「みちびき」5号機 打ち上げ中止 設備系に異常発生
2025年12月17日午前5時21分
(2025年12月17日午前11時55分更新)
宇宙
日本版GPS衛星「みちびき5号機」を載せたH3ロケット8号機は、17日午前、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる予定でしたが、直前にカウントダウンが止まり、打ち上げは中止されました。JAXA=宇宙航空研究開発機構は設備系に異常が発生したとして、詳しい状況を調べています。
日本版GPS衛星「みちびき5号機」を載せたH3ロケット8号機は、17日午前11時11分、種子島宇宙センターから打ち上げられる予定でしたが、およそ17秒前にカウントダウンのアナウンスが止まり、打ち上げは緊急停止されました。
JAXAによりますと、設備系に異常が発生したということで、JAXAは17日の打ち上げを中止して、詳しい状況を調べています。
H3ロケットは、おととし1号機の打ち上げに失敗し、対策を講じたあと、ことし10月の新型宇宙輸送船「HTV-X」の打ち上げまで5機連続で成功しています。
打ち上げ見守った人「このタイミングでの中止はびっくり」
H3ロケットの発射場から北西に6キロメートルあまり離れた、鹿児島県南種子町の公園には、多くの人が集まりました。
午前11時すぎ、集まった人たちはカメラやスマートフォンを持って、待ち構えていましたが、予定時刻を過ぎてもロケットは打ち上がりませんでした。直後に打ち上げが中止されたことがアナウンスで公園内に伝えられると集まった人たちからどよめきが起こっていました。
鹿児島市から訪れた人は「残念です。びっくりしていますが、再び打ち上がることを楽しみにしています」と話していました。
また、種子島の中種子町から訪れた人は「残念でしたが、また見に来ようと思います。このタイミングでの中止はびっくりしましたが、成功するためにまたがんばってもらいたいと思います」と話していました。
人工衛星「みちびき」とは
「みちびき」は、アメリカのGPS衛星を補完し、スマートフォンやカーナビなどの位置情報の精度を高める人工衛星で、日本版GPS衛星とも呼ばれています。
2018年に4機体制での運用が始まり、2025年2月には今回打ち上げられる5号機に先立って6号機が打ち上げられました。
政府は今回の5号機に加え、2026年2月に7号機を打ち上げ、7機体制で運用する計画で、実現すれば海外の衛星に依存せず日本の衛星だけで位置情報を提供することが可能になるとしています。
7機のうち、5号機と6号機、それに7号機には、衛星どうしや、衛星と地上の距離を双方向から計測する新たな機能が備わっています。
この機能が将来、7機すべてに搭載されれば、精度が飛躍的に向上する「高精度測位システム」が実現し、スマートフォンなどで位置情報を受信した際の誤差が現状の最大10メートルから1メートル程度にまで改善されるということです。
また、政府は将来的に11機体制とすることを計画していて、運用中の衛星が故障しても位置情報を変わらず提供できる体制を確保したいとしています。
Posted at 2025/12/17 13:41:18 | |
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