私が初めて手に入れたクルマがこの
マツダ・ファミリア。
定かではありませんが、多分BD型1300ccだったと思います。心なしニヤけて運転しているのが若き日のオサムです。
23歳の頃、就職のために故郷の北海道から埼玉県に出てきた私はバイクHONDA CBX400Fに乗ってきました。
埼玉に来て配属された事業所への通勤には、バイクで小一時間ほど掛かりました。
暖かいうちは良かったのですが、冬になると小一時間のバイク通勤が辛くなってきました。
年が明けて本格的に冬になり、とても気に入っていたCBXですが、寒さには換えられず手放してクルマを購入することを検討しました。
そんな頃、たまに前を通る「骨董屋」の駐車場にいつもファミリアが置いてあって、「カッコいいぁ…」と思いながら通り過ぎていました。
この頃より数年前、私が学生だった頃にこの型のファミリアがとても流行っていて、憧れのクルマの一つでもありました。
ある日、思い切ってその骨董屋に入ってみました。ご主人はちょっと強面のオッチャンでした。
私 :「あ、あのぅ、すみません。外にあるファミリアは売り物ですか?」
主人:「あぁ、あれ?欲しけりゃ売るよ。車検も半年位(うろ覚え)残ってるし、現状渡しでそうだなぁ…10万でいいよ。」
私 :「ええと、このバイク中古で28万で買ってまだ1年ちょっとなんですが、買取りって出来ますか?」
主人:「このバイクか…じゃあ、クルマとすどっかえでいいよ。」
私 :「すどっかえ…って?」
主人:「あぁ、そのまま交換って事。」
私 :「…じゃ、じゃあそれでお願いします。」
こうして
「物々交換」でファミリアが手に入りました。(笑)
後から考えると、ノーマルでそこそこ程度の良かったCBXと、何年落ちだか忘れてしまいましたがちょっと古いファミリアとの物々交換は少々こちらに分が悪かったと思います。(相手はプロですからね…)
しかし、なにはともあれ真冬の通勤は非常に快適になりました。
購入(?)から2週間ほど後のある夜、友人と3人連れでクルマで飲みに出かけました。
(もう20年以上前のことなので、時効ということでお許しを…)
行きつけのスナックの前に到着し、席が空いているか確認するため路上にハザードをつけて停車し、3人で店のドアをくぐった刹那、
「ドカン」という破裂音に続けて
「ギャギャーッ」と派手なタイヤのスキッド音が響きました。
何かと思ってドアから外を覗くと、ファミリアがゆるゆると前に動いています。そして白いセダンが猛スピードで走り去っていくところでした。
「やられたッ!!」
すぐさま追いかけようと運転席に乗り込み、発進しようとしましたが、何かが引っ掛かっている様な感じでうまく走りません。
降りてクルマを確認すると、右側後部を思い切りぶつけられ、大きく変形したフェンダーがタイヤに干渉して、とても走れる状態ではありませんでした。
すぐに店で電話を借り警察を呼んで被害届を出しましたが、物損事故ということもあり、結局白いセダンを捕まえることは出来ませんでした。
「人身事故でもなけりゃあ非常線張ってまで捜査出来ないんだよねぇ…。」という警察官の台詞は今も耳に残っています。
ファミリアはレッカーで修理工場に運びましたが、フェンダーだけではなく足周りも変形しており、結局
「廃車」となりました。
たった2週間程の付き合いだった初めてのクルマ、マツダ・ファミリア。
こうして書くとドラマの様な話ですが、それだけに思い出深いクルマとなりました。
そういえば、クルマで酒飲みに行ったのバレバレだった筈なのに、警察官に突っ込み入れられなかったような気が…。
Posted at 2012/11/16 19:50:52 | |
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