さてBUBBLE-Bとポリゴン太のDriving Pleasureクルーは先週末、台湾に行っておりまして、そこで現地の自動車事情に触れてきました。
あまり知られてないですが、台湾の自動車事情は興味深いのです。
台湾の独自ブランドはほとんど走ってなくて、トヨタ、日産、三菱、フォードが多く走ってます。
が!これらは輸入車ではなく、台湾にも自動車メーカーはいくつもあって、そこがOEM生産している、ある意味
台湾の「国産車」なんです。タクシーなんかは全部国産車。
(とはいえ、台湾で作ってるのは限定された車種のみです)
台北の街中を見た限りの印象ではそんな「国産車」が9割、輸入車が1割といった感じで、お金持ちや車好きの人が乗ってるであろうレクサスやベンツ、BMWやポルシェも結構走ってました。トヨタ86とかランエボ、シビックTypeRなんかも見ましたよ。韓国車もちょっとだけ走ってます。
ちなみに中国車は全く見かけません。
そんな台湾の自動車メーカーは、
「国瑞汽車」という所がトヨタのOEMで、
「裕隆汽車」という所が日産のOEMを生産しているのですが、裕隆汽車が日産のOEM生産を裕隆日産汽車として分社してから、2008年に新たに立ち上げた
台湾唯一のオリジナル自動車ブランドが「ラクスジェン」というわけです。
これまで、台湾のオリジナルの自動車はちょっとだけあったのですが、技術力はともかく、「オリジナルの何かを創りだしてブランド力を培っていく」ということが伝統的に苦手なお国柄のせいか、自国内ですらほとんど陽の目を見ることは無かったようです。
でもここ4~5年くらい、台湾発のオリジナルブランドで世界的なメーカーが続々出てきてます。
自転車の
GIANT、スマホの
htc、PCの
ASUS。シャープを買収した
鴻海ことフォックスコンはiPhone、iPodの生産を行なってます。ITのハードウエア分野は世界的なメーカー多いですね。韓国とともに勢いのあるアジアのIT立国として攻めてます。
で、自動車はどうか?というと、そう簡単にはいかないようなのですが、果敢にもプレミアムブランドを立ち上げたわけですね。
これまで日産の車を製造してきて培った技術力、日産・ルノーのアライアンスがあってルノーから調達できたルノー・エスパスのシャシー、ご自慢の国内ITメーカーであるhtc製のナビゲーションシステムなど、持てる材料を総動員して、日本やヨーロッパのプレミアム車種を研究し尽くして作られた台湾初のプレミアムブランド。
今回は台北にて、そんな
「ラクスジェン」のディーラーに潜入してきました。
台湾のディーラーの佇まいは日本とほぼ同じ。
外にはのぼりや横断幕で「低金利ローン」的なことが掲げてあります。
ショールームの中には最新の車がピカピカで展示されています。
これがラクスジェンの2011年モデル、「
ラクスジェン5セダン」。
アジアの新興メーカーの車を見ると、つい「○○に似ている」とアラ探しをしてしまうものですが、それは野暮というもの。とはいえ、このセダンに強烈なデザイン上の個性は無いけれど、バランスよくまとまっていると思います。
これ、見かけよりも結構大きくて、ビッグセダンに入ります。
内装はアルミ調のメッキパーツの使用と、革シートで、なかなかのゴージャス感を出しているようです。
でもプレミアムと銘打つなら、全体的にちょっと地味でどこかチープさが残ってるかも。もうちょっと印象に残る何かが欲しいですかね。
あと、リアのドアが軽すぎてびっくりしました。
このナビと合体したシステムが、htc製の「THINK+」というもの。台湾メーカーで固めるあたりニクい。
ラゲッジスペースはかなり広いです。
I AM THE FUTUREというキャッチコピーが目を引きます。私は未来!!
ラクスジェンは2013年1月現在、3車種をラインナップしてます。出た順に、
Luxgen7 MPV(ミニバン)、
Luxgen7 SUV(SUV)、
Luxgen5 SEDAN(セダン)という感じ。
台湾の街中で一番見るのが、Luxgen7 SUVです。
ポルシェ・カイエンやアウディ・Q7あたりをベンチマークしてそうなフロントマスクではありますが、値段は日本円にして300万弱ということで、大変手頃だったりします。
フロントマスクは正直ブサイクだと思うんですけど、リアはなかなかです。特にテールランプを光らせた時などは良い感じだと思いました。
このLuxgen7 SUVは街中でも何台も見かけたし、TVCMもたくさんやってました。なかなか人気があるようです。
シャシーはルノー・エスパスのものと共通なので、
フランス車の従兄弟ということになります。2.2Lのターボエンジンを積んで1900kgの車体を動かしてます。
ごく普通なメーター類。内装も派手さはあまり無いですね。でもシートはしっかりしていました。
総評として、台湾メーカーが気合入れて作った、台湾発のプレミアムブランドの処女作としては、なかなか良く出来てると思います。
今回、国際免許が無いので試乗出来なかった(出来ても台北の街中は怖い…)のが残念ではありますが、デザインのトレンドもそこそこ押さえているように思えました。
次はエンジンの環境性能とか、ホットモデルなどがあるといいかなぁ、って思います。2シーターのロードスターなんかもラインナップしてほしいところですね。
ラクスジェンが日本に入ってくることは当分無さそうですが、台湾に行った時は走ってる車にちょっと目を向けてみると楽しいですよ。
営業さんは好対応でした。いいね!
ここで何人の人が購入契約書にサインしていったのかな…
やはりどこの国も、車を買うということは一つの記念になるものなんですね。
良い笑顔の家族写真がいっぱいありました。
この模様は次回配信のポッドキャスト「
BUBBLE-B・ポリゴン太のDriving Pleasure」でトークしていますので、よければ下記バナーをiTunesにドロップして登録してください! (配信されたらiTunesに自動的にダウンロードされます)
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Posted at
2013/01/16 16:26:06