プリウスの発表日はダイハツのキャストと被っていたのですが、その当日にはブログのネタとしてキャストを取り上げました。
というのも、キャストのデザインは分かりやすく何かに似ているものだったのですが、プリウスのデザインはただただ酷かった。
ブログはTwitterとは違って長々と文章を書くことができるので、逆に言えば「新型プリウスのデザイン、酷いですね」だと1行で終わってしまって、ブログの記事としては到底成り立たない。
そういうわけで、ブログに書くネタとしてはキャストのほうが適切だと思ったのですが、しかし、プリウス、見れば見るほどに、なんと表現していいか…醜い。
ただ、結局、いろいろ観察してみたのですが、新型プリウスの駄目なところはディテールなんだと思います。もう本当にごちゃごちゃしすぎていて、視覚的処理が追いつかないレベル。
フロントエンドの目付きが鋭いのは最近のトレンドに沿っていていいのですが、それ以外がごちゃついています。
別に、シンプルなデザインだけが良いとは思いません。複雑なデザインにも良いものはたくさんあります。
しかし、トヨタにはそんなデザインはできません。そう断言してもいいくらいです。
複雑なデザインは有機的な美しさでこそ映えるのだと思います。
そして、トヨタのデザインは無機的です。トヨタ車と日産車(あるいはマツダ車)のサイドパネルを見比べてみれば、トヨタ車の方が平板的で無機的でペラペラな印象があります。
無機的なデザインに合うのはシンプルさです。Appleのようなデザインです。
だからこそ、新型プリウスは格好悪いのだと思います。
ただ、それでも、車自体のプロポーションはさほど悪いとは思いません。
ミライに似ているとも言われていますが、ルーフラインやウインドウラインが綺麗に流れており、それになにより、馬鹿みたいにオーバーハングが長いということもないので、糞みたいなデザインのミライとは違って、サイドデザインは結構綺麗です。
3代目プリウスではウインドウ下端のラインが後ろに向かって大きくキックアップしているため、後輪周囲のボディパネル面積が増加し、リアタイヤが小さく見えて、またリアウインドウも小さすぎるように見えました。
しかし新型では、フローティングCピラーを採用することで、そこに視線を集め、その問題点もあまり気にならなくなり、同時にウインドウラインが気持よく後ろに流れている印象を受けます。
また、その印象には、後輪前方にあるプレスラインもうまく手伝っています。
プリウスのようなシルエットの車は、普通ならばどうしてもぼてっとしている印象を隠し切れないのですが、サイドのプレスラインやフローティングCピラーのおかげで、その印象は最小限まで抑えられているように思います。
しかし、いくらサイドが良くても、フロントとリアが駄目です。深海魚みたいな顔は、無機的な車のデザインには到底合いません。
ジュークと新型プリウスの違いは、基本的なプロポーションにあるのだと思います。ジュークはサイドパネルが有機的に盛り上がり、ホイールアーチ周囲部は筋肉質とさえ表現できます。
しかし、同じように複雑異様な顔つきでも、全体のプロポーションとの調和を考えなければ、プリウスのような酷い車が出来上がってしまいます。
Posted at 2015/09/11 03:22:23 | |
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