JR120XEのブログ|Fifty Bellが聞こえる・・・ - みんカラ
こちらも・・・キャラメル箱潰れシリーズなので
早めに作ってあげなければいけません
近年Airfix(エアフィックス)のキットは箱が赤箱となり
過去にラインナップされた商品が次々リニューアルされ
Boulton Paul Defiant(ボールトンポール デファイアント)も
新たなキットとしてリリースされておりますが
かなりマニアックな飛行機なので他のメーカーからは
長い間商品化される事も無かったので
作るのは1960年発売から何度も再版が繰り返された
シーラカンス的な旧金型のキットになります。
Boulton Paul Defiant(ボールトンポール デファイアント)は
後席に7.7㎜機銃4門の旋回銃塔をつけた独特の姿が魅力的な
イギリス空軍の複座戦闘機です。
AIRFIX(エアフィックス)のキットは、発売当時の眼で見ても
かなりラフな仕上がりで新金型が登場して以降は無理して
旧版を作る事も無いのですが・・・
組みあがるとそれなりに見えてしまう
不思議なキットで旋回銃塔から4門の銃身が飛び出た勇ましいですね
機体上部中央に装備した旋回式銃座が特徴的なボールトンポール デファイアント
航空史上屈指の珍機とも言われる所以がこの旋回式銃座でした。
デファイアントの開発当時は発達著しい爆撃機を重要視する風潮から
世界的に「戦闘機不要論」が幅を利かせていました。
これは敵国の首都や主要な軍事目標を直接攻撃できる
長距離飛行可能な戦略爆撃機があれば・・・
戦争の形態は一変するという考えから・・・
「防御力と高速性に優れた迎撃不可能な大型爆撃機を揃えれば、
戦闘機はいらない」というように考えられた概念で
この概念に基づきイギリス空軍は敵爆撃機の脅威から自国の空を守るための
迎撃戦闘機を整備する計画を立てます。
そこで出てきた考えが従来パイロットが単独で行っている飛行操作と攻撃を
2人で分担すれば効率的に敵機と戦えるのではと言う物・・・・
その為、武装は銃座に集中配置する形をとっており、7.7mm機銃を4連装で装備
機首方向以外、後方、左右、上方の様々な方向に対して射撃を行うことができ
しかも・・・垂直尾翼に銃弾が当たりそうになった場合は、その射角のだけ
自動的に銃座への電気が遮断され射撃が停止するようになっている中々の優れモノでした・・・
ところが・・・1940(昭和15)年7月ヨーロッパ大陸から撤退し
イギリス本土をドイツ軍の爆撃にさらされ「バトル・オブ・ブリテン」と呼ばれる防空戦いわゆるが始まると・・・
「旋回機銃単発戦闘機」呼ばれる異色の機体「デファイアント」にも
任務が下されますが・・・第2次世界大戦前に考えていた“独自の”
空戦理論を基に作られた機体
いざ飛ばしてみると、普通の単座機より鈍重で満足な運動性能が
発揮できないことが判明・・・
しかも期待されていた旋回銃座も
7.7mm機銃を4門備え、1か所に火力を集中できることはよかったのですが
自機の垂直尾翼やコックピット、プロペラなどへの誤射を避けるため・・・
自動的に射撃がストップする角度が設けられており・・・
理論通りの広い射角を得られませんでした(;^_^A
そして・・・肝心のメッサーシュミットBf109など戦闘機相手では、
一方的に撃墜されることが多く、配備直後から早くも2線級の機体という
位置づけになってしまい昼間戦闘機としての役目から外されます。
その後「デファイアント」は、夜間戦闘機としての運用も模索されましたが
本格的な夜間戦闘機が登場すると、その役割も終えることになります。
画期的な空戦論を体現したはずの「旋回機銃単発戦闘機」という機種は・・・
後に後継機が続くことはありませんでした。
