
今年初のアクセラのセッティングです!

だが、とうとうBLアクセラではないのであるww
BL型のNAエンジンモデルに特化しているという気持ちは変わりませんが、実際は段々垣根がなくなってきてしまった…
いやいや、何があってもBLNAしかあり得んという気持ちにブレはないつもりですが。
初代アクセラであるBK型、それもマツダスピードアクセラであるBK3P、これはマツダスピードモデルなので2.3Lエンジンに6速MTで264psのやつです。
BL型でも同じマツダスピードモデルはありますが、BKの方が制御干渉が少ない様でじゃじゃ馬との声が高い車。
BLマツダスピードアクセラはこれまでに3台くらい足セッティングで携わったんですが、パワーはあるものの暴れてしょうがない感じではない記憶なんですよね。
トルクステアは確かに多少あるけどそれも制御のおかげかそこまでではなくて。
BKの方が速いと言われる事もあったり、そもそもで車重がBKの方が軽かったりと色々要因はあるみたいですが実際どうなんでしょう。

オーナーさんのKemeoさんとは今回が初対面。
普段からお話はよくさせていただいてますが、今回BKアクセラでありながら作業をすることになったものの、そもそも当初はそこまでの気ではいなかったんです。
リアから異音がしててーってので話をしてるだけだったんですが、オーナーさんが自分で車高調にし、バネを換えーってのもやっててセッティングも決まりが悪いみたいでずっと悩んでいる感じ。
全体的に何かこれはありそうだなーってのもあり現車が見てみたくなって…
BKアクセラは自分が普段から携わっているBLアクセラの前モデルって事もあるし、BLは基本BK踏襲なので、更にその後のBMアクセラみたいに全然違う!ってのではないんです。
そんな話の中でどうせセッティングするならフロントのバネも換えてーーと、どんどん広がっていき今回の作業オフとなりました。
まず試乗させていただいて挙動のチェックをしましたが…トルクの出方がエグい下からある。
2000rpmも回ると加給し始めてて一気に蹴り出そうとしていく。
これ、コンピュータセッティングをロータリー屋のRSパンテーラ(佐藤商会)でやってるんですって。
あそこが!?なんでアクセラやってるんです?って聞けば、普段から乗ってるMPVを自分でセッティングやっててそれでL3エンジンが分かると…
ロータリー屋がマツダ車を足にしててそれの中でもMPVのL3ターボエンジンを…ってわけかーって合点がいきましたw
仕様自体は吸排気交換のスタンダードな範囲ですが、セッティングで味付けが変わってるのかBKがそうなのか分かりませんが、BLではあり得ない程のトルクステアが凄い。
当たり前にステアが持って行かれる、当たり前にフロントが空転しようとする。
雨の日のFCのリアってこんなだわ…ってくらい急激に滑ろうとしますね。

そんな感じなくらいにエンジンはグイグイ行こうとしているのに対して、足!!
雰囲気からしてやりたい事は見えるんだけど、だとしてもフロントはまるで入らないわ、リアがのそのそとしてフロントに着いていく気配すらないわで、ぜんっぜんエンジンと足が合ってない。
ステアの戻りの悪さ、インフォメーションの無さ、それでいてバネ交換しててそのバネ特有のツンツンした感じだけは妙にある。
うーん、これはそもそも運転してて楽しいって気持ちにはならないかな…
Kemeoさんはご家族での乗車が普段からあるのでハードセットは論外ですが、ある程度乗り心地的には許容がある様。
まず乗って思ったネガな部分を払拭して、今できる範囲でBK3Pたる足にした方がいいね。
ちょっと乗っても分かる車重の軽さ感あるし、これだったら本来はもっとキビキビした感じがあるはずだ。

早速、車高やら何やら測定をして、フロントから作業を始めていきます。
ここだけ見てるとほんっといつも通りだーー
離れて見れば違う車なのにこの風景はマジでいつも通り過ぎる。

同じではあるけど、こういうダイナミックダンパーが付いてたりするのはBKならではなんだけど。
スタビリンクのところのウェイトもあったりなかったり、アクセラは結構この辺がエンジンモデルで違うんだよね。
ホイールサイズ純正外だったり、車高調に換えちゃってる時点でこの辺の効果がどうなるのやらな気はしますが。
今現在はラルグスRSスプリング、10k/180mmのバネが装着されていました。
これ、同じ仕様を
過去にやってます。
なもんで、自分以外がこの組み合わせでやるとこうなるのか、というのも感じ取れました。
厳密に言えば車体違ったりとかはあるけど味付け感ね。

