久しぶりにスピーカシステム(言葉の定義ですが、アンプからの入力信号を以って音が「普通に」出る状態のものを”スピーカシステム”とします)を作りました。といっても、2年ぶりぐらいですね。ここのブログにスピーカネタをアップするのはもっと久しぶりです。
聞きたくないかもしれませんが、ちょっと蘊蓄です。このスピーカシステムは、故長岡氏の「ヒドラ」というシステムを真似て、スピーカユニット(同様に、エンクロージャに取り付ける前の裸のスピーカを”スピーカユニット”とします)を音友ムックの雑誌付録のOMP-600(オリジナルはFOSTEXのFF125N)というものに変更しています。ユニットの口径が倍違うのですが、出来上がったシステムとしての大きさはほんの少し小さい程度で、似たようなものになりました。
この変なカタチのスピーカシステムですが、何を目的にしたかというと、「空間音源を狙う」(長岡氏)ということになっています。写真でも分かりますが、スピーカユニット4本が、それぞれ別の位置から別の方向を向いています。これによって、音源位置を特定しないようなシステムになっています。普通の市販のシステムでは、例えばフルレンジなら当然1本だし、2wayならウーハユニットとツイータユニットが同じバッフル面に設置されて、同じ方向(リスニングポジション)を向いています。これはそうではない効果を狙ったものになります。
また蘊蓄ですが、スピーカシステムを作る場合、特にエンクロージャ(箱ですね)を設計、製作する場合は、それによって起こる様々な余計な音を排除する必要があります。今回の場合も、エンクロージャ起因の定在波が盛大に発生してしまいました。定在波は、平行面に発生する1/2波長の共鳴状の音で、直方体の一辺の長さが30cmの場合、これが平行面となって約550Hzにピークがでてしまうので、これを排除する必要があります。色々と工夫をしたのですがうまくいかず、結局吸音材(ニードルフェルト)をしこたまエンクロージャ内に詰め込むという安易な方法で解決しました。
で、出てきた音ですが、何とも不思議な音です。まだ慣らし運転(クルマと同じですね)が済んでいないので本領は発揮できていないと思いますが、位相が合っていないような、散漫な音になっています。長岡氏が製作したときの記事では
「ヒヤリングは正直驚いた。これは実験である。音はまったく期待していなかった。ところが最初の音が出た瞬間からギョッとした。不気味なまでの臨場感、そこに誰かいるという感じが実に生々しく迫ってきて、スピーカの存在をまったく意識させない。・・・・」
というのがあって、これを期待していたのですが、何か違うのかもしれません。まあ、のんびり付き合っていきたいと思います。
ところで、ワタシもそろそろ還暦になります。そんな自身の年齢を考えると、今の自分の環境を整理して終活に向けた活動を始めないといけないのかな、なんてことをぼんやり考えています。が、スピーカシステムを設計して製作したり、今のネット環境がADSLなので光に変えないといけないとか、光に変えたらメインのPCを少しアップグレードしようかなとか、使っているスマホの機種変更をしようかなとか、やることが多くて少し悩んでいます。体は徐々に衰えていることを実感しますし、自分の活動をそろそろ縮小しなければいけないのかなと思うと、寂しい話ですね(笑)
Posted at 2020/05/31 10:42:51 | |
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