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Nackyのブログ一覧

2013年11月29日 イイね!

廃校紅葉ナチュラルハイ

廃校紅葉ナチュラルハイ以前に何度かブログにも書いた987ケイマンの異音ですが、自分やショップでバラして点検しても原因が分からずに半ば諦め状態でして、殆ど乗ってません。乗る度に症状が悪化しているので、心配なのとガタガタとうるさいので乗る気になれないのが本音です。素性はとても良いクルマなのに、こうした原因不明のマイナートラブルはとても残念です。
というワケで、引き続きバイクネタです。南房総は関東で最も遅い紅葉が見られるので、紅葉狩りツーリングに行ってきました。比較的短距離なので、嫁さんと久々にタンデムツーです。WRはおよそタンデムには向かないバイクですが、何故か家内は喜んで後ろに乗ってくれます。過去に乗っていた大型バイクのタンデムは、パワーがあり過ぎて少し怖かったらしい^^;

とはいえ、タンデムだと往復250kmぐらいがケツ筋的な限界(?)なので、行き先は自宅から約70kmの養老渓谷界隈に決定。R297の馬立付近からいくつもの林道を繋いでアプローチします。この辺りは林道や農道が網の目のようにはりめぐらされており、ひとつ道を間違えるととんでもない所に出てしまいます。でもって、今回もやらかしました。大福山展望台に向かう林道を走っていたつもりが、ダートから廃道となり、しかも前日の雨でグッチャグチャのヌッタヌタ。いくらモタードバイクとはいえ、完全なロードタイヤにしかもタンデムとあっては、全く走破不可能(汗)。それでも諦めずに先に進んだことが傷口を広げてしまいました。いくつもの崩れかかった素堀りのトンネルや崖崩れを乗り越えた先は、さらなる泥沼地獄。完全にタイヤが埋まってしまい、そこから抜け出すだけで大幅にタイムロスしちまいました。嫁にも手伝ってもらって、泥にハマったバイクを引き起こし、狭い林道を力づくでUターン。二人とも汗だく&泥だらけです。写真は引き返して安全な場所に出てきたところ。家内も既に力尽きてます。


泥地獄を何とか抜け出し、里山をノンビリ走ります。いや決してノンビリじゃなかったけど^^;この辺りは「市原市の宝(?)」とも言われる小湊鐵道が通っており、運が良ければ超ラブリーな古いディーゼルカーが見られます。


写真は月崎・上総大久保間の小湊鐵道の撮影スポット。列車を待とうと思い調べてみると、次に来るのは1時間後なのでアッサリ諦め、日も短いので先を急ぎます。


養老渓谷はこの時期ならではの凄い人ごみです。いつもは正直うら寂しい観光地なのですが、みなさん思い思いに紅葉狩りを楽しんでいます。梅ヶ瀬渓谷から大福山にかけては素晴らしい紅葉。しかし、バイクを降りるのがメンドかったので、写真は殆ど撮ってません。


大福山から先はハイカーの姿は殆どなくなり、対向車にも全く出会わない細く暗い山中の林道となります。一部ダートもあるけど概ね簡易舗装された走りやすい道。モタードには楽しい狭小屈曲路です。夏場はよくヘビが横断しているので轢いてしまわないように注意が必要。いくつかの分岐を通り、秘境のような小さい集落に残る福野小学校跡に到着。山中に佇むそのオール木造の風情ある校舎は、20年ぐらい前に初めて来た時には、幻を見たのかと思ったほどでした。2002年に廃校になってしまったらしく、しかも数年前に訪れた時よりも廃墟化が進行していました。


錆び付いた校門の外から校舎を眺めていたら、軽トラで現れた地元のおっちゃんが「中に入って見学してもいいよ」とのお言葉を頂いたので、ギイギイと校門を押して校庭へ。この校庭の中心には大きなあすなろの木があり、滑り台の隣には桜の老木があります。きっと春はこの桜が満開で、夏は周囲の山の蝉時雨、そして秋は紅葉に囲まれて、ここではいじめなんか無かったんだろうなあ。


