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midnightbluelynxのブログ一覧

2021年05月31日 イイね!

輻輳

輻輳 全国紙・朝日新聞が運営するニュースサイト「朝日新聞DIGITAL」の鉄道関連コンテンツ”テツの広場”配信記事から『福島駅の新幹線「渋滞」解消へ 東日本全体の運行に影響』に注目。 


 天下の朝日新聞をして、極めて拙劣なタイトルである。
 そもそも鉄道業界において、「渋滞」なる語を使う場面に遭遇することがない。
 緻密に設定されたダイヤに従って運行している限りにおいて、列車間隔が信号システムの限界にまで狭まることはあっても、道路交通における「渋滞」のような事象は発生し得ない。
 よって福島駅における分割・併合・緩急接続が、幾らトリッキーであろうとも、平常時に「解消されるべき渋滞」など発生していない。

 しかも記事中の「渋滞」と同じ意味合いで「混雑」という別の語が用いられている。
 「渋滞」なる語の妥当性をさておくとして、統一したほうが読み下しやすい。


 あくまでダイヤ乱れなど異常発生時に、福島駅における複雑な列車運行が原因となって、更なる列車遅延(=記事中で言う「渋滞」)を拡大させるリスクを解消するための工事である。
 非常に混み合っている状態を意味し、その結果として混乱や事故が生じかねない状態を表現するに最適な語として、「渋滞」に代わり「輻輳」を挙げたいが、如何だろうか。

 朝日記者には、記事執筆の基本に立ち返りつつ、鉄道技術分野の用語を正しく選択してもらいたい。



 弊ブログでも、福島駅における東北・山形新幹線接続の複雑さ・困難さをかねてより指摘しており、漸く解消に着手したことは非常に喜ばしい。

 しかし現場は、地上に東北本線・奥羽本線・福島交通線、空中にそれらをオーヴァーパスする県道の跨線橋と、更に東北新幹線の高架橋が横たわる。

 福島駅における新幹線列車以上に輻輳する既存施設とのクリアランスを確保し、新たな線路を通すのは、針の穴を通すような繊細さで、複雑な曲線を描く巨大な土木構造物を築造するプロセスに他ならない。
 記事中で、精密な3D図面を作成したとあるので、列車運行に差支えないよう注意しつつ、ドローンを飛ばして点群データを取得し、仮想空間上にアプローチ線新設現場を再現、導入空間を検討していったものと想像する。

 これからも施工計画・安全管理に相当な苦労が伴うものと予想されるが、竣工まで折に触れて状況を確認していきたいと思う。

Posted at 2021/05/31 23:16:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道 | 日記
2021年05月30日 イイね!

詐欺

詐欺 有力ビジネス誌「プレジデント」が運営する情報サイト「PresidentOnline」の配信コンテンツから『塾講師が「志望校はどこか」と両親に聞くのは、詐欺の手口と同じである』に失笑す。

 ところで、以下の各文をお読みになり、共感されるものが幾つあるだろうか。

〇取引先が「幾らなら売りますか」と聞くのは、取込詐欺の手口と同じである
〇婚約者が「入籍日はいつがいいか」と聞くのは、結婚詐欺の手口と同じである
〇求職者が「求める人材の理想像は」と聞くのは、経歴詐欺の手口と同じである
〇コンサルタントが「御社が目指すところは」と聞くのは、経済詐欺の手口と同じである

 私はゼロである。
 塾講師の経験があり結婚もし就職活動を経て、現在はコンサルタント勤務をするなかで、取引先とのネゴシエイトをすることもある
 その全ての局面で、私は詐欺師と同じことをやらかしていたのだろうか。

 逆だろう。
 善良な職業人・市民の話法を、詐欺師が真似しているだけのことだ。

 結婚詐欺を例にとれば、途中までのプロセスは実際に幸福な家庭を築くカップルと何ら変わるところが無い。
 最後の最後で、一切合切を持ち去ってドロンするところが違うだけだ。

 目を引くタイトルを設定したいばかりに、主客を逆にするような主張をするでない。

 

 我が来し方を振り返れば、正式に社会人になる前に世の中を学ばせてもらった塾講師の経験と、現在のコンサルタント業が、密にリンクしている。
 塾講師たるもの「五者たれ」と学び、それを実践してきた。
 五者とは、学者・医者・易者・役者・芸者である。

