たまに聞かれるので、
なんで16年前のレーシングカーなんぞ買ったのか?
と
実際に使ってみての感想をまとめてみます。
もし、同じ計画をしている人がいれば参考になれば幸いです。
【なんで古いレーシングカーを買ったの?】
①サーキット走行のみをターゲットにした時のコスパ優位性
②自分で通常メンテナンス出来るギリギリの世代
③現役ストリートカーと勝負できる速さ
の3点が理由です。
①サーキット走行のみをターゲットにした時のコスパ優位性
実は、
996GT3後期クラブスポーツ
の2万キロ・無事故車を買うとするといくらするでしょうか?
相場的には大体900前後ですね。
https://www.carsensor.net/usedcar/detail/VU0282109481/index.html?TRCD=200002
https://www.carsensor.net/usedcar/detail/CU3544797816/index.html?TRCD=200002
しかも、サーキットで50秒台前半のタイムを出そうとすると、
最低でも、
・スペアホイール
・サスペンションキット
・LSD
・ファイナル変更
・ブレーキパッド
・フルバケ(純正はぶかぶかなので)
は必要になってきます。
しかも上記2車種はロールケージが入っていませんので、さらに追加ですね。。。
上記の最低限のチューニングだけでなかなかのお値段になります。
しかも、上記だけだと50秒の壁は相当大変かも?自分には無理・・・
サーキット前提だとすると弄りモノで上記メニューが済んでいて、価格はむしろ安いというのならなかなか良い選択肢になりますね。
その点、CUPは、
上記は全て対応済み、さらには何も付いていないので超軽量化済み。
大体200キロぐらい軽い&溶接ロールケージの超高剛性ボディー。
という状態。
問題は、
・維持管理方法
・エンジンとミッションのライフ
ということになります。
今回のCUPはエンジン、ミッションともNGという状態で引き取ってきたので、
エンジン、ミッションはフルOHのライフMAX状態からスタートできるのが決定の理由。
OH費用など全て入れてもストリートカーの純正状態の乗り出し価格より大分安く収まっています。
レーシングカーはライフ管理が凄く大事です。
今のCUPも以下の様にすべての走行時間&ラップを管理しています。
ライフは30時間とか50時間とか言われますが、
それはあくまでもレースでフルパフォーマンスを出す為の現役時代の尺度だと思います。6CUPについてはストリートカーのパーツが多いので、
正直100時間ぐらいまでは多少パワーが落ちても楽勝で動くとは思う。
とはいっても、エンジンでいうとバルブ周りとか弱い部分もあるのは事実なので、50時間を過ぎて明確にパワーが落ちてきたのを感じたら要OHですかねー?おーこわ。
逆にこれから購入を検討している場合は、
OH後のライフ管理がどの様になされて来たのか?はチェックが必須で、
そのデータが無いクルマはOH前提で安価に手に入れないと痛い目にあうと思います。正直水冷のエンジンのOHはバカ高いので。。。
ミッションは構造的にストリートカーとの違いはあまりないので3速が砕けて全損しやすい7系のドグミッションと比べるとズボラライフ管理でも大丈夫だと思います。違いはギア比とシンクロ材質とファイナルぐらい???
②自分で通常メンテナンス出来るギリギリの世代
エンジン、ミッションオイル交換はストリートカーと同じ。
ブレーキ周りのメンテナンスもストリートカーと同じ。
アーム周りもほぼストリートカーと同じでアライメント手法も同じ。
というのが最大のポイント。
違いは、エアジャッキが付いていて、センターロックなところ。。。
なので、今回CUP導入にあたってクルマ以外で手配したのが、
・エアジャッキ用の高圧圧力調整器とホース類:7万ぐらい
・窒素ボンベレンタル&ボンベカート購入:レンタル+2万ぐらい
・センターロック用のこん棒みたいなスナップオントルクレンチ:10万以上。。。持っている工具セットより高い。。。
の3点。
+
・積載車:ピンキリwww ウチのはサビサビの下層積載車
まぁ、最近のストリートカーはセンターロックなので、トルクレンチは一緒と言えば一緒ですが、これ面倒。。。
でも、クルマを動かすのに必要な道具は上記だけで、
暖気をすれば普通に動かせます。
6CUPの前期だとナンバーを付けている個体も結構ありますが、
ナンバー付きだとしても普通に街中で乗るのはオススメしません。
どんなに熱対策をしていてもライフの問題もありますし、やっぱり街乗りするクルマじゃないですね!