さてさて、この季節は日が暮れるのがマッハなので、暗くならないうちに家路につきます。本当は安房勝山まで出て、街の魚屋で新鮮なカワハギを仕入れていこうと思ってたんですが、ケツ痛も限界なので、上総一ノ宮の魚屋でアジとウルメイワシを仕入れ、真新しい圏央道に乗って一気に夕暮れの幕張へ帰還。さっそく魚をさばいて日本酒で一杯。この季節のカワハギの肝和えも最高ですが、脂ののったウルメの刺身とアジのタタキだってなかなかのもんですよ!
Posted at 2013/11/29 15:40:09 | コメント(3) | トラックバック(0) | モーターサイクル | 日記
2013年11月15日 イイね!

【納車1周年】YAMAHA WR250Xインプレ

【納車1周年】YAMAHA WR250Xインプレウン十年前に中型免許をとって初めて買ったバイクはYAMAHA RZ250でした。それからオフやエンデューロ/モトクロスにハマり、限定解除してからはDucatiやKTMといった外車の乗り味、サーキット走行にもハマり、10数台のバイクを乗り継いで、昨年になって再び250ccに帰還。ブッちゃけのところ、車検が面倒になったことと、マンションの駐輪場が狭く大型バイクを押し引きしての出し入れが億劫になってきたことが原因です(トシですな…)。去年まで所有していたKTM640もオイル漏れや再三のバッテリーあがり等のマイナートラブルがあったため、信頼性の高い国産メーカーのライトウェイトで俊敏な250にスケールダウンすることにしました。

候補モデルはYAMAHA WR250Xの一択で競合モデルはナシ。2007年にデビューした頃からその本気の高性能ぶりはネットや誌面で知っていたし、どうせ250になってパワーダウンするのであれば、モタードやオフ車が好きな自分にはコレしか選択肢がない状況でした。しかし、購入前に念を入れて近所のYSP店でホワイトの試乗車を調達。確かに250なりのパワー/トルクだが、気になるほどパワー不足ではない。いや、むしろ町中ではかなり速い!ってなワケで、KTM640を下取りに出して昨秋に新車を購入。

YSP店で乗った試乗車

無事納車され、早速ナラシのツーリングに茨城・房総へと向かいます。今までのオフ車とは一線を画する高い質感と手応えは、さすがに少々お高いだけありますね。アイドリングは、今までの4スト250ccシングルの「トントントントン…」という牧歌的なものではなく、「ドルルルル…」という異次元のもので、否が応でも高回転・高出力の高性能さを感じさせます。しかし、やたらに回りたがるエンジンはナラシ走行にはキツい(汗)。
ナラシ中に気付いたことは、フルアジャスタブルの前後サスとシャシーの素晴らしさ。従来のオフ車のように捻れたり腰砕けになったりすることが全くありません。問題なのはケツの痛み。ほっそーくてかったーいシートは三角木馬そのもの。ちなみに乗る時はモトパンやレザーパンツの下にサイクルジャージ履いてます。7Lチョイしか入らないガソリンと併せて、これじゃ長距離は難しそう。ちなみによく言われる足付きの悪さは、身長175cmの自分では両足ベッタリですが、170cm以下だとちょっとツンツンするかも。車体が軽いので万一グラッときても余裕で支えられますが。

ナラシツーで早くもケツ痛が…

1000km走ってオイルとエレメントを交換し、同時に最初のモディファイ。リヤ周りをフェンダーレス加工し、ナンバー灯をLED化。さらにホイールにイエローのリムテープを貼りました。このリムテープは二輪車用ですが、各色あるのでクルマにもお手軽なモディファイとしてオススメです。19インチ用は無いかもしれませんが。また、着座位置を上げてコーナリング時の体重移動をしやすくする為、輸出仕様車用のハイシートに交換。これでシート高が更に高くなって足付きが劣悪になりましたが、軽いので片足でも楽勝です。

