東京に用事があったので、そのついでに横浜の日産本社ギャラリーに行ってきました。折角の機会なのでスカイラインにも試乗してみました。
ちなみに写真は展示車ですが、試乗車も同じくオプションの19インチを履いていました。
というわけで、軽いインプレッション的なものを。ただし、試乗は20分足らずで、試乗コースもそれなりに空いているとは言っても横浜市内の一般道ですので、実際に長く乗ってみた感覚とはだいぶ違っているかもしれないのであしからず。
1. 加速感
実を言うとハイブリッドカーに乗るのはスカイラインが生まれて初めてで、だからどんなものなのかと期待と不安が交じり合った感じでまずアクセルを踏んで日産本社ギャラリーを出発したんですが、たしかにハイブリッドのモーターというのはそれなりにトルクフルで街中を走る分には役立ちそうに思えました。
モーター走行からエンジンがかかる感覚も運転席からは分からず、タコメーターを見なければほとんど気付かないほどでした。そういう意味では、ハイブリッドのネガティヴな面というのは今回の試乗では全く見えなかったというのが正直なところです。
それから、フーガと比べると、アクセルの踏力をそれほど要さない設定となっているので、結構運転はしやすいように思えました。
ドライブモードをノーマルからスポーツに変えるとわかりやすくエンジンの稼働率が上がり、ゼロスタート時にはマフラーから重低音が響いてくるのが分かりました。それがいいのかといえば、別にアクセルを急に踏んだわけでもないのにそういう音がするのは…まあスポーツモードだしそんなものなのかなあ。ラグジュアリーセダンでエンジン音とか排気音はアクセルを踏み込んだ時にだけ響かせてくれればいいというのが個人的な感覚なのですが。
2. 旋回性
新型スカイラインに投入された新技術の目玉はステア・バイ・ワイヤなわけですが、あえて粗を探そうとしたりしなければそれほど違和感はありませんでした。ちなみにステアリングの感覚はフーガよりも軽くなっています。
コーナリング性能をまともに試すような試乗コースではありませんでしたが、それでもちょっとしたカーブを隣に乗っていた日産の方に怒られないくらいのスピードで曲がってみた感覚は、悪くはないという感じでした。ハイブリッドシステムを積んで重くなっているネガティヴ面は、ここでも見えはしませんでしたが、結局旋回速度は低いので判断には困ります。
3. その他
エンジンを掛けた瞬間にカーナビが起動するというのは言うまでもなく当然のことなんですが、なにやら高度なシステムのようで、起動するのにやたら時間がかかるのはどうなのかなあ、と思ったり。
運転席に座った感覚は正直フーガよりいいように思います。長時間走って疲れるかどうかは実際にやってみないとそれでも分かりませんが、スカイラインのほうがいいんじゃないかなあ…。
リアシートの広さですが、先代のスカイラインよりはよっぽどよく、フーガほどではありませんがフーガに迫らんばかりといったところです。今回東京に行った際にはメガウェブにも行ったのですが、そこで座ってみたクラウンベースの新型クラウンマジェスタと比べると、実はスカイラインの方が感覚的な快適性は高いと思います。というのも、新型クラウンマジェスタは前席への足入れ性が非常に悪いので、感覚的レッグルームが短くなってしまいます。ちなみに、先代のクラウンマジェスタには、スカイラインはおろかフーガでも広さでは到底敵いません。
4. まとめ
短時間の試乗なので分かることというのはほとんどないわけですが、なんとなく伝わってきたのは、V37型スカイラインのポテンシャルというのは結構高いのではないか、ということです。
しかし、軽いステアリングや低速でのモーターによるアシストなど、この車に乗ってみて改めて感じたのは、あくまでも街乗り主体でコンフォータブルな車だということです。
そういえばスカイラインのターゲット層は「40代前半の男性。共働きの奥さんがいて、娘が1人。外資系企業で管理職をしており、非常にタフな環境の第一戦で活躍している人。都心のタワーマンションに住んでいる」でした。
こういう非常に極端に絞ったマーケティングについてネットではなんやかんや言われていますけど、そういえばジュークのターゲットは「ウィリアム君、30歳独身のイギリス人男性。現在乗っているのはルノー・クリオ、好きなブランドは『ヒューゴ・ボス』など」という実在の1人に絞って、実際あれだけのヒットを飛ばしたのだから、それが間違っているということはないでしょう。
しかし、都心に住む外資系企業の管理職ともなれば毎日の通勤も満員電車に揺られて死んだ目をしながら会社に向かう…なんてことはなく、信号の多い街中を愛車で颯爽と…とは行かずとも駆けて会社に向かう、というのが日常なんでしょう。
以前にも書きましたし、こんなことはだれでも言っていることですが、結局ハイブリッドシステムというのは高速道路や郊外の快走道路ではほとんど無用の長物となるわけですから、私のようにセカンドカーを持っている人間や、同じ都心部に住む人でも、普段は電車で会社に行き、土日の遠出で車を使うというライフスタイルの人間にとっては、結局この車はジャストフィットにはなりえないと思います。
セカンドカーでこの車を持つという暴論も、この車はDセグメントでもかなり大きな部類ですし、ハイブリッドのバッテリーがトランクルームを圧迫しているのでそもそも実用性が低いのであまり考えられません。
リアシートは広いですし、ファーストカーで2ドアスポーツカーを持つということを考えれば悪くない選択肢とも言えますが、やっぱり荷室の問題は…。
もう私はブログにこんなことを何度もしつこく書いているんですけど、日産はハイブリッドという名前で売ろうとしないで、ちゃんと、折角車のポテンシャルは高いんですから、様々な人のニーズに合わせたパワートレインのラインアップを用意するべきでしょう。おそらく、2.5L級の後継グレードは追加されるんでしょうが、そことハイブリッドの間を埋める3.7というのは、やっぱり必要なんじゃないかと思います。別にVQ37VHRじゃなくて、ダイムラーの3.5L級のエンジンでもいいですけど。
そんな車であれば、私は欲しいとすら思いますよ。なにせフーガに劣らないレベルのデザインで、そして後部座席の広さなんですから。
Posted at 2014/03/23 23:10:14 | |
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新型車 | 日記