
信号のない横断歩道には、横断歩道の標識と、道路上の路面標示(白いペイント等)が必ずセットであるものだと思っていました。
信号機がある横断歩道では、横断歩道の標識は普通は省略されています。
押しボタン信号機や黄/赤点滅信号機の交差点のところにある横断歩道も通常は横断歩道の標識がありません。一部には押しボタン信号機と横断歩道の標識が併設されているところもありますが、ごく少数です。
近所では最近、信号機のない横断歩道に押しボタン信号機が設置され、それと同時に横断歩道の標識と、路面の予告マーク(◇マーク)が撤去されました。

横断歩道の標識
栃木県内、舗装路に設置された信号のない横断歩道では、どこでも、横断歩道の標識と路面標示が両方あると思っていたのですが、そうではないケースを見かけました。
8月20日(日)、宇都宮から那須塩原に出かけたときのことでした。
栃木県那須塩原市内、国道4号線を北上し、県道303号線に入って少し行った所にある丁字路。通過したときに、横断歩道(信号無し)があったので周囲を見ると普通あるはずの標識がありませんでした!
https://twitter.com/tmr38z/status/899384407588352000
交差点には横断歩道の標識はありません。信号のない横断歩道はあります。
(横断歩道予告の◇マークもありません。)

横断歩道を反対側から見ても、こちらにも横断歩道の標識はありません。
場所はこちら。
栃木県内、国道4号線を北上し、県道303号線に入って少し行ったところの丁字路。
調べてみると、いくつかの資料で、
信号のない横断歩道では、横断歩道の道路標識と路面標示の両方が必要との記載がありました。
ただし、路面標示については未舗装路では無くてもよい場合があるようです。
【資料 その1】
https://www.kictec.co.jp/varieties-road-sign/line-mark.php/
道路標識や路面標示の会社、株式会社キクテックのホームページ
「道路標識何でもコーナー」>「道路標識と道路標示との関係」より (太字化はとまるん編集)
--------------------------------------------------
道路標識、標示の設置は、交通規制の種別に応じ、
①道路標識と道路標示の双方が定められているもの
②道路標識のみが定められているもの
③道路標示のみが定められているもの
がある。
このうち、①に該当する交通規制を行う場合については、原則として道路標識、道路標示のいずれか一方の設置があれば、交通規制の効力に関する形式的な要件 は充足されるものであるが、交通規制の実効を確保するため、交通規制の種別及び道路又は交通の状況により必要がある場合は、道路標識と道路標示を併設する こととし、その設置の区分はおおむね下記の表に示すところによるものとされている。
なお、
横断歩道又は自転車横断帯を設置する場合(横断歩道等を設けようとする場所に信号機が設置されている場合及び非舗装道路、積雪等のため、道路標示 の設置又は管理が困難である場合を除く。)及び島状の施設によらないで安全地帯を設ける場合は、
道路標識及び道路標示の双方を設置することが法令上要件と されている。
--------------------------------------------------
上のリンク先には一覧表があり、「横断歩道」で、「信号機未設置箇所」では、「道路標示及び道路標識の双方を設置」することが、「法令上要件として双方の設置が必要」であることが示されています。
表の一部を抜粋したものがこちらです。
【資料 その2】
http://www.jste.or.jp/toptoe/hb/cp/p164.pdf
これは、(一社)交通工学研究会 の
「道路交通技術必携」から「道路交通技術必携2007」へ
変 更 点 対 照 表 ver. 7.0 (070806時点)
http://www.jste.or.jp/toptoe/hb/cp/
にある、
(旧)第5編 交通の管理と運用
⇒ p164_5編_3.2節 です。
それによると、「道路交通技術必携2007」の記述として次のように書いてあることが分かります。 (太字化はとまるん編集)
--------------------------------------------------
規制・指示の種類によって,道路標識・道路標示の両方が定められているもの
と,どちらか一方しか定められていないものがある.前者には,
道路標識と道路
標示の両方の設置が交通規制の効力発生の要件とされているもの(信号機の設置
していない交差点での横断歩道、自転車横断帯の設置)もあれば,必要に応じ,
どちらか一方を設置すれば足りるものもある.

--------------------------------------------------
「信号機の設置していない交差点での横断歩道、自転車横断帯の設置」では「道路標識と道路
標示の両方の設置が交通規制の効力発生の要件とされている」ということです。
【資料 その3】
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/police/reiki/42390910000600000000/42390910000600000000/42390910000600000000.html
栃木県ではなく、宮崎県での内容ですが、参考にはなると思います。
○交通規制基準の制定について(例規通達)
平成23年2月21日例規第6号
--------------------------------------------------
第3章 道路標識等設置・管理基準総則
第2 道路標識及び道路標示の設置区分
道路標識等の様式は、交通規制の種類に応じ、
① 道路標識及び道路標示の双方が定められているもの
② 道路標識のみが定められているもの
③ 道路標示のみが定められているもの
がある。
このうち、①に該当する交通規制については、横断歩道又は自転車横断帯(以下「横断歩道等」という。)を設置する場合(横断歩道等を設けようとする場所に信号機が設置されている場合及び非舗装道路、積雪等のため、道路標示の設置又は管理が困難である場合を除く。)は令第1条の2第3項の規定により、また、島状の施設によらないで安全地帯を設ける場合は法第2条第1項第6号の規定により、道路標識及び道路標示の双方を設置することが要件とされ、それ以外の場合は、道路標識又は道路標示のいずれか一方の設置があれば、交通規制の効力に関する形式的な要件は充足されるものであるが、交通規制の実効を確保するため、次の表に示すところにより必要に応じて道路標識及び道路標示を併設するものとする。
--------------------------------------------------
※表は横断歩道、自転車横断帯の部分のみ抜粋
【資料 その4】
https://www.pref.ibaraki.jp/kenkei/a05_introduction/release/pdf/kunrei_koutsu/cc26-tk48.pdf
茨城県の例。
平成26年8月29日付 通達甲規制第48号
「交通規制基準の制定について」
同じようなことが書いてあり、同じような表があります。
このように見てみると、那須塩原にあるこの「横断歩道の標識が無い」「信号のない横断歩道」には、やはり、横断歩道の標識が必要なのではないかと思えてきます。
実際のところ、どうなのでしょう?
ブログ一覧 |
信号のない横断歩道を考える | 日記
Posted at
2017/08/23 01:33:32