フェンダーレスのプチモディとリムテープ

昨年は秋から冬のいい季節にかけ、毎週のように乗り回し、ワインディングを攻めまくりました。250とは思えない速さとハンドリングと高剛性で、タイトな峠ならリッターバイクを楽勝でカモれます。中速ワインディングでポルシェ996C4とバトルして勝った(これこれ)こともありました。今まで乗っていたどのバイクよりも、タイトワインディングが速く走れます。これホント。ただし中〜高速ワインディングでは、大排気量車の加速には足元にも及びません。そりゃ250だしね。

秋〜冬はサイコーっす

マシンの性格上、のんびりトコトコと走ることや長距離ツーリングには向きませんね。ケツ痛を誘発する細くて固いシート、立ったポジションは高速巡航がキツく、軽さ最優先のためタンク容量が少なく航続距離は200kmしかありません。それでも、シングルながらパワフルで振動が殆ど無いので、風圧さえガマンすれば1ぬぅあkm/hぐらいまでなら高速巡航もなんとかイケます。これは既存の250オフではできなかったことですね。
タンデムはハイシートにすれば想定外に楽です。いや、決してツアラーほどには楽ではないけど、往復300kmのタンデムツーリングにも行きました。基本設計がオフ車なので、フラットなダートや林道にもガンガン入っていけます。前後フルアジャスタブルのサスをセッティングすれば、サーキットもかなりのペースで走れてしまいます。故障は今のところありません。

ガレてなければ林道ツーも楽勝

スタイリングは非常に満足。もともとYAMAHA車のデザインはGKダイナミクスが手掛けているので、国産車の中でも群を抜いている(あくまでデザイナーとしての個人的感想)と思っていますが、現代的なシャープさとオフ車ならではのスリムなシンプルさを纏ったWRは文句無くカッコいい。ケニー・ロバーツを彷彿とさせるイエローのUSインターカラーも好みです。

1年間で8,500kmと、長距離に不向きなバイクながら結構乗ったと思います。確かに価格は250にしてはお高いですが、エンジン・シャシ、サスの全てに金がかかってます。この価値と高性能さが分からないと、ただ単に割高の250バイクでしかありません。こうした設計思想はポルシェにも通じますね。ですので、バイク歴の長いベテランにはオススメできます。もちろん、バイク初心者がこうした高性能車からバイクライフに入ることは素晴らしいと思います。

弱点と気になる点も記しておきます。
・少ないガソリン容量に於ける航続距離の短さ
・ボルトナット類はユニクロメッキで質は高くない
・提灯のように暗いヘッドライト
・100kmも走るとケツが割れる細くて硬いシート
・荷物積載能力はほぼゼロでやんす

総評として、個人的には250のベストバイです。このバイクが気になっている方や欲しいと思っている方には、自分の価値観に於いて楽しさは全面的に保証します。とはいえ、よく言われている「リッターもカモれる」は明らかに言い過ぎ^^;
ウン十年前に乗り回していた2スト250ccバイクに跨がる時のワクワク感、それを思い出させてくれるバイクです。中身がガキなオッサンがさらにガキに戻ってしまいます。来年はDIYで少しカスタムしてみますか。


【追記】
2014年秋の15,000km時点でエキパイをPower Boxに交換してエアクリーナーボックスを加工し、ワインディングでコケて貴重なインターカラー外装のナラシも終了した(泣)ので、外装をホワイトに交換しました。Power Boxはイイです!ノーマルマフラーは重いけど静かだし出来は良いので換えてません。
国産車はパーツも安く入手も容易でメンテは全て自身で行っているので非常に安上がりです。しかしタイヤは既に5セット目…。(現在はDUNLOP α-13を装着)
Posted at 2013/11/15 18:35:58 | コメント(3) | トラックバック(0) | モーターサイクル | クルマ
2013年08月13日 イイね!