 他を圧倒する情報量(学者)で、適切な診断を下し(医者)、時に希望的な予想を交え(易者)ながら、生徒にやる気を起こさせ(役者)つつ、保護者の満足度を上げる(芸者)のが、その役目だ。
 塾講師も広い意味でコンサルタント業に抱合されるので、現在の仕事においては生徒・保護者が一体化して「クライアント」になった以外は、全く変わっていない。

 もし「学者・医者」のレヴェルがダウンし、「易者・役者・芸者」の占める部分が際限なく膨張していったとしたら、確かに胡散臭い商売と思われるかもしれず(笑)、それは私も否定できない。
 それでも顧客と綿密に対話し、成果を収めることができたら、仮に詐欺師と同じ手口を踏んでいたとしても、それは詐欺になり得ない。

 あたかも塾講師やコンサルタントが詐欺師であるかのように読めるタイトルを附した点を、執筆した多田某およびプレジデント編集部は猛省し、謝罪・訂正すべきだ。


 ただ、冒頭記事で指摘している「対立概念」そのものは、私も納得するところである。
 「対立概念」を上手く利用した例として最も適切なのは、小泉政権以降の自民党であろう。
 「郵政改革」に対する「守旧派」、「悪夢の民主党政権」に対する「実行力の自民党政権」などが挙げられるか。
 「悪夢の民主党政権」を生んでしまったのは、その前の自民党政権の失政があったからで、政治的責任の半分は現在の政権与党が負うべきだという視点が、完全に欠落している。
 その意味において、現在の政権与党は十分に「詐欺的」であると私は考えている。


 多田某よ。
 市井の職業人を論って「詐欺師の手口と同じ」などと、無礼千万かつケチ臭い文章を書くな。
 謝罪・修正に際しては、『首相が「悪夢の民主党政権に戻りたいですか」と有権者に聞くのは、詐欺師の手口と同じである」とするのはどうか。
 貴兄よりも、よほど事象を正確かつ適切に捉えていると思うのだが。


Posted at 2021/05/30 23:48:23 | コメント(1) | トラックバック(0) | オピニオン | 日記
2021年05月29日 イイね!

継接

継接 在京キー局・TBSが運営するニュース動画サイト「TBS NEWS」の配信コンテンツから『ビニールシートなどの空間遮蔽 換気不十分だと効果薄い可能性』に注目。

 飛沫感染防止の為に設置したビニルシートが原因で、感染クラスターが発生することを実験で証明したとの報。
 冷静になって考えてみれば、オフィスや商業施設においては、一定時間内で全ての空気を入れ替えられるように空調を設計しており、そこへ後付けで遮蔽物を置けば空気が滞留してしまうのは明らかだ。

 空調の設計に際して想定した条件・環境を、専門家ではない利用者が大幅に変更し、継ぎ接ぎで感染症対策を講じた結果が、全くの逆効果を生む。
 まさに「生兵法」で生じた大怪我である。

 
 ビニルシートについては、飛沫として漂うウィルスを遮蔽できたとしても、ビニルシートに付着したウィルスが長時間感染力を保っている可能性があり、不用意に触れば遮蔽していない状態と何ら変わらなくなってしまう。
 「ビニルシートを張ったから大丈夫」と思考停止するのではなく、感染メカニズムを十分に理解し、不断に対策を講じることが重要と考える。

 今後もビニルシートに拠る遮蔽を継続するのであれば、天井まで隙間なく張り詰めて空調機の機能を阻害しないよう、飛沫が及ばないエリアに空気が循環する通り道を残したり、循環を促すサーキュレーターを用いるなど工夫が必要だろう。


 私は建設部門の技術士であるが、他に20ある技術部門の中に「衛生工学部門」があり、専門分野として「建築物環境衛生管理」(2018年まで「空気調和」)を選択された技術士が、空調のプロフェッショナル・エンジニアとして活動されている。

 エンジニア間の交流を通じて機会を見つけ、ウィズコロナ時代の空調管理について従前から変化した点や、目指すべき到達点についてお話を伺ってみたいと思う。


2021年05月28日 イイね!

