
こんにちは/こんばんは。
守ります。横断歩道の歩行者優先。
とまるん です。
平成30年11月22日(木)~28日(水)の1週間は、
「
全国一斉の信号機のない横断歩道における歩行者優先等を徹底するための広報啓発強化期間」
でした。
全国の本広報啓発活動に携わった皆さま、おつかれさまでした。
また、栃木県においては、
平成30年11月26日(月)~28日(水)の3日間は、
「
『止まってくれない!栃木県』からの脱却を目指す日」
として、県内全域で大規模な広報活動と取り締まりを行うと報じられていました。
「『止まってくれない!栃木県』からの脱却を目指す日」活動に携わった皆さま、おつかれさまでした。
これまで、信号のない横断歩道の歩行者優先について、このような大がかりな周知啓発キャンペーンはありませんでした。
信号のない横断歩道で車が止まらず歩行者が渡れない問題について、その状況を改善していく大きな一歩だと思います。
ここで、
栃木県における、この度の信号のない横断歩道(信号機のない横断歩道)の周知啓発・取締りについて良かったところ、惜しかったところを振り返ってみたいと思います。
まず、
良かったところ。
チラシが良かったです。
栃木県警察が今回作成したチラシがこちらです。
2ページ(表・裏)構成となっています。
1ページ目(表)は、目を引くデザインとなっています。
『止まっていますか?「横断歩道」』というタイトルと、「違反です」というキーワード、
栃木県のマスコットキャラクター とちまるくん、
(歩行者が渡ろうとしている)「信号機のない横断歩道」の車の一時停止率 全国ワースト栃木県0.9%
が書かれています。
また、おじいさんと女の子が信号のない横断歩道で渡ろうとしていますが、車が止まらず渡れません。
2ページ目(裏)は、横断歩道の交通ルール(運転方法)が説明されています。
次のような重要なポイントが説明されています。わかりやすくていいですね!
・横断歩道は歩行者優先です。
・横断歩道に近づくとき、歩行者がいないことが明らかな場合を除いて、減速義務があること、
・横断中または横断しようとする歩行者がいるときは停止して、通行を妨げないようにしなければならない。
・これに違反すると、「横断歩行者等妨害等違反」 違反点2点。
・◇はこの先に横断歩道があることを知らせる道路標示です。
イラストでも、横断歩道に近づくときの(歩行者がいないことが明らかでない場合の)減速義務、横断中または横断しようとする歩行者がいるときの歩行者優先義務が説明されています。
また、1ページ目(表)で車が止まれず渡れなかったおじいさんと女の子が、この2ページ目(裏)では車が止まり、渡っています。
さらに良いのは、歩行者がお礼をしていない点。 これは素晴らしいですね。
一般にお礼をされるとうれしいものです。
信号のない横断歩道で車が止まり、歩行者がお礼をして渡るのは一見よいことのように見えるかもしれません。
しかし、横断歩道における歩行者のお礼は車優先意識(車上位意識)を助長するものであり、ただでは止まれない車のドライバー、歩行者のお礼無しでは不満を感じるドライバーを一層増やすことにつながりかねません。
渡ろうとする歩行者がいる信号のない横断歩道で交通ルールどおりに止まった車は、(感応式信号機がある交差点などの)赤信号で止まるのと同じです。
交通ルール通りに『赤信号』で止まった側が、『青信号』で通行する側にお礼を求めるのは、おかしな話です。
もし、『赤信号』で止まった側が、『青信号』で通行する側に、「わざわざ止まってやったのだから」と、お礼を求めたり、申し訳なさそうにして通行することを求めたりするとしたら、交通強者の立場による驕りや強いものが偉いという気持ちが心に潜んでいるのではないでしょうか。
ですから、車側が歩行者にお礼を要求する・期待するような広報活動はすべきではありません。
このチラシでは、歩行者はお礼をすることなく普通に歩いて渡っています。良いことです。
栃木県警察本部の中の人の見識の高さがこのチラシからうかがい知ることができます。
次に、
惜しかったところ。
今回の栃木県内における周知啓発・取締りについては、
その期間と取締り数において、物足りなさを感じざるを得ません。
一つ目は、
期間について
全国一斉の広報啓発強化期間は、
週末をまたぐ11月22日(木)~28日(水)の1週間でした。
しかし、
栃木県の県内全域で大規模な広報活動と取り締まりを行うと報じられていた「『止まってくれない!栃木県』からの脱却を目指す日」は、
平日11月26日(月)~28日(水)の3日間。
日数として、全国の1週間の半分以下の3日間。 しかも週末は無し、平日のみでした。
週末に運転するドライバーへの訴求ができなかったのはもったいないことでした。
日数もわずか3日間というのも短い気がします。全国一斉の期間に合わせて1週間きっちりと広報啓発活動をしてほしかったところです。
二つ目は、
取締り数(検挙数)について
栃木県内では、この活動の3日間で、横断する歩行者を妨害した違反などで取締りも行い、74件を検挙したということです。
栃木 NEWS WEB 宇都宮放送局 トップ
「歩行者に優しい運転」呼びかけ
11月28日 17時25分
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20181128/1090003327.html
栃木県の9月までの検挙数が202件でしたので、3日間でこれまでの3か月分以上の検挙をしたという計算になります。
栃木県のこれまでと比較すると、頑張って取締りをしたといえるかもしれません。
ここで他の都道府県の横断歩道での取締り状況を見てみましょう。
この11月の広報啓発活動のものではありませんが、次のようなデータがあります。
今年5月までの5か月間で、横断歩道で歩行者らを妨害したなどとして検挙した件数は、
愛知県警 1万6942件
静岡県警 7725件
兵庫県警 7544件
警視庁(東京) 7190件
朝日新聞デジタル
路側広げて横断歩道短く 歩行者保護で試み 愛知県警
2018年7月17日12時26分
https://www.asahi.com/articles/ASL7936PBL79OIPE003.htm

短期間の例でいうと、今年1月に兵庫県警が行った取締り、
1月16日~31日の16日間で、摘発件数が1668件。 (1日あたり100件以上のペース)
>神戸新聞 兵庫県内
信号ない横断歩道 一時停止違反1668件摘発 県警
2018/2/2 06:25 神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/0010949655.shtml
これらと比較すると、栃木県で行われた
「『止まってくれない!栃木県』からの脱却を目指す日」の3日間で74件というのは、
少なく感じます。
停止率ワーストの栃木県、『止まってくれない!栃木県』からの脱却を目指すのであれば、
愛知に負けないくらいの横断歩行者等妨害等違反の取締り(年間2~3万件レベル)を行ってほしいところです。
やればできるはずです。
頑張ってほしいと思います。