生まれて何回目の夏ですか? 〜KAGEROUミッドサマー

生まれて何回目の夏ですか? 〜KAGEROUミッドサマーいやいや、クソ暑いわクソ忙しいわでストレス溜まりまくってたんで、朝方にネットオセロで小学生コテンパンにしてやろうと思ったら、5分で返り討ちされまして、今日はこのへんで許しといてやる。

というワケで(?)相変わらず仕事三昧で、夏が僕の上を虚しく通り過ぎて行きます。空いているラッシュの電車、夏全開のテレビ番組、花火大会や夏祭り特集の雑誌、行楽に向かう若者や家族連れ、すべてが自分の「何もできない夏」のもの悲しさを助長します。しかし先週の日曜(8/11)に奇跡的に休めたので、これが最初で最後の夏休みとばかりに、バイクに跨がり房総の里山へ繰り出しました。よっしゃ、夏を満喫だ!

…ところが、これがとんっでもねえクッソ暑さですよ(汗

長年バイクに乗ってるけど、たとえ真夏でも例えば林道や木陰を走れば多少は涼しくなるのに、山の中を走っててもまるでドライヤーの熱風を浴びているよう。日当りの良い田んぼの中を走る道なんざアンタ、まるで何かの罰ゲームじゃないかと思うほどの灼熱地獄。走っていてもゴーグルの中まで汗が滝のように流れてくるんで、痛くて目が開けられません。膝の前にあるラジエターからは常に熱風が吹き上げ、股間で爆発を続けるエンジンはものすごい熱さ。こんな凄まじい暑さは長年バイクに乗っていても経験がないほどの気温。信号待ちで少しでも止まると、アッという間にラジエターのファンが回り出す始末。路面温度が高過ぎてラジアルタイヤが溶け出すのが早くてやたらズルズル滑るので、フルバンク状態での接地感が掴みきれない。しかし、国産車ってこんな信じらんない灼熱地獄の中でもちゃんとオーバーヒートせず走るもんですね。

涼しい筈だった養老渓谷界隈の林道を走り回り、上総中野駅に到着。突然現れた、頭髪まで汗ビッショリで異臭を発するウェアとゴツいモトクロスブーツ姿のうす汚いオッサンライダーに、ローカル駅の小さい待合室にいた人達もドンびき。それまで携帯していたミネラルウォーターを飲み干していたので、自販機で思わずオランジーナを買ってグビグビ一気飲み。いっそCMみたいにクソガキに思い切り笑われるほうが、このミジメな姿の慰めになるってもんです。異常に蒸し暑い駅構内には、タイミングよく旧国鉄のキハ28&52編成と小湊鉄道のキハ200が並んでました。よく見ると、左側のキハ28は冷房装備車なんですね。しかしこう暑いと旧いディーゼルカーの冷却も心配になりますな。


あまりの暑さに上総興津あたりのビーチまで出ようと思い(なぜか勝浦界隈はいつも涼しい)、県道を繋いで走ります。しかしプチ脱水症状かプチ熱中症なのか、コンビニを見つける度にヨロヨロと停まってミネラルウォーターをガブ飲み。こう暑いと「ウィンカー出して、停止して、スタンド出して、支えて、降りて、ヘルメットとグローブ脱いで」という一連の動作を想像することすら億劫で、そのうちただひたすら走るだけになってきました(せめて走行風を浴びていないと死にそう)。すると、通り慣れた裏道の筈なのになぜか道に迷ってしまい、走れど走れど田んぼと畑の中の一本道。一体ここはどの辺りなんだ?容赦なく照りつける太陽の下、陽炎の中を苦行のように延々と走り続けていると、しまいにはこれは全て幻想で、自分の頭の中を走っているんじゃという妄想に取り憑かれてきました。

しばらく走ると、農道から一本入った小道の脇に、子供の頃に見たような風景に遭遇。なんだか妙に懐かしくなって、ヨロヨロとバイクを停め写真を撮りました(タイトル写真も)。確かに、子供の頃の夏休みに母親の実家に行って、こんな関や小川でフナやクチボソや水生昆虫を獲っていた記憶が蘇ります。遠くの景色は陽炎で歪み、道路にはギラギラとした逃げ水。日々の超多忙の中で忘れかけていた夏がそこにありました。


しかし、このクソ暑さの中を出歩いている人やツーリングライダーも皆無。それもそのはず、この日は千葉の茂原で39.8度!こりゃ完全に物好きライダーじゃん自分。もうろうとしたままいつしか長南の街からR409に抜け、茂原方面へ走っていると、前方にどこかで見たモディを施したアクセラセダンが…偶然にもみん友のarisaさんでした。暫くarisaさんの後ろを走っていたんですが、向こうが自分に気付かないまま細い道で追い抜かせてもらいました。今度会ったらゆっくり話しましょう!

