2014年12月06日
仕事先で少し車に興味のあるお客さんから質問で、
「俺さー、速い車運転してるけど、サーキットじゃ通用しないの?」
って言われて、極力判りやすく説明しました。
○日本の道路は、普通の人が普通に走って事故が起こりにくい構造になっている。
○車を操縦する技術はハンドルで車に曲がって貰うんじゃなくて、自分で曲げて、曲がる速度を作って、止まれる所を把握すること。
○速い車は車の性能でスピードが出ているだけで、そのマシン頼りの運転だと速度は出せてもその速度はどのくらいの長さで止まれるのか把握できていないと、1コーナーで刺さります。
○練習としては一般道で「助手席の人を酔わせない運転」を常に心がける。
○その助手席を酔わせない運転は車の前後左右の全てに荷重移動を丁寧に動かすことで、急な荷重移動を起こさない事、ブレーキとアクセル操作は急にしないこと、信号スタートで前の車から遅れてもゆっくりスタートして、助手席に人の頭を揺らさない。
○その基本動作が出来ないと、サーキットではタイヤを無駄に消費した上に遅く、その上刺さります。
○なので速い車・良い車・凄い車、アクセル踏めば速いけど、それをコントロールできなければサーキットでは速く走れません。
○サーキットも走りやすくは出来てますが、公道ほどでは無いのと、サーキットで速く走っている人は自分で車を曲げる技術を持っているので速度が速いです。
○もし誰にも教わらずに独学で速くなりたいには、筑波2000を1000ラップするとマシになると黒沢元治先生が言ってました。
○仮に35GT-Rで筑波2000を1000ラップするとなると、最初はタイヤが30周で1回交換するくらい摩耗するだろうから、1000ラップまでに34回程度の交換が必要で、それなりのタイヤだと1回4本で一番安いの25万円とすると850万円がタイヤだけで無くなります。
○車両本体の価格越えてますね!
○次にガソリン、燃費表記ではなくアクセル全開で行ったとなるとリッター3キロくらい、タンクが60リッター前後とすると、1000ラップ2キロで2000キロを3で割ると667リッター、満タンで単純に12回の給油が必要で、ハイオク160円だと128万円くらい
○その他走行によるブレーキとか冷却液にエンジンオイルなどの消耗品を加味すると、とりあえず上手くなるのに必要な走る分だけで1200万円程度は楽勝。
○本体は別途850万円~1600万円までお好みで。
○次に1000ラップするのに必要な時間、GT-Rとはいえ技術がない所からだと1分15秒程度をスタートラインとして最終的に1分5秒を目処に走ると、平均は1分10秒で70秒、この70秒を1000ラップで7万秒を分で直すと1167分、で19時間45分。
○初めての人の連続走行は1回15分くらいが限界として、78回の走行本数で消化。
○走行会などで15分一日6セット走れたとすると、13回の参加が必要で、参加費用が1回2万円だと26万円。
○その往復経費とガソリン代タイヤは別途浪費するので、上記の見積は益々上昇。
○その無駄に独学で走る分を少なくするためにプロに講師を頼んで、1回5万円別途つぎ込む代わりに25ラップ分少なくなれば楽になりますが、10ラップ分しか吸収できなければ独学の方が良い計算ですし、1回の受講で100ラップ分の吸収が出来れば、報酬の他に夕飯付けても元が取れる計算です。
という話をしました。
車なんて教習所を出れば誰でも運転できますが、操るという部分では道が果てしなく深いのをお客様にご理解頂けたと思う見積でした。
逆にこれだけつぎ込んでいるから速い方は本人の頑張りの他に金銭的にも頑張っているわけです。
それでも闇雲にお金をつぎ込んでも上手くなるのが遅い人も居ますし、早い人も当然居ます。
ただ勘違いして欲しくないのは、車側の出力での速い遅いの話ではありません。
誰でも排気量があって過給器が付いていて幅広いタイヤを履けば真っ直ぐだけは速いです。
軽自動車しか持っていない人だって、自分が速いと思う自分と同じ車を運転すればほぼ同じ速度を簡単に出します。
しかしそれをコントロールするのは人間ですし、人間側が操るから車が生きるわけです。
(余談ながら、車側に人間側のコントロールを阻害する物があってはいけないと主張する根拠はここです。@ドライバー親和性)
車の能力を100%として、そのうち何%を引き出せるけど、今何%で走るのが適正なのかの判断。
アクセル踏んで高速道路150キロで巡航して軽自動車遅いとか言っているのがどれだけ意味のない話か分かると思います。
80キロで走って目的地に1時間掛かるのと、180キロ出して警察に捕まって1時間説教されて合計1時間半掛かるのとどっちが速いって話。
そもそも直線速度は自分の力じゃねぇしw(お金払ったのはエライですが)
高速道路や一般道も含めて、これからの年末年始で忙しい中、助手席に優しい運転は同時にエコドライブにも繋がり、一緒に居る周りの車にも優しい運転になります、判りやすい方向指示器の適切利用や車間距離と周りの流れに合わせる運転で
セーフティードライブ(アクティブセーフティー)
をお互いに心がけたいですね。
黄色まだまだ赤勝負とか昭和な神経は捨てましょう!
高くても安くても所詮は車、タイヤ4本付いて制限速度付近を大きく逸脱しない流れに乗ることで事故は大幅に減らせますし、自分が原因で他の車を事故に追い込むのも防げます。
忙しいのはみんな一緒ですから、半歩譲る余裕を持ちたいですね!
同時に荷重移動を優しくおこなうとタイヤの摩耗も減らせるし、燃費も良いし、助手席の人からも尊敬されます。
「私、車に酔うから車が嫌い」
なんて素敵ジョシを乗せて紅葉ドライブで山に行って酔わせなかった日には・・・な!
ただ、この日だけ優しい運転しようとしても絶対無理です、車の運転は本性出ますので。
普段から荷重移動を優しく運転する
「普段の運転が大切な練習場所」
と捉えて意識して運転をしてみませんか?
仕事だから、忙しいから、荒い荷重移動を速いと勘違いしている人など、普段荒い運転している人は間違いなくジョシには嫌われます。(自分は普通だと思っていてもダメなモノはダメです)
その場は良くても絶対に2回はないです。
おっと、クリスマスが近いようだな、余計なお節介だったか。。。
Posted at 2014/12/06 13:39:35 | |
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