最新型アベンシスに対する欧州の評価（ベルギー編2）

さて、今回は個別。

車体：
前席で頭打ちそう（172cmでも拳一つ以上余る）とか、基本的には視界が確保されてるんだけど、後席のＤピラーがじゃまだとか、ほとんど難癖の世界。こういうのってパサートでもＢＭＷでも同じことなのだよ。

シャーシ：
車のシャーシ性能は中立的だが悪くなし。「しかし、サスのバネ側を柔らかくしたので大きな段差を越えるあたりからでは先代のようなしなやかな立ち上がりが失われた」のだそうだ。自分はここが一番意見が合わない。自分の試乗ではむしろ追従性はあがっていたように感じた。ていうか、自分は現行モデル所持者なんで（笑）まあ、自分がテストしたのは17インチのタイヤ、彼は18。感じ方は違うかもね。で、ロールしやすいって、おいおい。

エンジン：パフォーマンス＆燃費。
Ｃｏ２排出の関係から２Lを1.6Lに落としたんだろうけど14馬力分＆40Nm分ダメで特に走り出しでそれを感じるとのこと。まあ、自分は一人で乗ってテストしたし、家族乗せて、山道具積んだらパワー不足かもしれない。だからこそ自分はセダンにした。そこは購買者側で考えるポイントかもしれない。欧州人的にはここは譲れないだろう。何せ460万円相当する車な訳だから･･･燃費は自分の2リッターは14.9。1.6は16.1。カタログ上は23らしいが･･･こういう「設定値」は日本でも一緒でしょ（笑）16.1いったら自分的にはＯＫ。というか、この人は0ー100ダッシュを何回もテストしているわけで、そういうの入れてたら無理でしょ（笑）まあ、日本版アベンシスにはパワー不足はないと思う。いずれにせよ、ガソリン２ｌは燃費を追求する車でない。

内装面：

「ドラポジが高すぎる」ってさ。自分はそうは思わない。ただのいちゃもん。SUV好きの欧州人がこういうことを書くのは笑止千万。これは86じゃないんだよ。低いの欲しけりゃそういう車のことを書けよ。「いまや、SUVでもそこそこワゴンに近い運転感覚」などと評したりするのはこういう輩。
またMTのギア比がダメだそう。間延びしすぎとか。ちなみにアヴェンシスのディーゼルにはCVTの設定がないがそれは低速からパワフルなディーゼルだとMTを好む人が多いため。それに欧州だとMTは安価だ。ギア比設定はエコランを意識したものと思われる。そのためにシフトアップインジケーターがあるわけだ。
また、内装パネルは黒いプラスチックだけで2トーンぐらい増えている。結果として、例えば自分のテラコッタバージョンだとパネルのグラデーションは5層くらいになる訳で他社を圧倒していると言える。

操作パネル関連：ナビやエンタ系の操作がわかりづらい。これは同意。欧州トヨタはここが弱い。欧州トヨタはここの部署が弱いとみた。日本から人連れてくれば解決じゃないのか？質感：いくつかのプラスチックが傷が残りやすい「グローブＢｏｘはそう」と思っていたら実車で確認したら改善されていた。
ここで書いておきたいが、内装についてはトヨタ車のなかでは珍しく完全に横基調（強調）へ移行。センターパネルの縦ラインをここまで無視したトヨタ車は他にない。横広がりという意味ではメルセデス以上だし、質感の強調はBM以上だと感じる。レクサスは更なる立体形成があるので同一視は出来ないがかなり近い。シートは前席に関しては絶賛しているが後部はダメだし。まあ、エアダクトもUSBも刺せないんじゃそう思うだろうなあ。
あと、前の席にカップホルダーの位置が悪いとかそういうのもあるがこれも難癖の類。まあ、感じるポイントは人によって違うし、実際自分的にはフォードなんかはなにもかも使い勝手が悪い。まあ、主観的な判断だと思う。ただし、アームレスト側に格納されたUSBの配置は最低だ。以前はセンターパネル側で遙かに使いやすかった。CD/DVDも省略されたのでここもどうかなと思う。せめてポートは二つにして欲しい。どうもこっち側に人材不足を感じる。液晶操作ののデザインはよくなったとは思うが･･･また欧州人エンジニアはリモートタッチの類が好きで、アベンシスでの不在を嘆いているが自分的にはばかげていると思う。これは作り手側のエゴ。自分も嫌いだし、こういうのはかえって使いづらいと思っている人もかなりいる。それよりボイスコントロールを充実させればいいと思う。ハンドルから手を離さないといけないことを忘れたリモートタッチは時代遅れの産物だと思えないのだろうか。

安全装備関連：評者は一応理系だが全盛期感満載な感じがする。安全装備でアベンシスがケチったのは人感技術とＡＣＣの省略で、せめてオプション設定されるべきだと自分も思うが、他社との関係でいうと同クラスでもセーフティーセンスは優れている方だということがいまいちわかっていない。たとえばＢＭＷの同価格帯の2シリーズでは20～60kmでしか作動しない。アベンシスは10～80で動作し、市内で70kmで走ることも珍しくない欧州でより現実的。また、日本版には実装されていないロードサインアシスト（標識認識機能）はかなり便利。DAB（DSP型）ラジオなども中グレードからなので悪くはない。

とまあ、個別も難癖満載。どうしても民族主義的な評価になりがち。まあ、ベルギーは時刻メーカーはないけど、量産工場のある（あった）フォードやボルボの評はいつも甘め。

仕方ないか。