長柄の道の駅でかなり長い時間ダウンしていると、ようやく少しずつ陽が傾いてきたので、ヒグラシの声を聞きに長柄ふる里むらまで。ここの夕暮れ時のヒグラシの大合唱には本当に癒されます。しかし、この時間になってもまだ異様に暑い!汗が止まらん。


周囲が暗くなってくると、バイク乗りは視覚より嗅覚や聴覚が研ぎすまされ、自然の音や匂いを強く感じることができるもの。ふと、どうしても稲穂が実る香りを感じたくなり、田園地帯へとバイクを走らせます。田んぼと農道以外に何もない場所。夏の夜の湿った風に運ばれてくるのは実りつつある稲穂の匂い。そして夏の虫の声。灼熱地獄のあとの、そんな癒しのひととき。(写真は限界まで増感しているので粒子が荒いです)


…と思ったら、バイクのヘッドライトめがけて大量の蛾やヨコバイやウンカや羽アリが雨のように飛んできます。ウェアやゴーグルにバシバシと当たって潰れ、タイヘンなことに(泣)。市原ICから館山道と京葉道を経て、ようやくホームタウンに帰ってきました。リヤタイヤのエッジを見てみると、まるでサーキット走行後のようにドロドロに溶けてアブレーションが出てました。実は乾いた砂が積もったフカフカのダートでコケたので(爆)、砂ボコリを雑巾で拭いてやろうと思ったら、バイクのカウルがいつもとは違う手触り。そこにはおびただしい数の潰れた虫さん達が張り付いてました。ただ合掌あるのみ。南無。


真夏の炎天下での無謀なバイクツーリングは、お手軽に夢が見られます(苦笑
Posted at 2013/08/13 16:19:17 | コメント(4) | トラックバック(0) | モーターサイクル | 日記
2013年04月16日 イイね!

新緑のヘボーソー

新緑のヘボーソー「ヘボーソー」といっても、暴走するわけでもヘボな走りをするわけでもない。まあ、自分はヘボい人間なのだけど。知らない人以外は知ってるかと思うけど、「ヘボーソー」とは勝手に尊敬するサイクリストの兼堀君が作った造語で「平日に房総へ遊びにいくこと」なのだ。もっとも、自分が一方的に兼堀君のことを知っているだけで、向こうは僕のことなど一切知らないと思うけど。なぜ尊敬するのかといえば、兼堀君は自分と同じ生粋の天の邪鬼の香りがそこはかとなくするからなのだ。ゴメンね兼堀君。

1月から4月上旬まではメいっぱい忙しかったので、こんな天気が良くて仕事も一段落した日には代休をとってもよかんべと、某日の平日火曜にヘボーソーを敢行。この季節は悪魔のスギ花粉も去り、路面のグリップも安定しているのでツーリングにはもってこい。しかし、平日に遊んでいるとどこか落ち着かないという、なんとも小心者の自分。決してサボってるわけじゃないのに。いや、半分サボってるのか。

いつもの房総内陸のワインディングを繋ぐ決めルートではなく、今日は知らない道を中心に走ってみようと心に決め、まずは千葉市の自宅から下道を行き、市原市から“うぐいすライン”を経て養老渓谷へと向かう。養老渓谷界隈には無数の林道とタイトワインディングが眠っており、自分はそれらを走る為に月イチ以上のペースで通っているので、計算上ではフツーの千葉県民の一生分は養老渓谷に来ている。ついでに、箱根にもフツーの関東在住者の一生分ぐらいは行っているかもしれない。と、余計なことは置いといて、界隈の林道も今では舗装化が進み、オフロードやダートは貴重な存在になってしまった。自分はモタードでもオフをガルルと走りたいヘンタイなので、何となくもの足りない。写真は近年舗装されてしまった大福山林道支線。ココに2ヵ月前に来ていたら鼻と目がタイヘンなことになりそうな鬱蒼とした杉林だが、今の季節は新緑が綾瀬はるかの笑顔のように眩しい。