320mmのデカ純正ローターに隠れて見えてなかったんですが、スタビリンク長くね!?これ320mmじゃ!?って測ったらビンゴ。
車高を下げたらスタビリンクを換えるといいって聞いて…という、あるあるな話。
半端に情報が独り歩きしてて良くない例ですね。
そうじゃなくてー

そもそも純正から社外に換えた時点でスタビリンクが着く位置がもう変わってるんです。
ダンパーが生える位置(水色線)から見て、これだけ(緑色線)違うでしょ。
写真はエクゼのネジ式車高調だけど理屈は一緒で、フルタップの車高調は絶対にリンクの生える位置が構造上から純正より位置が低くなり、それで補整ヨシになってるんです。
なのにそれを大きく長さを長くするとなるとスタビの動きが緩慢になってしまいます。
試運転して妙に動きが合わないって感じたのはここもあったか…
説明書やらに特に指示がなければ純正のリンクを使う。
或いは車高調のメーカー側が設計拘ってたら(テイン、RSRとかは)専用のスタビリンクが付属しています。
ラルグスの場合だとリンクは付属せず純正リンクを使います。
聞けば純正はちゃんと持ってるそうなので、とりあえずその辺はまた後ですね。
今回はこれのままでセッティングまとめましょう。

おしゃべりし過ぎてぜんっぜん作業進んでなかったんですが、やっとフロント片方外しましたw
てか、これは?

なんだ???www
フロントダンパー各部採寸したんですけどね。
BL(のNA)とはまるで違いました。
ロッド長、ケース長、更には底キャップ部分が凸型してるしラベル見れば減衰力も違う。
ちなみに2025年新品購入の物。
日頃こういう現物を分解して測定してデータを集めさせてもらってるわけですが少なからず、ラルグス、ブリッツは同じ!なんてぜんっぜんないですよ。
知ってる範囲でもかなり違う。

ちなみに、ブラケット下から覗くとこんな感じ。
結局ブラケットの中は貫通だし、ネジ部で停まるからキャップエンド形状は関係ないですね。
これがあるから全下げした時に~とかはないです。

やっぱこう、やってるのは楽しいですねー
ブログタイトルで既にネタバレしてますが、今回使用するバネは326パワー(ミツルと読みます)のチャラバネです!
古くからのFC乗りならきっと概ねご存じ、かつて黄色いド派手FCのドリフトで魅せたあの春口 満さんのブランド。
D1でもドリフトしてた方ですが御自分のショップでオリジナル車高調やホイール、バネなど広くパーツ販売展開をしています。
中でも人気の高いバネである、チャラバネ。
チャラいバネ、って事なんでしょうがこれ少々
特徴がありまして。
(リンク先、326パワー公式サイトFAQチャラバネとマジバネの違い)
他、チャラバネの商品ページの最初の方では、
『チャラバネは下げ(縮み側)では高反発
上げ(伸び側)では低反発で双方の低速高速の減衰力を調整することにより、ガツンと止め低車高車の干渉部を回避する効果があります』
昨今増えてきた、こういう特性の味付けされたバネであるという事。
先週作業でもありました
HALの低反発バネに続き、今週も一癖あるバネです。
自分の中では、過去作業にあったラルグスSSスプリングを組んでセッティングした
BLFFW、フロント10k/160mm
BL3FW、フロント樽10k、リアストレート8k
BL5FW、フロント8k/180mm
から数えると3種類目のこういう一癖ある系バネで、今回の作業も大分楽しみでした。
いや縮みにくく伸びにくいバネって…バネレートの定義どうなってんの…ってもうこういうのは付けて乗るしか理解のしようがないのでww

バネ交換前に、標準の樹脂スラストシートが砂目詰まり酷かったのでメンテ。
というかバネで圧されて伸びているのかまるでスライドしてませんでしたのでヤスリ掛けしましたが効果無しw
盛大に削るとか時間掛けてやるくらいなら新調するか違うの組んだ方がいいですね…

バネ、チャラいですか?w
個人的にはピンクだのグリーンだの好きなんで、いいじゃん!って感じ。
車高調のセット値は元々の状態を踏まえて設定していきます。
減衰力はダンパー単体で手押し最強、真ん中、最弱と押して動きを見て、じゃこれで!と決定。
大体いつもこれで当たります。
やっても1段前後変えるくらい。
半分は勘なんですけど当たりますね。