惰性

惰性 運輸の安全に関する記事二題
 フランス系の国際通信社・AFP通信の日本語版配信記事から『唯一生存の5歳児が意識回復 伊ロープウエー事故』および
 日本テレビ系列の地方局・札幌テレビ放送(STV)のニュース動画『「いま思えば無理矢理列車を走らせていた」JR特急列車脱線炎上事故10年 安全対策と経営再建の現在地』に注目。

 今月23日に発生したイタリアのロープウェー事故の第一報を耳にして、私は2000(平成12)年11月に発生したオーストリアのケーブルカー火災事故を思い出した。
 直接的な原因は、ケーブルカー車内に設置された家庭用暖房器具からの出火であるが、間接的かつ組織的な要因としては、本来は車輌用でない暖房器具を違法に設置し、車輌自体も可燃性の素材が多種多量に使われていて火災発生時に極めて危険な状態に陥ることを、運行に携わる者が誰一人として認識していなかったことが挙げられる。
 イタリアのロープウェー事故とは、そもそも輸送機具の構造が違う上に、直接的原因に共通点は皆無だが、間接的・組織的要因はどうだろうか。恐らくは酷似した状況が炙り出されてくるものと予想するが、今後の正式な調査報告が待たれる。

 この火災事故を受け、日本国内でも輸送機関の総点検が行われ、問題点の洗い出しと対策が打たれた……はずだったのだが、10年前にJR北海道・石勝線第一ニニウ(だいいちににう)トンネルにて、重大な列車火災事故が起きてしまった。
 この事故に関しては、弊ブログでも3回に亘り記事にしているのでご参照いただきたい。

 石勝線の火災事故では幸いにも犠牲者は出なかったが、乗務員は車内待機を指示するばかりで避難誘導が大きく遅れ、命の危機を覚えた乗客が自主判断で避難を始めていた。
 もし果敢に行動した乗客がいなければ、やはり待機を命じられた修学旅行生と共に沈み多数の犠牲を生んだ「セウォル号」の悲劇の前座となっていた可能性が高い。

 避難誘導の問題はオーストリアのケーブルカー火災でも同様で、殆どの乗客は車外に脱出しながら、トンネルの上方に逃げた150名は傾斜角45度の坑道が煙突と化し一酸化炭素中毒などで死亡。下方に逃げた12名のみが一命を取り留めた※。
 乗務員による初期消火や、トンネル下方へ適切な避難誘導ができていたら、犠牲者はもっと少なかった筈である。
 逆に、石勝線火災事故でも同じ状況に至らなかった保証は、どこにもないことが分かる。

※上りケーブルカーの乗員乗客のみ。他に下りケーブルカーで2名、トンネル山頂側出口付近に居た3名が犠牲になり、死者は合計155名。


 定時運行・運休に因る損失を含むコスト抑制が最優先され、運行に携わる者の「これまで問題なかった」「少しくらい規則に反したって」なる惰性が、不安全行動(安全装置をオフにする・異常に気付きながら運行を続ける等)および不安全状態(機器の故障を放置・検査周期を無視等)を生む。

 
 遠く異国の事故、または或る分野に特異な事象と思う勿れ。
 まさか高度な技術力と国民性を誇る日本で起きる筈がない、なる正常性バイアスもまた、安全を脅かす要素の一つと言える。「セウォル号」の前に、我が国は「紫雲丸」事故で多くの幼い命を喪った
 不安全行動および不安全状態は、運輸・交通の分野のみならず、ありとあらゆる全ての産業分野で発生し得る。私が従事する建設業界など、最も真剣に状況を分析し、自らの仕事・行動に反映させねばならない。
 

 これらの報道に触れ、社会の安全を向上させるために職業人として何ができるか。
 危機的な状況に直面した時に、どうすれば自身と家族の命を護れるか。
 改めて考え直す機会とし、教訓を得たい。


2021年05月27日 イイね!

礎石

礎石 韓国三大紙の一角「中央日報」の日本語版サイトから『伊藤博文直筆の韓国銀行の礎石が保存される』に注目。

 見通しのつかない日韓関係に関連して、日本統治時代(彼の地では「日帝強占期」と呼ぶ)の遺物の一つを、今後どう取り扱うか報じている。
 やや記事の内容が雑なので、植民地出身者の子孫で少々現地事情に通じている者として解説を加えると、韓国銀行(韓国の中央銀行)が用いている建屋ではなく、あくまで「旧本館」であって、現在は「貨幣金融博物館」として活用されている。