林道を抜けて尾根を抜ける走ったことのないワインディングを突き進むと、“平沢ダム”に到着。ここは初めて来た。比較的新しいダム湖らしく、湖面から立ち木が顔を出している。平日のダムは静まり返り、何やら少々ブキミな雰囲気。ハンチングをオシャレに被ったオッサンが一人寂しく釣り糸を垂れていた。


ダム湖の奥に進むと、細いダート脇にヤギ助がお出迎え。人が住んでいる気配が無いのに繋がれたヤギがいることが不思議で、さらに奥に進むと山奥の秘境にひっそりと佇む「竹仙郷」なる炉端焼屋が。気になってあとで調べてみたところ、どうやら結構な評判のようで。


通ったことのない県道や広域農道を繋ぎ外房の上総興津に出て、そこから竜宮城のように美しい“守谷海岸”(←記事の一番下)に出た。白い砂浜でコンビニで買ったパンをむさぼり食っていたら、錆びてギィギィうるさい自転車に乗って現れた、真っ黒に日焼けしたヨボヨボのジジィ、いや地元の年老いた現役漁師さんに話しかけられ、1時間ほど貴重な昔話に花が咲いた。今では穏やかなこの守谷海岸は、戦時中は火薬工場があり弾薬庫を狙った米軍機が飛来し爆撃や機銃掃射を繰り返していたそうだ。


外房の海岸線から再び内陸部に戻り、県道を繋いで里山を抜けて上総中野を目指す。いすみ鉄道と小湊鉄道のそれぞれ終点でもあり中継点でもあるこの駅は、里山にポツンとあるメルヘンチックな駅舎がまるでプラレールのようだ。運が良ければいすみ鉄道の旧国鉄キハ52・キハ28や、小湊鉄道のキハ200が里山の駅に並ぶラブリーな姿が見られる。血中鉄分の多い人には超オススメ!


そこからタイトな舗装林道を繋ぎ、初見のワインディングをステップから火花を飛ばしつつフルバンクで駆け抜ける。リヤタイヤの右サイドがかなり擦り減っており、右コーナーでパワーをかけるとズルッとくるが、フロントの安定感に支えられかなりのペースで走ることができる。大きな丘陵をふたつみっつ超えると、小湊鉄道を跨ぐ小道に出た。周囲に集落も何もなく、こんなド田舎を走っているのかと驚いてしまうが、ムチャクチャいい風情だ。


ところで、平日にも関わらずワインディングや林道では結構な数のライダーや趣味車とすれ違った。土日には行列する店も平日なら空いてるし、ヘボーソーするのもなかなかイイものだ。養老渓谷から君津市や市原市の山間の林道をグネグネと抜け、曲がったことのない交差点を曲がり行ったことのない道を走り続けていると、いつの間にか牛久近くに出た。田植えの準備が整ったばかりの稲田が広がる中、小学生達が下校する風景に癒される。


牛久からはおとなしく国道297を行き、市原IC近くに差しかかったところ、遠くから小湊鉄道のキハ200がタンコロで走ってくる姿が見えたので、急いでバイクを路肩に停めシャッターを切った。ちょっと遠かったが、里山を駆けるキハ200に出会えて満足。


