している強豪チームさんです。
実はやんかどがK4-GPに参戦するキッカケはガレージ佐藤さんのK4-GP参戦ブログを見たのがキッカケなのです。
軽自動車をベースに、なるべくお金をかけないで、こんなにみんなで楽しめる、奥が深くて難しいレースがあるんだぁ、参加してみたいなぁ、と思ったのです。
当時、やんかどは福岡で働いていて、4輪のレースやサーキット走行経験も無し。
自宅のパソコンからガレージ佐藤さんの楽しそうな4輪レースブログを見て、
「いつか、俺もK4-GPに出るぞ!」
と思ったものです。
あれから4年、あのガレージ佐藤さんのミラジーノと赤アイがK4-GPの舞台で同一周回のバトルをしている!
シケインのところでアウト側から一気にミラジーノに抜かれ、俺も負けないぞ!と思い、ガソリン残量は気になりますが全開走行!
いつバトルするの?今でしょ!
しかし、セパンも走りきる強豪プライベーターのガレージ佐藤レーシングジーノは速く、ベストラップが赤アイと6秒近くの差があり、全開走行しても差は開いていきます。
そしてレースも17時50分、残り10分!
2つ先のコーナーにいたミラジーノも見えなくなってしまい、これ以上の追跡は不可能と判断。
個人的にバトルを楽しんだことによりガス欠でチェッカーを受けられなくなってしまうリスクだけは避けないと・・・K4-GPはチーム戦だから。
ペースを落とし、残り10分をエコランで走行。
そのまま走りきり、遂に5時間が経過し、電光掲示板にはFINISHの文字!
最後のストレートは全開!もう止まってもいい!
窓を開け、ピットのみんなに向かって高々と右手を上げて
「やったぞーー!!
走りきったぞーーーー!!!」
クーリングラップで1周し、メインストレート前の最終コーナーでなんと「ブ・ブ・ブブ・ブ…」とガス欠症状(゜o゜)
坂なのに登らない!
慌てて車体を左右に揺すって、ブーンとエンジン復活!
何とかメインストレートまでたどり着くことができました。
耐久レースを走りきった、タイヤカス・ブレーキダストだらけのレースカーほどカッコイイものはありません。
今年も赤アイはトラブルなく、頑張って5時間の真夏のレースを無事に走りきってくれました。
本当にありがとう!!!
そして表彰式が始まります。
GP-1(AT)クラスの2位でデルタオイルteam ACEが呼ばれ、去年より豪華になったトロフィーをもらえました(^^)
そのあと1位のガレージ佐藤さんが呼ばれ、一緒に記念撮影をしていただけました。
1位のミラジーノと2位の赤アイは同一周回でわずか14秒差だったとのこと。
5時間耐久レースで、ありえない僅差のバトル。
でも、こちらはもうチェッカー後にガス欠症状が出るほど燃料残量を追い込み、文字通り全力を出し切っての2位、とてもスッキリした気分です。
私をK4-GPに参戦するキッカケを作ってくれたガレージ佐藤さんとこれほど僅差のバトルをすることができ、今年も最高のレースでした!
記念撮影の際、双方のチームリーダー同士で握手し、その瞬間を雑誌社のプレスの方に撮影してもらえました。
とても力強い握手。
素敵な楽しいレースをありがとう、本当にお疲れ様でした。
忘れられない、素敵な夏の思い出になりました。
そしてお楽しみの給油、35リッタータンクになんと35.26L入りました。
荷物を積み込み、富士スピードウェイを後にし、チームのみんなでファミレスで軽く打ち上げをして解散、無事に2013年度K4-GP参戦は終了となりました。
長文お読みいただき、ありがとうございます(^.^)
応援して下さった、全ての方々にこの場を借りて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!!
写真は追ってアップ致します。