いつもより早めに仕事を終わらせ、家に戻る。
金曜の夜は、いつも特別なのだ。
途中で買ってきたサブウェイとケンタッキーをキッチンカウンターに広げる。
冷蔵庫から冷えたビールを取りだしクラブサンドとチキンを流し込む。
チキンは油っこ過ぎた。
歳を考えて生ハムサラダくらいにしておくべきだった。
いつまでも昔と同じ量が喰えると無意識に思い込んでいるのが我ながら笑える。
♪ピロリン~お風呂が沸きました~♪
家に着いた時に忘れずにスイッチを押しておいたので、ちょうど良いタイミングで風呂が沸いた。
ふぅ~、気持ちがいい。
ゆっくりバスタブに浸かると1日の疲れが溶け出していくようだ。
さっぱりしたところで、中型のリュックに着替えを詰め込みガレージへ降りる。
車はメルセデスのEクラスワゴン。
最新の自動運転システムを備えるこの車は、現在4段階ある自動運転の第2ステージにある。
しかし、それは公式の話であり、技術的には既に完全自動運転が可能な状態に達しているのだ。
事故の際の責任問題が法的に解決していないため、まだ公にはされていない。
目の前にある車は、その完全自動運転機能を備えたプライベートオーダーの特別仕様車だ。後席を倒せばフルフラットのダブルベッドサイズの空間が現れる。
リュックを助手席に放り込み、行き先と到着時刻をセットする。
後席を倒したスペースに薄めのエアーマットを敷き、ケットを羽織る。
BGMは優しくムーディな女性ボーカル。
寝酒は薄めのハイボールにしておこう。明朝まで残ってもマズイのだ。
温まったついでに早いとこ眠ってしまおう。
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
ふと目が覚めると、サイドウィンドウの向こうは、暗闇の端がうっすらと明るくなっている。どうやら無事に到着したようだ。
車から降りてリモコンのボタンを押す。
森の中にある別荘のガレージが開くと、中にはケータハム・セブンが埃除けのシートを被って佇んでいる。車はプリミティブな奴を自分でドライブするに限る。
でも、隣にはマクラーレン。
シートを剥ぐって乗り込みキーを捻ると、ガレージ内に爆音が響き渡った。
早朝の住宅街では、こんな爆音はありえない。
この車達は別荘専用なのだ。
ギアを1速に入れてアクセルを煽り、森を抜ける道路へと走り出す。
爽快な週末の始まりだ。
Eクラスを外に停めたままだったが心配はいらない。
自動でガレージに収まり、私の帰りを待っていてくれるのだ。
ブログ一覧 |
クルマ | 日記
Posted at
2016/10/30 18:10:29