市原ICから高速に乗り、一気に幕張の自宅へ。無事に帰還してトリップメーターを確認すると、今日だけで330kmも走っていた。土日は交通量が多いので途中で引き返してしまうことが多いけど、平日は思う存分走ることができて超腹いっぱい。こうしてヘボーソーツーリングは終了した。
自分のバイク遍歴を振り返ると単気筒やツインが大半を占めており(実はマルチは買ったことがない)、排気量もどんどん小さくなってきている。リッターマシンの爆発的なパワーは魅力だが、乗り出す時の気合いや維持費には覚悟が必要だ。ビッグバイクに乗っていた頃は、高速や箱根をぬぅわkm/hでカッ飛んでいたけど、小排気量マシンはそんな気にもならないから安全とも言える。今乗っているYAMAHA WR250Xは軽量なので気軽に乗り出せるが、レスポンスと高回転域を重視したエンジン特性、航続距離が200kmにも満たない少ないタンク容量、体重移動を前提とした細く固いシート、サーキットやワインディングを攻める為の固いサスという装備の為に、ツーリングユースは全く快適ではない。街乗りはまあいいとしても高速道路は苦痛ですらある。土産なんか買うなと言わんばかりに荷物の積載性はゼロ。それ故いつもブン回してストイックにハイペースで走ってしまう。ノンビリ走ろうと思えば走れなくもないのだけど、それではちっとも面白くないバイクだ。しかし、タイトなワインディングでは無敵とも思えるハンドリングや、4スト250cc単気筒にしてはまあパワーもあり、フルアジャスタブルの前後サスと高剛性フレームは素晴らしく、リッターバイクと一緒に走ってもそこそこついていける。従来の市販トレール車に比べて質感も高く、クラスレス感覚だ。その分「250だから遅くても許して」という言い訳がきかない気もするが、ツルシでもサーキットを走れるポテンシャルの全てをまだまだ出し切れていない。精進してライテクを磨かないと。その前に擦り減ったリアタイヤを何とかしないとアカン(汗

※番外
後日通った国道297号沿いにある中古車屋に置いてあったALPINE V6 Turbo。大好きなクルマなのだが、この個体はもうすぐ土に還りそうな状態でちょっと可哀想。
Posted at 2013/04/16 22:50:16 | コメント(4) | トラックバック(0) | モーターサイクル | 日記
2013年04月02日 イイね!

Dreamland(最終章)【真冬の日本海】

Dreamland(最終章)【真冬の日本海】【書きなぐるままの短編小説】Dreamland(3)~真冬の日本海


25才の真冬、僕は弟が住んでいる街を訪ねて金沢にいた。上野駅から夜行寝台特急「北陸」号で、まだ暗い早朝の金沢駅に放り出された。ホームに降り立った瞬間、頬を切るような寒風と冷たい空気に、たまらず反対側のホームに停まっていた七尾線の3両編成の電車に飛び乗った。弟との待ち合わせは昼過ぎだったし、電車の中は暖かいしで、この電車で何処かに行ってみようと、眠い頭で考えていた。やがてけたたましい発車ベルが鳴ると、小学生的な色彩センスで悪趣味なカラーリングを施された電車は、モーターのうなりをあげてゆっくり走り出した。車内は部活の朝練に向かう高校生達に占拠されており、やたらに真っ赤なほっぺたをした丸刈りの野球部員や、制服のスカートの下にエンジ色のジャージを履いたバレーボール部員を乗せ、ギャーギャーと賑やかに話し声が飛び交うまま、能登半島に向けてガタゴトと走り続けた。


30分ほど走っただろうか、途中の駅で高校生が一斉に下車してしまい、その車両には生きてるのか死んでるのかわからない爺さん婆さん達が何人かと自分だけになった。この時間に一人で乗っているヤング(?)が珍しいのか、ジジババとやたらに目が合う。時おり停車してドアが開くと冷気が流れ込んでくるが、シート下のヒーターに暖められ、途中に海をチラチラと見ながら、真冬の朝の光の中を電車はゴトゴトと走り続けた。眩しいはずなのに、朝日が頬に当るとまぶたがくっ付く。


