こんにちは/こんばんは。
守ります。横断歩道の歩行者優先、
とまるん です。
栃木県は2018年、全国都道府県の中で最も横断歩道の歩行者優先が守られない県、
信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止率全国ワーストとして有名(?)になりました。
その停止率はわずか 0.9%。(全国平均 8.6%)
それから「脱!止まってくれない栃木県」として周知啓発を行い、
翌年2019年の調査では停止率は 13.2%、全国29位に大幅向上。(全国平均 17.1%)
そして、2020年。今年は平均を超えるか、順位もさらに良くなるか?!
と期待していましたが、停止率は 14.2%とわずか1ポイントの上昇にとどまり、
順位は全国36位と下がってしまいました。(全国平均 21.3%)
昨年、停止率3.4%で全国ワーストだった三重県は、今年なんと27.1%!!
全国平均を超える停止率となっています。
停止率が全国平均に及ばないところで低迷し、順位も下がってしまった栃木県、
ここで秘密兵器を投入しました!!!
https://www.sankei.com/photo/daily/news/201028/dly2010280009-n1.html より
産経フォト サッと見ニュース 2020.10.28のニュース
「横断歩道、止まってね」 マイメロ、栃木で車にPR
信号のない横断歩道での歩行者優先を呼び掛けるため、栃木県警はサンリオの人気キャラクター「マイメロディ」をアンバサダー(大使)に起用、28日に委嘱式を行った。一時停止率の低さから県警が展開している「止まってくれない栃木県からの脱却」運動の一環。県警によると、サンリオのキャラクターと警察がコラボするのは全国で初めてという。
県庁前の広場で開かれた式典で県警の吉田英生交通部長が委嘱状を手渡すと、マイメロディはガッツポーズで意気込みを見せた。終了後には小学4年生らと手を上げて横断歩道を渡る手順を確認した。11月から1年間イベントなどに登場する。
吉田部長は「『おねがい止まってとちぎ県』と発信してもらい、これを聞いた子どもたちから大人世代に一時停止を呼び掛けてほしい」と力を込めた。
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2018年からこれまでの周知啓発で停止率は0.9%→13.2%→14.2%と推移し、安全運転に関心があり「横断歩道の歩行者優先」を理解している人は止まるようになったと思います。
しかし、横断歩道で待っている歩行者に目もくれず通過するドライバーも多くいます。
今回の「マイメロディ」とコラボしての周知啓発で、これまで関心が低かった層にも届くことでしょう。
これまで栃木県では、子供たちは「車が通過してから渡りましょう」と教えられていて、子供たちは大人になるまで横断歩道は歩行者優先であることを知らないのが普通でした。
そうすると車優先意識が刷り込まれてしまい、横断歩道で歩行者が渡ろうと待っていても平気で通過するドライバーになってしまいがちです。
今回の周知啓発は、子供たちが「信号のない横断歩道で車が止まるのが正しい」ということを知る機会になることでしょう。
また、子供を通じて周りの大人に「横断歩道の歩行者優先」が広まると共に、子供たち自身も将来「止まれるドライバー」になることが期待できます。
こちらは啓発チラシ。表も裏もいいですね。
裏面の説明も素晴らしいです。
歩行者は渡る気持ちをしっかり持って渡る意思表示をしてほしいと思いますが、
『歩行者が手をあげなくても ちゃんと 止まってね』ということも大事です。
手を上げていないから止まらなくてもいい、なんて言い訳を許してはいけません。
こちらに動画もありました。
YouTube 下野新聞チャンネル
「止まってくれない栃木県」脱却へ マイメロディがお願い
https://youtu.be/fITRm75xeXc
「止まってくれない栃木県からの脱却」アンバサダーになったマイメロディが子供たちと横断歩道を渡ります。
ちょっと気になったのが、渡り終わった後、車にお礼(お辞儀)をさせていること。
某弁護士さんが言っていました。
https://twitter.com/le_kamaboko/status/1321465569573441536?s=20
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『車も横断歩道で止まるから、歩行者も手を挙げて会釈しよう』
という一見中立的で「ものわかりの良い」意見には要注意ですね。
犯罪防止に有効だからといって、それをすることが正しいかは別の話。
そういう甘えた話に乗ったら最後、無条件で守られるべきルールが、謎のお互い様論に格下げされます。
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歩行者は、自動車が止まることを前提に淡々と渡る方が、結果的にスムーズで「お互い気持ちいい」交通環境になりますね。
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横断歩道の交通ルール(歩行者優先)と一緒に歩行者のお礼(お辞儀)を教える教育は、歩行者のお礼がないと不満を感じるドライバーを生み出してしまいます。それではいけません。
歩行者のお礼があろうが無かろうが、粛々と止まれるドライバーであってほしいと思います。
横断歩道での歩行者優先、車の一時停止。
歩行者のお礼が刷り込まれてしまった人にとっては、
歩行者のお礼がないと「止まってあげたのに・・・」と不満の感情を持つのは普通かもしれません。
しかし、こう考えてはどうでしょう?
電車の乗り降りのとき、降りる人が先で、乗る人は降りる人が降りるのを待ってから乗ります。
この時、降りる人は、待っている乗る人に「待っていてくれてありがとう」とわざわざ言いません。
待っている乗る人も、それを期待しません。当たり前に待ちます。普通は。
降りる人が先という順番を守って待つことに対して、相手のお礼を求めない。
横断歩道も同様。
車が止まって待ち、歩行者が先に渡るという順番を守っての車の停止。
交通ルールに定められた「歩行者が先」という順番を守っての停止に、相手(歩行者)のお礼はいりません。
歩行者にお礼(お辞儀)をされた方が気持ちいい、という人もいるでしょう。
しかし、歩行者にそれを求めるのは「強者への礼儀」を強要するものではないでしょうか?
車側が求めるのは、交通強者のおごりと言えるでしょう。
歩行者が「車がわざわざ止まってくれて申し訳ない」と思う気持ちは、
横断歩道を走って渡ってしまうことにつながり、
それは周囲の安全を十分確認せずに渡る危険な横断の元になります。
また、早く渡れないお年寄り等が横断をあきらめて車を先に行かせる元にもなってしまいます。
歩行者が横断歩道を安心して堂々と渡れる、車のドライバーもそれを穏やかに見守れる、人優先の交通安全思想に基づく交通風土が醸成されてほしいものです。
そのためにも、まず子供のうちから信号のない横断歩道は歩行者優先、車には減速義務と歩行者優先義務(停止義務)があることを知ってもらうことは必要です。
今回のマイメロディとのコラボ施策が横断歩道の歩行者優先の徹底、停止率アップにつながることを期待します。