アッパーのナットはスカートナットを流用されてました。
これ面白いよね。自分のアクセラでも使ってます。
物としては軸力安定させるって効果なんだけど、アクセラのストラットの穴ってボルト自体はM8なのに随分な穴サイズだからかワッシャ厚みあるのと合わせると妙にしっかりする。
ちゃんと固定できる、ってだけで剛性がどうのこうのーではないと思ってますが。
アナログのトルクレンチで締めると針の振れでよーくわかりますよ、ここのナットの違いは。
強化ナットが一番シャープに締まるけどもね。
車高調周りの設定値が決まったら勿論、いつもの1G締めも行います。

フロントロアアーム後ろ側の2本のボルト。
事前にいつものディーラーで整備書のコピーサービスを受けて調べておいたんですが、ここのボルトがBLとBKでは唯一トルク大きく違いました。
BKだと97.7~132.3NMとの事(メンバーが違うからかな?)なので普段通りだとオーバートルクになるところでした。
ちゃんと調べて良かった!
片方がデータできてしまえば、もう片方へ同じデータを移すだけなので早いです。
というかこの日はほんっとーーーうに寒かったのもあり動き悪かったのとシンプルおしゃべりだの脱線話だのが多くて…
ってそれもいつもの事ですけどもね!!w
ではリアに続きます。

これぞBKだ~~ってダンパーブラケットのところ。
写真じゃなくて現物初めて触ったけど、不思議な感じw
BLはこのダンパーブッシュを囲ってるのがそもそもでなくて、ボルト1本でそのまま串刺しですからね。
コストダウンなんだろうなーとは思います。
ここはストロークで斜めに振る構造なんだからアイブッシュ長くしてブラケットで囲って反対も支える様にしてた方がそりゃいいじゃんって思いますし。
じゃ、まずは緩めて…

何ですかこれは!!
アングルが違うから分かりづらいかもだけど…

これがNAモデルでのラルグス。
リアダンパーの赤いロックシートの隙間に注目ね。
で、これが今回のリアダンパーのロックシート。

ダンパー太くて(フロントと同じ)ロックシート外径がでかくて、しかもそのシートの位置がちょーーうどほんっとうにこれ以上にない作業性悪いところにある!!
っとにさーー
この手のを見ると毎度毎度、現車フィッティングをどういう感性でやってんのかって。
いや下手したらろくにやってない可能性、メーカー内規格で出来てる部品の組み合わせ都合でこうなっちゃってるって可能性も十分あるんだけど…

ナイトスポーツの車高調を見習ってくださいよ!!この、ブラケットが上側まで長く来てて文句なしの作業性!!
っていつも思うんだよねw

こんなにブラケットの長さ違うんだよ。
リアダンパーブラケット丈が短い理由が自分にはぜーんぜん分かりません。コスト絡み以外。
で、これどーすっかなーって感じだったけどそこはオーナーのKemeoさんが、ラルグス標準のレンチでこうしてーってコツを教えて下さって何とか!
ラルグス標準の薄いレンチで斜めに掛けたりなんかほんっとうにギリギリなやり方じゃないと入らないんだね。

リアロアアームのボルトとか、こんなに綺麗なの初めて見たよ…w
というのも、驚きなんだけどこのBKアクセラってそもそもで今現在未だ走行距離が3万キロ台。
程度が極上過ぎるんです。
脱着繰り返してるからボルト交換するか考えてるんですよねーって話でしたけど、いやいや、まだ大丈夫。
ここは錆びたり痩せたりがある部分ですけど、よほど作業ミスなければ今の程度なら大丈夫。

リアも車高セット値を変えました。
というのも、今現在が随分とリア下がりだったんですね。
冒頭の方の写真でもありましたが、

こんな感じ。
何か好みとか理由があってならば別なんですが、一先ずこちらの考えるセット値をやらせてもらいます。

リアダンパーの長さ調整はリア車高を基準にして作業するので、先にリアバネアジャスター調整→リアダンパー調整の順が絶対です。
狙うセット値はNAとターボでちょっとだけ違います。
とにかく出力の出方が急なのもあるので、リアはフロントの受け止め役になる面もあるんですね。
アクセルのオンオフの影響をいなすのがリアなんです。
なのでプリロード値はその動きも含めて考える必要があります。
セッティングってフロント単体、リア単体で考えずこの車ってどういう動き方をするの?ってのから見て行かないとなりません。
フロントの為にリアを変える、ってのもあるわけで。
それが出来てないとフロントだけで動く、リアがついてこない…そういうのになっていっちゃう。
BL用ラルグス車高調とはどうも何もかもが違ってて、リアストロークもこの通り!