しばらく走ると「次は羽咋、羽咋、終点でございます」というアナウンスにハッとして飛び起きた。既に車内には自分一人となっており、やがて電車は枯れ野の中のポイントを斜めに渡り、終点の羽咋駅へと滑り込んだ。そしてそこは、絶望的なほど何も無い街だった。急行も停車するほど大きい駅のはずなのだが、真冬の朝のキラキラとした光の中、その街は朝っぱらから死んでいた。駅前には何処とも分からない行き先が書かれた無人の路線バスが1台、ガラガラとアイドリングしている。タクシー乗り場には見るからにヒマそうな客待ちタクシーが2台、朝のラッシュの時間帯だというのに、行き交う人はまばらで、駅前にある小さな店は全てシャッターが閉まったままだ。暖をとろうにも、朝食を摂ろうにも、とにかく店が開いていないのだ。そんな中「ようこそ海と寺のまち・羽咋へ」という大きなモニュメントが寂しげだった。

ふと駅前に、「レンタルバイク・レンタサイクル」という看板を見つけ、サビが浮き出たシャッターをガシャガシャと叩いてみた。朝食途中だったのか、口をモグモグさせながら不機嫌に対応に出て来たババァは、僕が客だとわかると突然にこやかに変身し、開店前ながら快くスクーターをレンタルしてくれた。それは、普段自分が好きで乗っている2ストスポーツバイクとは違い、パワーも無くタイヤの空気も抜けかけた原チャリだったが、乾いた排気音をまき散らしながら、僕を乗せて朝の海岸線に向かって走り出した。能登の真冬の朝の空気はイヤというほど冷たく、あまりの寒さで指先の感覚は無くなり、目には涙を浮かべ、耳と鼻はちぎれて後ろに飛んでいった。それでも、井上靖の小説「北の海」の主人公・耕作のように、日本海沿いの小道を走り続けた。 生まれて初めて見る冬の日本海は、見慣れた東京湾や湘南の海とは、趣をまったく異にしていた。想像していたよりも波は静かで荒々しさこそ無いものの、こってりとした緑がかった海面の色や、見たこともない雲の形は、どことなく不安な気持ちにさせるには充分だった。車が1台しか通れないような軽便鉄道の廃線跡の小道は、左手に海を見ながらどこまでも続いていた。


ひと気の無い漁村を超え、軽便鉄道の踏切跡をまたぎ、夏には海の家として使われているような、この場所に似つかわしくないオシャレな、しかし寂れた白い洋館の庭先をかすめ、僕はどこまでも走り続けた。すると突然視界が開け、そこには黄土色の美しく広い砂浜と、相変わらず不安な色をたたえた海原が広がっていた。穏やかな波が細かい砂に打ち寄せては引き、昇り始めた太陽が海面に反射する中、僕は二匹の子犬が自分に向かって駆け寄ってくるのを見た。転がるように走り寄ってきた、耳と鼻先が黒ずんだその子犬たちは、僕が何も食べられる物をもっていないと知ると、僕の顔をかわるがわるペロペロと舐めて、再び転がるようにじゃれ合いながら走り去っていった。そしてその後を、まるで子犬の兄弟のように追いかける幼い少女。そこには腐ったオトナ達の邪念など微塵も無く、陰謀が渦巻く都会の慌ただしさのカケラも無い、少女の純粋な心と小動物が触れ合う、平和で穏やかな夢の国だった。


自分がたどり着けたDreamlandは、この3回を含めてほんの数回だけだ。だからこそ、こうしたまだ見ぬ世界を目指し、いつまでも走り続けるのだろう。そしてジジィになっても、そうした冒険心は決して忘れたくはない。金では買えないものは、きっとある。

〜 ネタ切れのため連載(?)強制終了^^;
※その(1)はこちら
※その(2)はこちら
Posted at 2013/04/02 17:01:48 | コメント(3) | トラックバック(0) | モーターサイクル | 日記

プロフィール

「@kame☆☆☆ さん、ありがとうございます💊 かなり感染力が強いのでどうかお気をつけください」
何シテル?   09/02 20:55
バイク、クルマ、音楽、スポーツ、酒、料理、雑学を愛する昭和の不良高校生のようなおっさんで、現在の愛車はスズキ ジムニー シエラとヤマハWR250Xです。機械いじ...
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