
横断歩道の歩行者優先は
道路交通法第38条に定められた交通ルールです。
信号のない横断歩道では、信号がないからこそ、
常に歩行者の横断が優先です。
横断歩道に近づくとき、渡ろうとする歩行者がいないことが明らかでない限り、車は横断歩道の手前で停止できる速度で進行しなければならず、
横断歩道を渡ろうとする歩行者がいたら、車は停止して歩行者の横断を妨げないようにしなければいけません。
それが交通ルール。
しかし、
交通ルールがあっても、それが守られなければ意味がありません。
交通ルールがあり、人々にその交通ルールを守ろうとする気持ちがあって、(かつ、実際にその交通ルールを守る行動をして、)
その交通ルールに定められた交通の状態が実現されます。
交通ルールの正しい理解は当然必要ですが、
それだけでなく、その交通ルールを守って行動しようとする気持ちもなければ交通ルールが実態に反映されません。
交通ルールを守るココロ、交通マナー。
車のドライバーがどのような運転行動を選択するかは、個々の価値観、社会の風潮や慣習、取り締まりや罰則などの強制力などに影響されるものです。
教育による価値観の醸成、啓発による風潮の改善、取り締まりによる悪しき慣習の根絶、やり方はいろいろあり、それらを組み合わせていくことがよりよい交通社会にしていくうえで大切です。
横断歩道の交通ルールが守られる交通社会にむけて、車のドライバーが横断歩道の歩行者優先という交通ルールを守るココロを持つようになること、そのために必要なことは何か?自分たちにできることは何か?
信号のない横断歩道の交通ルール(道路交通法第38条)、そこに定められた歩行者優先。
交通ルールの説明・周知だけではなく、それを守る気持ちを呼び起こす(動機づけとなる)啓蒙・啓発が必要とされています。
そのような中、栃木県宇都宮市では、
交通ルールを守るココロ(交通マナー)を含む、大人のモラルの向上を子どもの目線を通じてその保護者たち・大人へ訴えかける試みが行われています。
栃木県 宇都宮市
大人のモラル向上プロジェクト 啓発紙「コドモのメセン」
http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/shogaigakushu/1012998.html
(宇都宮市ウェブサイト 大人のモラル向上プロジェクト 啓発紙「コドモのメセン」 ページより)
市内の小学生の目に映る大人の行動。
何気なく、無意識で行動している大人の日常の姿は、小学生の目にはどのように映っているのでしょうか?
大人の予想を超えた小学生の目線の素朴さと鋭さに「ハッ!」としたり、ちょっとした反省をしてしまったりするかもしれません。自分を見つめなおす機会にいかがでしょうか?
その啓発紙「コドモのメセン」には8つのエピソードが掲載されており、
その最初のエピソードがこちら、信号機のない横断歩道に関するものです。
信号機のない横断歩道を渡ろうと待っていたら車が全然止まってくれません。
ここに歩行者がいるのに…。
宇都宮市内、信号のない横断歩道でこちらが止まっても対向車線をミニバンが止まらずに歩行者がなかなか渡れないという場面をよく見かけます。
① ② ③
このような子供を通じた啓発により、横断歩道の歩行者優先を意識する大人(ドライバー)が増え、信号の横断歩道で止まれる車が多くなるかもしれません。
また、将来のドライバーとなる子供たちに横断歩道は歩行者優先という概念を知ってもらう機会にもなると思います。
内容は概ね良かったのですが、大人代表のコメントでは少々物足りなさを感じました。
「急いでいる時こそ、まわりへのちょっとした心配りが大切だと気づきました。
優先すべきは自分じゃなかったよね。」
というよりは、、
「急いでいても、横断歩道は歩行者優先。 車に乗って自分優先だと勘違いしていたけど、
優先すべきは自分じゃなかったよね。」
などと言ってほしかったです。
横断歩道における歩行者優先という交通ルールよりも、車という物理的に強い交通強者の立場をいいことに本来優先して渡れる歩行者よりも自分中心の運転行動をしていることが問題なんですよ。
とはいうものの、信号のない横断歩道に無関心なドライバーが多い中、
このような宇都宮市における信号のない横断歩道の歩行者優先に関する周知啓発は大変良いことだと思います。
宇都宮市役所の中にも、信号のない横断歩道の現状に問題意識を持ち、
状況を改善していきたいという志のある方がいるということを大変うれしく思います。
【信号のない横断歩道】 停まる 愉快だ 宇都宮 2
https://youtu.be/kvv9AGJrTjg
Posted at 2017/01/08 16:12:40 | |
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信号のない横断歩道を考える | 日記