8月5日の土曜日、尼で注文してたオートスポーツが自宅に届き、7月22日-23日に行われた第4戦 スポーツランドSUGOの詳報を見ようかな~と梱包を開けたところ・・
表紙のマシンがSUGO戦で優勝したNo.1 DENSO KOBELCO SARD LC500ではなく、No.8 ARTA NSX-GTでした(°Д°)
平手選手かわいそう・・
頭の片隅に??って疑問を残しながら、8月5日-6日の第5戦 富士GT300kmレースを最後まで観戦したところ・・
No.8 ARTA NSX-GTが予選ポールポジションから逃げ切って見事に優勝を飾りました!
以上、第5戦 富士GT300kmレースのレポートでした。
ヾ( ゚д゚)ノ゛ばいばーい
……失礼しました(笑)
ワタシ個人の感想なんですが、真夏の富士戦って、だいたい強いチームがこぞってウェイトハンデを背負っているので、開幕から不本意な成績でウェイトハンデをあまり背負っていないマシンが勝つべくして勝っているイメージがあります。
だからNo.8 ARTA NSX-GTの勝利もまぁ当然と言えば当然……というか、ここで勝てなければいつ勝つの?っていうくらいのチャンスでしたので、久しぶりのNSX-GTの勝利を盛大に祝いたいところですが、ここはお祝いの言葉をシーズン終了まで飲み込んでおきたいと思います。
NSX-GT陣営だって初勝利が目標じゃないでしょう。
ライバルと同じウェイトハンデになったときにどれくらい戦えるのか、そして全車ウェイトハンデが無くなる最終戦もてぎで、日産やレクサスを振り切ってシリーズチャンピオンになれるのか、しっかり注目して見ておきたいと思います。
そんな冷たいコト言ってますが、やっぱりNSX-GTが勝つと盛り上がりますね~
しかも今回はGT300クラスでもNo.55 ARTA BMW M6 GT3が予選ポールポジションから優勝したので、両クラス共にオートバックスカラーのチームが土日通して完全制覇しました☆
1998年から丸20シーズンも国内のGTレースで戦い続けてるNo.55 ARTA BMW M6 GT3の高木真一選手も、予選ポールポジションを獲得して思わずうれし涙(´ノω;`)
20年もレーサーを続けている高木選手でも泣けるくらい、スーパーGTってビリビリ緊張してるんですね~
両クラス完全制覇という、盆と正月とクリスマスとイースターとハロウィーンがまとめてやって来たARTA Project。
チーム代表の鈴木亜久里氏の目にも涙が・・
でも何度も言うようですが、この1勝だけで満足せず、レクサス LC500勢のシリーズチャンピオン争いに割り込んで、ドライバーズポイントの優勝ラインを下げて欲しいですね~
そしてもし、今年のシリーズチャンピオンをNSX-GT勢が獲得した時には、レクサス勢や日産勢から、ミッドシップのおかげとか15kgハンデ軽減したおがげだとかいっぱいブーブー言ってくるでしょうけど、「悔しかったらミッドシップに改造してみな!」なーんて言い返してもらいたいです(笑)
ただ、国内のスーパーGTでミッドシップのNSX-GTがズルいだのどうのこうの議論していても仕方ありません。
左ハンドルの共通モノコックを使い、エンジンは2リッター直噴ターボでルールを統一し、来年か再来年には「Class 1」という名でDTMドイツツーリングカー選手権と合流してハコ車世界一決定戦を開催することを夢見ていましたが……
ここに来てメルセデス・ベンツが、2018年シーズンをもってDTMドイツツーリングカー選手権の活動を終了することが発表されました。
日本のスーパーGTに例えると、GT500クラスを盛り上げてきたレクサス・日産・ホンダのうち、どれかひとつが欠けるようなものです。
イギリスやフランスで2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売終了を目指すと発表したり、インドでも2030年までに国内販売を電気自動車に限定する方向に進んでいます。
さらに中国でも、電気自動車などの新エネルギー車の生産を来年から義務づけたりと、100年続いた自動車の歴史が今、ガラッと転換しようとしています。
そんな時代に市販車の面影がかろうじて残ったような魔改造ボディで、ガソリンたくさん焚いてスピードを競うレースをするのはもう遅れてるってことなんでしょうか……
DTMドイツツーリングカー選手権に取り残される形になったBMWやアウディも、世界一のハコレース「Class 1」を盛り上げようと日本のスーパーGTに交流戦を申し込んだ時、ミッドシップのマシンがオラオラ言わせてたらビックリでしょうね~(笑)
……話がだいぶ逸れましたが、改めて真夏の富士スピードウェイで魅せてくれた、日本のトップドライバー達のプロのバトルを紹介します。
No.17 KEIHIN NSX-GT 小暮卓史選手を追うNo.38 ZENT CERUMO LC500 立川祐路選手(↗️)。
この後、どこを通ってオーバーテイクするのか注目!
前方を走るGT300のウラカンに突っ込みそうな勢いで突貫し、KEIHIN NSX-GTの小暮選手を端に追いやりながらオーバーテイクに成功するZENT CERUMO LC500 立川祐路選手!!
これぞプロの業!
自身の乗っかるマシンや自らのレーシングスーツをたくさんのスポンサーステッカーで満たし、観てるファンに感動を与える走りをする。
もう内燃機関の時代じゃないのかもしれませんが、このGT500クラスの空気を切り裂くような速さは、いつまでも観ていたい伝統芸能ですよね~
開幕から先日のSUGO戦まで大量にポイントを稼いだレクサス勢は皆、エンジンの燃料流量制限やウェイトハンデを積んだりしているので、富士スピードウェイを征することはとても厳しいです。
No.38 ZENT CERUMO LC500も厳しいハンデを背負わされているので、前を走るNo.24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rより1段階燃料を絞られ、さらに重量もハンデのせいで重くなってます。
しかもGT-R勢は前戦SUGOからバージョンアップされたエンジンを積んでるので、約1.5kmのメインストレートでヨーイドン!するとZENTに勝ち目はありません。
しかし、そんな不利な状況でも果敢に勝負を仕掛けるのが、ZENT CERUMO LC500 立川祐路選手!!