ながーーいんです(0G、ジャッキアップ状態)
これいいよねーダンパー径あるしストロークあって、これは破綻しにくくて良いよ。
ただそれ故に標準バンプラバーはもはやただのお飾り状態なので、発展させてバンプラバー活用させたいってなるとあれこれ必要になってくるでしょうし、直巻きバネにしてハイレートになると厄介になってくる可能性もあるけど、今現在の吊るしバネとの相性で言えば良く伸び良く縮みだから良い。
インリフトしちゃうからね、短いと。
暴れやすい車ならここってセット値がとても重要。
調整前は車高設定値と相まってダンパー長が随分短くなってましたが、今回の調整で結構伸ばしました。
伸びてるんだけど、設定の都合でプリロードは前より増しになってます。
常に相互関係があるから、設定のピントがズレちゃうととことんダメになるのはこういうセパレート式の厄介なところ。
ウマから降ろす前に、BK3Pマツダスピードアクセラのみの補強を

パシャリと撮影。
腹下真ん中のブレースバーの違いはそこそこ知られてますけど、実はリアメンバーの補強があるんですよ。知ってました?
BLマツダスピードアクセラにはなくて、BKマツダスピードアクセラにはある。
BKと微妙にリアメンバーも違うから流用はどうなのかなーって思うけど、この辺もBKらしい挙動に一役買ってるはず。
セッティングは無事終了!
ただ、気になる点も今回はいくつか残りました…

・フロントスタビリンクが規定より長いものが装着されていた

・リアスタビリンクが1Gの状態で妙にかしげる(補正ワッシャ1枚元々入ってたけどそれが無い方が良い可能性もある)
そしてそもそも今回の作業オフにいたったきっかけである、リア左のコトコトという鈍めの異音…
この振動音の元になりそうな決定打が分解した範囲では見つからなかった。
時間も押し気味になってきてしまったので、すぐに試運転に出発です!
もうね、走り出してすぐに狙って入れた設定値通りの効果がバンバン出てて…BKも同じか!ってなった。マジで一安心。
まぁタイヤハウス顔突っ込んで作業してる分にはBLもBKもグレード差みたいなもんだなって感じてたけど、狙い通りに出せて良かった。
毎度毎度思うけど、遥々こちらまで来てもらってて、まぁこんなもんかーってのだけは避けたいんですが今回も個人的には笑っちゃうくらい激変だった。
まず、舵の入りがいい。
感触がリニアで、切ったら切った分リアごと車体が曲がっていく感じ。
これ自体は自分のセッティングでデフォで盛り込む事が多いですが、ちゃんとBKでも出せた。
反応が緩慢でその癖にツンツン突き上げてた感覚がほぼなくなり、フラットで剛体感がある。
前だけで曲がってたのをリアが押せ押せしてちゃんと曲がる。
バネレートなりに硬くなったところもあるけど、基本的にはかなり振幅は抑えられてるけどガツガツした感じはないから乗り心地悪くなったーとは思わないかな。
むしろ、例の如く路面の凹凸のいなしが断然いいんで、場合によっては乗り心地良くなったと感じる。
ガン!!とアクセル踏んで暴れ出しても修正がたやすく、フロントの手応えがかなり分かりやすいので怖くない。
ろくに踏めなかったのが前よりかは大分踏める様になったけど物理的にタイヤのグリップが足りておらず滑る傾向はそのままある。
勿論なんだけど、この辺においては危なくない様にを第一にしてるんで、リアが流れるだの飛ぶだのはぜんっぜん気配ないです。
フロントが先に、これ以上はきついよ!って言う感じになってるので。
でもフロントヘビーで曲がらないなんてのは一切なく、むしろBLよりも根本軽快で、普通に乗った感覚がBLFFWとかEFWとかと同じくらいの重さ感覚で、その癖にめちゃくちゃパワーがドカーン!とくるのは、もうズル過ぎるくらいに痛快。
BL世代にはないドライバーにダイレクトにぶつかってくる感じはこれがBK3Pか!って思えました。
なんていうか、毛色は違うけどBKもこの感じであれば別に問題なくセッティングやれますね。
いや、一応BLNAメインなんで今後もやるかはあれですけど…
今回も、非常に良い経験をさせてもらいました!
チャラバネの宣伝文句通りの縮み高反発伸び低反発の特性。
BKアクセラの車体、そしてそのマツダスピードモデルの圧倒感。
Kemeoさんはご自分でもあれこれいじって考えてが好きなタイプの方なので、今回のセット値をベースとしてまた楽しんでみてください!
おまけ。

FCでかつて使っていた直管デュアルを当てるの図。
ワンオフマフラーの構想をあれこれ喋っていたりもしましたww
ほーんと脱線が楽しくて時間掛かりましたが、また是非遊びに来てくださいね!
次回はリアダンパーもバラさせてくださいw