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※2019年6月28日 加筆修正しました。
そもそもきっかけは、Armorエアロを合法的に乗りたいという願望が始まりでした。
フロントの片側だけで65㎜も幅が増えるので、その分ホイールを外側に、できればツライチまで出したい。
が、ホイールだけで外側に出すとスクラブ半径が大きくなるので、
ハンドルを切ったときにフェンダーの内側前後に干渉してしまう。
しかもスクラブ半径が大きくなることによるハンドリングの悪化は必至で、
この部分を解決しないと見かけだけのエアロになってしまう…ということで、
延長アッパー&ロワアームを作ることにしました。
しかも、日本全国、どこの陸事でも書類を提出するだけで車検にすんなり通るようにするため、
改造概要等説明書 ( 改造自動車審査結果通知書 )を発行することを前提に開発が始まりました。
まずは実際に強度が確保できる性能を持ったアームを作らなくてはならなかったのですが、
特に力点が先に伸びたウィッシュボーンのロワアームには相当な力が加わるので、
ハード走行中に何度も変形したり、(安全率の計算をするうえで最大2.5Gを想定)
強度を確保するために鉄で作ると重くなってハンドリングが悪くなるなど、
完成までの道のりは大変なものでした。
何度かの試作の末、破壊強度、降伏強度ともに必要十分で、かつ軽量なアームが完成しました。
詳細はこちらで
http://www.rmagic.jp/detail/?product_id=909
次に、強度があることを証明し、合法パーツとして認可を受けること。
じつはここが一番大変でした。
純正よりも強度があるということを証明しなければならないので、
まずは純正アームの強度を調査することから始めなくてはなりません。
純正アームの材質分析から始め、3Dスキャナでカタチと大きさ、重量から強度を算出します。
つぎに、応力分布からR Magicアームが破壊安全率、降伏安全率ともに130%オーバーであることを証明しました。
ちなみに、アッパーアームは、純正比600%=6倍の強度を持っています。
当然この強度証明の作業は自社でできるわけではないので、関係機関に依頼しました。
この、「強度証明の書類をつくる」だけでかかったコストは100万円。
破壊に使ったアーム代は含まれません。あわわ。
出来上がった強度検討書をもとに、この製品を合法パーツにするための書類を作成しました。
これは私自身で何度も相模陸事に通いながら、血のにじまない程度の努力で完成。
ここのコストは…無視されるんだろうなぁ。とほほ。
書類が完成したといっても、お客さんに渡す書類には1部につき1台の車体番号を記載されるので、
オーダーがあるたびに陸事に書類を提出しなければならないのですけどね。
あれから4年。
先週、久しぶりにアームの注文が入りました。(書類付きで)
実際に改造概要等説明書 ( 改造自動車審査結果通知書 )を発行したのはこれで7件目。
書類は4万円で販売しているので、28万円分は回収しましたが、まだあと72万円分赤字です。あはは
初期投資が回収できる日は果たしてくるのか?
ワイドボディなFD3Sのひと、延長アーム買ってください。
25㎜延長と40㎜延長があります。
Posted at 2019/06/28 02:03:24 | |
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