2014年12月26日
WRX S4に搭載されている「リニアトロニック」。
WRXにCVTということで賛否両論ありましたが
実際の感じはどうか?私の視点で少し書いてみたいと思います。
※以下は完全に主観に基づいて書いております。
ご不快を感じそう、気分を害される可能性のある方はご遠慮下さい。
このリニアトロニック自体、CVTでは一般的な方式である「ベルト式」ではなく
「チェーン式」になります。
このチェーン式のCVT、アウディも「マルチトロニック」として採用していますが、
ベルト式と比べると伝達効率が高いという長所がある反面、
音が大きいという短所を持っています。
そういった特長のあるリニアトロニック、まず気になるのが「ダイレクト感」ですが
トルコンATと比較しても「ほとんど」遜色はないと言っていいと思います。
「ほとんど」と書いたのは、SI-DRIVEが「I」モードの場合において強めに発進する際に
一瞬だけ滑る場合があります。
ただこれは本当に一瞬です。
この一瞬以外はトルコンAT以上のダイレクト感があると言ってもよく、
低速から高速までどの速度域においても、アクセルの踏み込み量にきちんと比例して
ダイレクトに加速していきます。
まるでエンジンのトルクを直接タイヤに伝達するかのような加速感です。
(加速の際の「一瞬」も、「S」や「S#」にすると気にならなくなります。)
「エンジンの音だけ大きなってなかなか加速しない。」
「アクセルと加速量が比例していない。」
というイメージもあるCVTですが、このリニアトロニックに関しては
全く当てはまらないと思います。
加速感が途切れないのもCVTの特長ですが、S4の場合SI-DRIVEが「S#」モードの場合と
アクセルの踏み込み量が一定以上の場合
トルコンATのようなステップ変速をするような制御になっています。
とは言え基本的に加速は途切れをあまり感じさせず、
滑らかにそして一気にグイグイと車体を加速していきます。
そしてCVTが苦手とするのが高速域ですが、これも常識的な速度では全く問題なしです。
高速道路における減速→再加速などにおいてもアクセルに忠実に反応しますし、
キックダウンにおけるショックもなく余裕綽々と再加速していきます。
そしてS4には「マニュアルモード」も搭載されています。
こちらはまだそこまで試していませんが、触った限りでは
かなりスパスパと素早くメリハリのある変速が楽しめます。
ちょっと攻め込んで走りたい時、メリハリのある変速をしたい時などは
ちょうどいいかもしれません。
こちらは「S#」の時にかなり威力を発揮しそうです。
そして次は「音」。
こちらはトルコンATに比べて正直少し音がします。
音は低めの「シュイーーーーン」という感じの音で、
不快な音ではなくメカニカルな音ということでWRXらしいといえばWRXらしいと言えます。
またWRX自体もともとロードノイズやターボの音が結構室内に入ってくるので、
スピードが上がっていくに連れ殆ど気にならなくなります。
この点については静粛性が絶対重視!というのであれば少し厳しいかもしれません。
ただ以前試乗したレガシィ アウトバックではこの音についてはあまり気にならなかったので
アウトバックではしっかり遮音対策がなされているのかもしれません。
リニアトロニックでもS4のタイプはスポーツリニアトロニックというタイプですが、
個人的にはダイレクト感やドライバリティ面で不満を抱く部分は皆無です。
良い意味で従来のCVTのイメージからはかなりかけ離れたものだと思います。
私はダイレクト感が売りのDCT(デュアルクラッチ)の車を運転したことはないですが、
少なくとも前車ISのトルコンAT(6速)と比較して
この点について劣っているところはないと思います。
音については確かに無音ではありませんが、
もともとWRXという車自体、もともと静粛性重視の車ではなく他にも音が入ってくるので
そちらにかき消されてしまいあまり気になりません。
アウトバックの試乗では気にならなかったところを含めても
WRXで特にこの部分の遮音性にこだわっているわけではなさそうです。
「走る音も楽しんで下さい!」ということだと私は捉えております(笑)
ということでリニアトロニック、個人的には大満足です。
スバルの開発者の方がこのトランスミッションにこだわっているのも
とてもよく分かる気がします。
S4の運転の楽しさを上手に引き出す、そんなトランスミッションだと思います。
Posted at 2014/12/26 19:33:44 | |
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