ウチはたまたまサーキット走るのが2人2台がデフォルトなのでなぜか積車がありますのでそこは問題になっていませんが、普通は積車の手配が面倒だと思いますので、積載車無しでナンバー付きならホームサーキット近くにガレージを借りて、そこから暖気兼ねてサーキットまでだけ走って行くというのはありかもですねー。ナンバー無しならサーキット目の前のガレージ借りてそこから牽引していく?www
自分は自宅にCUPを置いているんですが、近所迷惑になるので自宅でエンジンを掛けられないこと以外は事前メンテナンスも出来るしなんとかなっています。
自宅保管についてですが、
立派な車庫を作ろうと思ったんですが、
結構なお値段だしいつまで乗れるか分からないし、なんか勿体ないなということから、「クルマ入れ」を積車の後ろに作ってそこに入れているだけ!
先日の台風も問題無く、クルマもちゃんとキレイに保管出来ています。
③現役ストリートカーと勝負できる速さ
964だとSタイヤで頑張っても自分だと57秒が限界。。。
ウィング無いし、クルマ小さいから冬場は245キロぐらい出るんですけどね。www
それにあんまり頑張ってタイムを削りに行っても、結局最近のクルマの足元にも及ばない。。。つか、最近のクルマ速すぎです!!!
なので、
・FSW50秒前半から50秒切るぐらい
・筑波でもしかしたら分切れるかも
・MT車
なマシンが欲しいなぁと思っていたのですが、991GT3RSとか、997GT3RS後期とか爆高・・・それと、電子制御が多いのと、タイヤの選択肢が異常に少ないのがマイナス。タイヤ破産コース。。。やっぱり安全安心の18インチ!(^^♪
そしてどれも2000万超+そこからチューニング費用発生という超高額車両というのが自分には無理と悩むまでもなく対象外。。。
997CUPはドグミッションでカッコいいのですが、ミッションライフが超絶短いのでOHスパンが短く恐ろしく選択できず。。。
ということから半分以下のコストで、ミッションライフはあまり気にせず行けそうで、上記パフォーマンスを目指せそうな996CUP後期を選択。
あまりSタイヤでの情報が無かったのですが、実際走ってみたらパフォーマンス的には想定通りでしたね!(^^♪
【実際使ってみてどうなの?】
積車が必須になり、ツーリングに行けない!というのが最大のマイナスです。
サーキット走行という限定した枠組みだけで評価をするなら、
・パフォーマンス
・運用コスト
とも大満足です。
ただし、自分でメンテナンスをしない人場合は、メカニックの手配などが発生してしまうので、走行の度にコストが発生して最終的に乗るのが面倒になり、苦しくなってしまうかもしれません。
サーキットに行っても、自分で積車から降ろして、暖気して、コース走って、途中ピットインした際に自分でエア調整しているCUP乗りって見たことが無いので、結構変人に見えているかも?ですが、細く長く楽しむためにはやむを得ない。。。(;^ω^)
本当はこの手のクルマを動かすならレーシングガレージに気前よくお金を落とせるレベルの人が望ましいんでしょうね。。。自分はセコイので。。。(;^ω^)
自分の意見ですが、そこまでちゃんとした体制でやって、
メカニックの手配をしてまで乗るなら、
全部パドル車になっちゃいますが、
ちゃんと現在公式戦に出られる、
・991.1GT3CUP:スプリントカップ
・991.2GT3CUP:カレラカップ
・各種TCR車両:TCR Japan/S耐
・各種GT4車両:スプリントカップ/S耐
などに乗った方がコストは掛かりますが、
満足度が高いし、楽しみの幅が広がると思います。これ出来る人は絶対にこっちがおすすめ!
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総括すると、
古いレーシングカーはアリだが、万人向けではない!
つまり、公式戦は出られない為練習・タイムアタックとか草耐久とかで楽しむ人、セルフメンテをする人向けになります。
MTのレーシングカーをどうしても楽しみたいという人にとっては996世代のCUPは最後のアマチュア向けのレーシングカーなのかもしれませんね。
また、最後に超重要な話です。
ストリートカーは多少の値下がりをしても売るときすんなり売れます!
逆に古いレーシングカーなどは余程欲しい人がいないと売却すらままなりません!
なので、ずっと持っていても良いという覚悟は持っていた方が良いかもしれません!!!
いろんなデメリットもありますが、
ストリートカーでは到達できない領域が確実にありますので、興味のある人は是非脚を踏み入れてみてください!