 1912(明治45/大正元)年に、当時の「朝鮮銀行本館」として竣工。設計は日本銀行本館や東京駅丸の内駅舎、京城駅(ソウル駅旧駅舎/現「文化駅ソウル284」)など、国内外で大物公共施設を数多く手掛けた辰野金吾である。
 ちなみに朝鮮銀行設立より前に、朝鮮半島へ事業を展開し法定通貨として認められた銀行券を発行するなど中央銀行業務を担っていたのが、現在放映中の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公・渋澤栄一率いる国立第一銀行だった。

 渋澤栄一翁が肖像となる新しい一万円札より遥か前、明治末期に朝鮮半島で発行された「第一銀行券」の肖像には、当時頭取を務めていた渋澤があしらわれていた。
 渋澤は、辰野金吾設計の京城駅から、現在は巨大国際空港が置かれている西岸の港湾都市・仁川を繋ぐ朝鮮半島最初の鉄道建設にもコミットしており(但し、漢江を渡る鉄橋建設に時間を要したたため、当初の京城側出発地は南岸の鷺梁津駅)、伊藤博文と並び侵略を主導した人物とみる向きもある。


 韓国経済を支える中央銀行の本丸として機能している現役の建物の礎石が、植民地化を推し進めた人物の筆とあらば反対派がマジョリティだったかもしれない。
 しかし、既に第一線を退き、歴史的遺物となっている建物の礎石だからこそ、そのまま保存するべきとの意見が上回ったのではないか。
 その辺り、経緯を正確に報道するべきと苦言を呈する。




 反日活動の報道ばかりが騒がれるので、日本統治時代の建物などとっくに一掃されてしまっているのでは、とお思いの方が多いかもしれない。
 確かに最も壮麗な建築物であった朝鮮総督府(旧韓国政府庁舎・旧国立中央博物館)は解体・撤去されたが、ソウル市中心部だけでも、先に紹介した京城駅・朝鮮銀行本館に加え、

京城府庁舎(旧ソウル市庁舎/現ソウル図書館)
京城裁判所(旧大法院/現ソウル市美術館:但し車寄せとファザード部分のみ)
京城電気本社(韓国電力公社)
京城三越(新世界百貨店)
明治座(明洞芸術劇場)

などが残されている。
 日本側の視点では、韓国々民の反日感情を無為に煽っているのではとも指摘されるマスコミにおいても、同じく三大紙の一角で戦前に創刊された「東亜日報」の旧本社が、ソウルのメインストリート世宗大路に面した場所に立っている(現在は新聞博物館として活用)。


 朝鮮総督府の解体・撤去については、建設エンジニアの立場では是非とも残しておいて欲しかったところだが、建物の配置を俯瞰すると、竜の頭のような貌をしたソウル北方の北岳山(プガクサン)から、王宮たる景福宮を通り南方の大河・漢江(ハンガン)に向かって流れる「気」を、あたかも巨大なギロチンで断ち切るかのような位置にあった。
 「風水」の恩恵を潤沢に受けていた異国の首都を、政治的・経済的に支配しようとしただけでなく、竜が吐き出す「気」を遮ることで王家や臣民を弱体化させ、人智を超えた精神や霊魂の領域でも支配を確立しようと企てたのでは…と私は考えている。
 植民地支配の象徴たる朝鮮総督府を撤去する、という表面的な目的とは別に、「風水地理」の考えに基づき、ソウルを発展させてきた「気」を取り戻したいという想いが強かったものと推測する。


 現在でも残されている建物を、改めて確認してみれば行政・司法・金融・交通・電力・流通・芸術・マスコミと、云わば社会的共通資本として必要欠くべからざるものばかりだ。

 他国の関与を許したという一点において、韓国民が蟠りを覚えるのは致し方ないと理解するが、その部分も含めて韓国の発展を支えた社会的共通資本整備の歴史である。
 今回の「礎石」取り扱いについての調査結果や、今なお現役で用いられている日本統治時代の建築物を見るにつけ、過半の韓国民は日韓の歴史を冷静に認識し、蟠りを乗り越えて歴史的遺物を次世代に繋ごうとしているように思う。






Posted at 2021/05/27 18:56:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記

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何シテル?   04/18 19:29
 建設業界で禄を食む文系出身(経済学専攻)のプロフェッショナル・エンジニアが、愛車整備・政治経済・文化学術・スポーツそして土木施工の現場で日々記した野帳を公開し...
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