最終コーナーでフォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rのインに飛び込み、相手にマトモなコーナーリングをさせないことで加速のタイミングを遅らせてます。
ZENT立川選手の方は理想的な立ち上がりから加速に入り、これでメインストレートでの競走はほぼ互角!
300km/h弱のハイスピードで軽く車体同士を擦らせ、フォーラムエンジニアリングADVAN GT-RのJ.P.デ・オリベイラ選手をチビらせておいて、1コーナーのイン側をいただきながら~……
……オーバーテイク!!
ウェイトハンデの差が戦力の絶対的な差で無いことを証明しました!
No.38 ZENT CERUMO LC500は予選6位からのスタートでしたが、これで4位浮上!
NSX-GTやGT-Rを料理してきたZENT立川選手は、シリーズチャンピオンのライバルでもあるNo.36 au TOM'S LC500を27周目の1コーナーで抜き去って、表彰台圏内の3位までポジションアップし、パートナーの石浦宏明選手に後半スティントを託します!
石浦選手がピットアウトした時には、もう目の前には2位走行中のNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが!
お互い同時にピットインしたので、ここから先はドライバー同士でカタをつけなければなりません。
真夏の富士スピードウェイでの松田次生選手の通せんぼジジイっぷりは、10年以上スーパーGTを観戦しているベテランファンには有名な怪奇話です(笑)
2005年の第6戦で繰り広げられた、No.32 EPSON NSXの松田選手とNo.38 ZENT セルモスープラのバトルは、今でも語り継がれる名勝負ですよね。
ほぼ2台重なるような距離まで近づいても絶対に譲らないMOTUL松田選手!
MOTUL松田選手がふくらんだ一瞬のスキを突き、ZENT石浦選手がインから勝負をかけるも、MOTUL松田選手が真っ黒いブラックマークを残しながら立て直し懸命にブロック!
ピットでモニターを見つめるロニー・クインタレッリ選手もウ○コ踏んばってるようなこの表情www
結局、30周以上に渡るレクサスの赤と日産の赤の決死のバトルは、MOTUL松田選手の鬼ブロックが勝り、MOTUL AUTECH GT-Rが2位、ZENT CERUMO LC500が3位で終わりました。
決勝レース終了後の深夜、ZENT CERUMO LC500の石浦宏明選手がアメーバにアップした言葉がとても印象的でした。
「本当はブレーキング中にラインを変えたらいけないんですが……」
相手を称えつつも愚痴をポロリ(笑)
……そのシーンがこちらでした!
ピットアウトからずっとビリビリのバトルを続けて60周目。
ZENT石浦選手がベタ付けで1コーナーを曲がっていきます……
……まぁ、この辺まではレコードラインをブロックしているとしましょう。
ここからがスゴかった!
ZENT石浦選手がラインを変えるとMOTUL松田選手がすかさずブロック!
それならばとZENT石浦選手が、あえて不利なコカ・コーラコーナーのアウト側に振ると、MOTUL松田選手がゆらゆらと行く手を遮ります。
1コーナーからコカ・コーラコーナーのまでの間に3度も進路を変えて、力業で2位を死守したMOTUL松田選手!
ZENT石浦選手がレース後にアメーバで愚痴りたくなる気持ちも分かります(^-^;
こっちでもレクサス同士TOM'S同士、ハデにやっていますね~
もう車間距離ゼロですww
どっちが勝っても祝勝会の会場は同じなのに、優勝狙ってどちらもガチで戦っています。
秋のツインリンクもてぎでどのチームがシリーズチャンピオンを決めて歓喜に沸くのか・・!
今年は本命不在の戦いなので全く読めません!
そんな激闘の富士ラウンドを終え、スーパーGTの主役たちは今、8月26日-27日の鈴鹿1000kmに向けて着々と準備中です。
ここで、ポイントランキングを整理すると、ドキドキするような事態になっとりました💓
第5戦終了時点でのドライバーズランキングを上位のマシンから順に紹介しますと~……
なんと、GT500クラスのランキング上位勢のマシン達の獲得ポイントがほぼ横並び状態に!
第6戦 鈴鹿1000kmは長距離の為、普段のレースより多くポイントが手に入ります。
普段のレースで優勝すると20ポイントですが、鈴鹿1000kmで勝つと25ポイント!
鈴鹿1000kmを終えると残されたレースは第7戦 タイと第8戦ツインリンクもてぎのみ。
先ほど紹介したランキング上位6台が、もしその25ポイントを手に入れると、シリーズチャンピオンに向けて大きく逃げ切ることが出来ますね。
このランキング上位のマシン達のうち、どのマシンが表彰台に乗ってくるか……!
また、今まで不甲斐ないレースを繰り返してきたチームからしても、この鈴鹿1000kmはラストチャンス!
軽いウェイトハンデを利用してボーナスポイントを荒稼ぎし、タイとツインリンクもてぎも連勝して、逆転でシリーズチャンピオンをかっさらうことも十分に考えられます。
1966年より毎年続いてきた鈴鹿1000kmも今年で最後です。
来年からはFIA-GT3マシンがメインの鈴鹿10時間耐久レースになるみたいです。
ちょっと寂しいですけど、スーパーGTの全てのキャスト達による、FINALにふさわしい感動的なレース……期待しています!